
3月に旧満州国に行ってきます
北海道旅行記の途中ですが、3月1日〜3月8日の日程で旧満州国があった中国の東北地方に家族で行ってきます。ここではなぜ、行こうと思ったのか、行くまでの準備について書きます。帰国後に書く予定の旅行記と合わせて、これから中国に行く人の役に立てば幸いです。
キッカケはANAのマイルキャンペーン
遡ること昨年の8月、私のANAマイルの期限が迫りホームページを開くと・・・

対象の路線はハワイ・フランス・中国の都市です。これはお得だと思い、実際の必要マイル数を見てみました。

中国だけ圧倒的に少ないマイルで行けます。その時はなんの疑問も思いませんでしたが、後でその理由がわかります。
そう言えば「ちきりん」さんも・・・
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私はかれこれ20年来の「ちきりんの日記」愛読者です。数年前にちきりんさんが中国東北部(旧満州)を中心に旅をしていたのを思い出しました。
この記事を読んだときは「また面白い旅をしてるなー」なんて思いましたが、その後日本の近現代史に興味を持ち色々本を読んでいくうちに、私自身も旧満州国に興味を持つようになりました。なので、今回のマイルキャンペーンは何かの天啓だと思い、大連からハルビンまで北上する旅が出来ないか考えるに至りました。
まずは奥さんに相談
まず最初に考えないといけないのが、家族で行くかどうかです。冬の中国東北部は北海道より寒く、ハルビンに至ってはほぼシベリアです。3月でもマイナス10度になる日もザラです。しかも旅のテーマが「旧満州国の足跡を訪ねる」です(笑)まぁでもせっかくならマイルも安いし家族で海外旅行も悪くないなと思い恐る恐る奥さんに大連旅行を打診してみました。その場では奥さんから「考えておく」とだけ言われました。
打診から2週間くらいが経ち、マイル減額キャンペーンの期限も近づいてきたので、再度確認したところ「有給が足りんが何とかします」との返答を頂けました。
かくして家族3人での初海外旅行はハワイでもパリでもなく、旧満州国になりました。
ビザが必要だった!
2024年の10月のある日。私の経営する宿では中国人のマネージャーの方が働いてくれています。色々アドバイスをもらおうと思い、3月に中国へ旅行に行く事を伝えました。
「ビザ大丈夫か?」
彼女からの第一声は意外なものでした。私自身、中国には約10年ほど前にトランジットで立ち寄ったのが最後で、その時は中国に入国するのにビザが必要なんて話は聞いたことがありませんでした。私は「へっ?中国は日本人ビザいらんでしょ?」と彼女に言いましたが「今は必要」と言われました。
「またまた〜」と思い調べてみると・・・


これにはびっくりです。だから中国行きの格安マイルキャンペーンやってたんですね(憶測)確かに真冬の大連にわざわざビザ取って観光に行く物好きな日本人なんていないもんなぁ。やってしまいました。当然もう航空券の払い戻しはできません。
嘆いていてもしょうがないので、ビザ取得の手続きを確認します。が・・・

東京の大使館ではダメみたいです。新潟って福島の隣の県ですけど、太平洋(いわき)と日本海(新潟)です。東京より圧倒的に遠いです。
・いわき⇒東京 自動車:2時間半 電車:2時間半
・いわき⇒新潟 自動車:3時間 電車:5時間半(東京経由が最短)
自動車だとあまり変わらないように思いますが、一度雪が降れば磐越道は高速道路ではなくなるので、更に1・2時間プラスになります。これをビザの申請と受取で2往復するのは、お金と時間の労力が・・・心が折れます。
奥さんにもビザが必要な事を告げて、ビザの申請にパスポートが必要なので、まずは奥さんと息子のパスポートを申請する事にしました。
※後日談
11月22日に激アツニュースが飛び込んできました。

まじでナイスタイミングです。これがあと1ヶ月遅れで発表だったら、先にビザの申請をしていたかもしれません。新潟に行かずに済みました。思わずスマホを握ったままガッツポーズをして、周りの人から白い目で見られました。
奥さんと息子のパスポートを代理申請
どちらにしろパスポートは必要です。奥さんは旅行で有給を使うため平日は動けず私が代理申請します。奥さんに申請書類を書いてもらい、いわきにある福島県の合同庁舎に行きます。事前に代理申請に必要な書類の確認相談はしておいたので、それを窓口に提出します。すると受付の方がおもむろに虫眼鏡を取り出して息子の申請書の署名欄をマジマジと見ます。

