確定申告の思い出⑤ 〜育休中〜
育休中に確定申告?
お給料がでないことがほとんどだし、会社に所属していて、年末調整してくれるわけだから、確定申告なんて必要ないでしょ。
と思われるでしょうか?
今回の思い出は、私が育休中の年分に行った確定申告の話になります。
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新緑の季節に生まれた我が子達。出産に備えて産休に入ったのは、年明け数ヶ月勤務してからでした。
1月から12月の収入でみると、長男のときは産休にはいる直前まで深夜残業を繰り返していましたが、それでも数ヶ月分のお給料。
次男のときは長男の育児のための時短勤務でやっぱり数ヶ月分のお給料です。
会社で年末調整してもらい、お給料から徴収された所得税は全額還付されていました。
そんな時に以前の記事です。
従業員持株会に加入していて、退職のときに株の譲渡が発生し、オロオロした思い出を書いたものですが、その時色々検索していて、株といえば!ということで「配当金の確定申告」について書かれたものをたくさんみました。
それまで、少ない持ち分でしたがわずかながら配当金を受け取っていた私。
送られてくる通知には所得税や住民税が記載されています。
そして、いつか持株会の事務局から送られてきた書類には、確定申告は不要とありました。
ところが、調べていて配当金を受け取った場合の所得税の計算については、以下の取り扱いになっていることを改めて知ります。(国税庁HPより)
配当所得は、原則として総合課税の対象となる所得で、確定申告の対象とされますが、確定申告不要制度を選択することができるものもあります。
また、 上場株式等の配当所得については、総合課税によらず、申告分離課税を選択することができます (申告分離課税の選択は、確定申告する上場株式等の配当所得の全額についてしなければなりません。)。
①総合課税で計算
②申告しない
③申告分離課税で計算
つまり、あれこれ検索してみるまで、自分があえて②を選択しているという状態になっていることに気づいていませんでした。
※事務局から送られてきていた通知を改めてみたら、ちゃんと但し書きがあったのですが、色んな用語が並んでいて、たぶん「申告不要」のところしか記憶に残らなかったのだと思います。。
そして調べていたところ、①の総合課税で計算する、つまりお給料と配当金を合わせて税金計算をし直した結果、計算された税額が、すでに配当金から引かれている所得税よりも少なければ、「納めすぎ」の状態になっているので、還付されるというのです。
例えば、1年間のお給料が70万円だったとします。
産休中に健康保険からもらえる出産手当金や、育休中に雇用保険からもらえる育児休業給付金は、所得税・住民税ともに非課税になりますので、この収入は加えません。
70万円のお給料をもらう際には、所得税が天引きされていて、天引きされた分については、年末調整によって還付されています。(=確定申告は不要)
配当金が年間1万円ぐらいあったとして、1万円×20%(所得税と住民税あわせてのだいたいの税率)で2千円差し引かれていたとします。
お給料70万円の場合の場合の給与所得は15万円。(令和2年以降)
配当所得の1万円をあわせて、
合計所得は16万円。
この場合、所得税も住民税も税額は0円となります。
70万円の収入が15万円の所得になる理由はこちら。
(給与所得控除:国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
合計所得16万円の場合に所得税が0円になる理由はこちら。
(基礎控除:国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm
全部合わせて計算した結果、所得税と住民税は0になるはずなのに、配当金をもらうときに2千円引かれている(納め過ぎている)ので、こちらが申告すると還ってくる、ということです。
この2千円を多いと思うかどうかは人それぞれですが、育休中や、育休じゃないけどパートでお給料は少ないけれど、ちょっと株を買ってみたら配当が出た、なんていうときは申告してみるといいかもしれません。
注意事項としては、育休中やパート勤務のため、配偶者のほうの申告で、配偶者控除や配偶者特別控除を申告している場合です。
給与所得だけなら、申告できた控除が、配当所得を足したら、所得をオーバーしてしまって申告できなくなる、という場合があります。
こんなことにならないように、
①配当から引かれている、所得税と住民税を確認する
②配当所得を総合課税で申告した場合の所得税と住民税を確認する
③配当所得を申告した合計所得を確認する
④配偶者の申告で配偶者控除や配偶者特別控除への影響を確認する
なんていうことをしてみるといいと思います。
所得税については、国税庁の確定申告コーナーで計算できます。
住民税については、お住いの市区町村のホームページで確認するか、他の自治体のシミュレーターなどを使って確認する方法があります。(自治体によって、微妙に税額が異なりますが、基本的な計算は同じです。)
ちなみに、上にさらっと書きましたが、育休中で収入が少ない場合、配偶者(育休をとっていない方)が受けられる控除があります。
それが配偶者控除。扶養控除の配偶者分、という感じでしょうか。
パート勤務で収入が少ない場合は、配偶者(パートじゃない方)が控除を受けるために(扶養の範囲内にするために)、あえて収入を抑えていたりする人もいますので、申告していないことはあまりないと思いますが、育休中の配偶者がいる場合の申告は意外と?されていない人が多かったです。(給与事務していたときの経験)
勤めていた会社では、配偶者控除を申告していることが、扶養手当の支給要件になっていたりもしましたので、申告すれば、税金も少なくなって、手当までもらえるのにななー、なんて思っていました。(給与以外の所得を把握できないこともあって、事務の方から「申告できますよ」なんていう案内はしていませんでした)
そんなわけで、気づいてから遡れる分を申告して、まとめて還付してもらいました。思いがけない(知識がなかっただけですが)還付って、嬉しいですね♫
育休中の確定申告、育児でそれどころじゃない〜、なんてところもあると思いますが、還付申告は5年は遡れますので、ちょっと落ち着いたときにでも、あるいは配偶者が育休をとっているけど、会社員だから配偶者控除の申請(扶養に入れる)なんて考えてもいなかった、なんていう方、是非確認してみてください。
※扶養って、税金と社会保険では諸々違います。ややこしいですけど、そのあたりはご留意ください。
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確定申告の記事はこちらにもあります👇
■株の譲渡が発生しオロオロした思い出
■初めて医療費控除で確定申告した思い出
■出産した年の確定申告の思い出
■初めて追加納税した思い出
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