企業理念【第三編(最終)】
【第二編の続き】
シン・企業理念
第一編、第二編で述べたように、2015年~2023年の8年間は英語に転換していった時期で、英語でお困りごとを抱える企業からの相談や依頼が増え、
営業面でも順調に推移しました。
幅広く請け負わせて頂き、広く顧客の声に対応できる会社へと成長したことはとても良かったのですが、
一方、IT技術の進歩とともに顧客の要望も高度で複雑になり、広範囲に請け負いながら個々の顧客の期待に応えていくことの困難さも抱えることとなりました。
また、社内に目を向ければ、社員のキャリア、人事評価や働き方も見直す
時期に来ていました。
そこで2023年の18期からは中軸の管理職を中心に新たに経営メンバーに入ってもらう事になりました。30代の若手社員が中心となります。
ここではもっと根本的な「どんな会社をつくりたいのか」について再考する場を設けました。
当時、参考にした本がこちらです。
中小企業は人材育成にもっと力をいれるべきと唱えてあり、そのためには
根本となる「企業理念」をしっかりと定め、その想いに立ってビジョン、
経営戦略、人事評価、賃金制度をつくっていく必要性を説いてあります。
新経営メンバーが中心となり、経営陣共通の道標として、この本に沿って再構築の青写真を描いていきました。
独自サービス提供に向けて
私が本当にLITSでやりたいことは何なのか、を考えた時に頭をよぎるのが、創業間もない2007年ごろ、カナダに本社がある会社の東京オフィスを訪問した時のことです。
日本橋の雑居ビルにその会社はあり、机がいくつかと奥にサーバらしきIT機器がおいてあるような、こじんまりとしたオフィスでした。
ITサポートの話題になると、前職のITアウトソースで営業をしていた経験から”1人月”(フルタイム常駐型でひと月分のサービスの事)しか知らなかった私は、あたりまえのように、”1人月”の提案しました。
そこで、返ってきた言葉が
3名しかいない会社で”1人月”はいらない
必要な時に、必要な量サポートして欲しい
英語で海外(カナダ)とやり取りして欲しい
この3つでした。
かなり場違いな提案をした私は、返す言葉もなくその場を後にしました。
その後、当社が英語に軸足を置く様になっていた2015年ごろですが、営業・市場調査で100社以上の外資系企業を訪問しました。その多くは、社員数が100名以下の中小企業でした。(日本法人が100名以下であるだけで、グローバルでは大資本の大企業です・・・)
すると驚くことに訪問した100社は、それぞれ程度に差はありますがカナダの会社と同じニーズを抱えていたのです!!
この頃、ヨーロッパ資本の飛行機メーカーより業務のお話があったのですが、当時のLITSでは、まだそれに応えるだけの人材、技術力、体力がなく、泣く泣くお断りしました。
当時のとても悔しい思いがずっと心に残り、こうした日本にある中小外資系企業の声に応えられる会社にしたいと強く思うようになりました。
その後2022年ごろより、この思いを独自サービスとして事業に落とし込み拡大し始めたことで、これでやっていくという自信につながったと思います。
幅広くやってきた中でも、注力するべきは
「中小外資系企業に寄り添ったバイリンガルITサポート」と考え、新たに
経営メンバーとともに2024年6月に新・企業理念を制定し、全社へ向けて発表しました。
こうして、LITSは2024年6月新たなスタートをきりました。
理念に加えた「幸せ3項目」
それと合わせて、社員に対しての向き合い方も新経営メンバーを中心に議論を重ねました。
次の3つの向上を実現していくことを、幸せ3項目と位置づけました。
キャリア
事業の方向性を明確にし、社員に歩んで欲しいキャリアのエリアを決めました。 ”やること” と ”やらないこと” を決め、やることの範囲内では、社員のキャリアに対しても責任をもって向き合っていきたいと考えています。
これまで扱っていた ①WEBアプリ開発 ②PMO ③ローカライズの3領域に関しては、この改革を機に今後はLITSとして取り扱わないキャリア領域と設定しました。
待遇
待遇に関しては、従来の事業モデルを見直し、一人当りの売上総額がより高くなる事業モデルへ移行することで一人当りの労働生産性を高めていきたいと考えています。社員一人あたりの利益率を向上することで、待遇向上につなげていきたいと考えています。
働きやすさ
よく働くことも大事ですが、家族やパートナー、友人と過ごす時間も大切にして欲しいと考えています。
そのためには、子育てしながらも働ける環境や、良き仲間とチームで働くことで得られる安心感や充実感、プライベートでまとまった余暇の取りやすさ、など・・ こうした”働きやすさ”の環境整備も、独自サービスをさらに進化させていく過程で実現させていきたいと考えています。
最後に
これまでの19年を企業理念を軸に、第一編より振り返りました。
第一編では、「理念なき創業からの10年」、第二編では、「理念をつくり英語に転換した8年」、第三編では、「新・企業理念を打ち出し新たな道に進もうとしている今」というテーマでお話させていただきました。
これからも企業理念の実現に向けて、LITSならではの「Languages×IT」のサービスを世に提供し、その事業を通じて社員の幸せを実現する会社にしていくことを強く心に決意し、邁進していく所存です。