【短編】濡れたローファーと雨合羽
【2人声劇】【朗読】
濡れたローファーと雨合羽
朝からシトシトと雨が降っている
水溜まりを注意しながら歩く
ローファーが濡れちゃわないように
水溜まりはピョンっと飛び越えるようにしながら歩く
今度は、おっきな水溜まり…
飛び越えられない…
そぉーとそぉーと つま先で歩くようにして慎重に慎重に…
♪チリンチリン(効果音)
🍀:「ちょっと どいてくれっ
合羽 見えにきぃーんだわ」
パシャンっ(効果音)
ア゙ア゙ 濡れた…
しかも靴下までいってる…最悪だ
だから雨は嫌いなんだよっ
トボトボと歩く
歩くたびに濡れたローファーは
ぐにゅっと音を立てた
┄┄┄┄
傘立ての前に彼が立って待っていた
🍀:「わりぃーなっ濡れちまっただ ろ?」
と言って彼はスポーツタオルを私に差し出した
あっありがとう/////
私の頬が熱くなるのを感じた
🍀:「あっ靴下も濡れちまったのか…
ごめんなっ俺の替え用の靴下じゃブカブカだしなぁ…困ったなぁ」
頭を掻きながら困っている彼が
なんだか可愛く見えた
フフっ
思わず笑ってしまったら
🍀:「あはは」
照れくさそうに彼も笑っていた
彼の笑い声は雨を蹴散らした
景色が一瞬でキラキラっと
輝いて見えた
雨がちょっとだけ好きになれた日
私の片想いも はじまった
#雨雫 #BGM当て書き