「息子さんの署名が枠からはみ出していますね。これだと受理できません」と言われました。署名欄は奥さんが代筆したのですが、私が見てもどこがはみ出ているのかわかりません。そんな私の怪訝な顔を見て察したのか「虫眼鏡使います?代筆の【筆】の字が0.3mmくらい出てます」と虫眼鏡を差し出されました。見てみると確かに言われれば出てない事もないかもしれない感じです。他にも
奥さんの写真の髪が一部、白く光っているので不可
代理申請者の日付が私の筆跡(本来は本人が書かないといけない)になっているので不可
とのご指摘をいただきました。こ、細かい!奥さんに「申請出来ませんでした」とLINEを入れてスゴスゴと合同庁舎を後にしました。その後、細心の注意を払って申請書を記入し、2回目の申請で無事パスポートが取れました。
中国のインターネット環境
ご存知の方も多いと思いますが、中国ではアメリカ製のSNSやLINEが使えません。これは中国には「グレート・ファイアウォール(金盾)」と言う大規模なインターネット検閲システムがあるからです。なので中国でもこれらのサイトを見れるようにするのに対策が必要です。

結論から言うと、私のiPhoneはそのままでも中国でSNSが使えるみたいです。私は現在ahamoを使っているのですが、月間30ギガ15日までは日本と同じ条件で利用出来るみたいです。しかもグレート・ファイアウォールの外で。奥さんもahamoなので同様に使えます。しかしこれだけでは問題が解決しません。なぜならウチには・・・

今回の旅行は移動を含め待ち時間が多いので、iPadは必須です。なのでこのiPadもグレート・ファイアウォールに引っかかるわけにはいきません。なので今回はもう一つの手段VPNの短期契約をする事にしました。

今回はMillenVPNを使ってみる事にしました。こちらを選んだ理由は主に3点
実際に中国で使用した人のレビューが複数あった
短期契約が可能(今回は15日で980円のプラン)
1つの契約で複数のデバイス利用が可能
こちらはまだ実際に使ってないので、帰国後に使用感を書こうかと思います。
宿と電車の予約
最初宿はAirbnbで予約しようと思いましたが、中国では2022年に既に撤退しているんですね。なので中国人のマネージャーに相談したところtrip.com一択だと言われたので、今回はコチラを利用しました。

これで列車の予約もできました。eチケットなので現地窓口で購入しなくて大丈夫みたいです。実際の利用した感想は改めて書きます。
A型肝炎の予防接種を求めて
奥さんからの強い要望で息子にA型肝炎の予防接種をする事にしました。私もバッカパッカー時代に接種したので懐かしいです。しかしここで問題が発生しました。「いわき市」「A型肝炎」で検索してヒットした病院に片っ端から電話しましたがどこも取り扱いがありません。いわきの保健所にも電話しましたが「A型が打てる病院は把握してない」とのことでした。日本ではB型肝炎はほぼ全員が接種している一方、A型はほぼ皆無です。多分接種してる人は日本の総人口の0.1%未満だと思います。なので早々にいわきで打つことは諦め近隣の都市を確認したところ、福島市と水戸市で打てることがわかりました。

いわきの場合、同じ県内の福島市より実はお隣の県の水戸市の方が行きやすく時間も早かったりします。なので今回は水戸の海外渡航外来があるエクセルメディカルクリニックで接種いたしました。ちなみにA型肝炎ワクチンは2回以上の接種が望ましいです(余裕があれば3回目も)
決済関係
コチラの事前準備は主に2つです。
クレジット会社に連絡しセキュリティの解除依頼
経験された方もいるかと思いますが、いきなり普段の生活をしているところと違う土地でクレジットカードを使うと不正利用が疑われてカードが利用できなくなる恐れがあります。なので事前に旅行日程をカード会社に伝え「勝手に止めないでね」とプレッシャーをかけるお願いします。Alipayアプリを入れておく
現在の中国ではキャッシュレス決済比率が83.8%らしいです。ほぼ現金は使わないようです。以前は中国の銀行口座が無いと中国版QR決済は使えなかったのですが、ここ最近でAlipayが旅行者でもクレジットカードと紐付けて使えるようになったとの事を、バックパッカー仲間から教えてもらいました。(ちなみにその彼女は北朝鮮から陸路で旧満州に抜けるルートを旅した強者です)

更にこのアプリDiDi(中国版ライドシェア)も使えるみたいです。これも現地で実際に使ってみようと思います。
事前準備をしてみて
家族での旅行となるといつもの行き当たりばったりというわけにもいかず、色々調べることも多かったです。多分今までの旅で一番しっかりと事前準備をしたかもです。まぁそれでも現地に行けば「しまった!」があるのが旅の醍醐味ですが(笑)まだ荷造りはこれからなので、そちらもボチボチ始めようと思います。とりあえず中国に入国さえできればこっちのものです。