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確定申告の思い出⑦ 〜子供の扶養〜
今回は、夫ではなくパートで働く私が子供の扶養を申請したお話です。
パートで働いている理由が、収入の柱となっている配偶者が別にいるからとした場合、パートで働いているほうが子供を扶養することあるの?と思うでしょうか。
扶養の意味を、googleで検索すると、以下の通り表示されました。
自力で生活できない者の面倒をみ、養うこと。
これだけ見ると、子供の面倒は夫婦共同でみているのだから、パートであっても、親であれば扶養していると言えるのでは、と思いません?
以前の記事で、税金と社会保険の扶養について書いていますので、それぞれでも扱いを見てみたいと思います。
※子供の扶養ということで、この記事では一緒にくらしている、生計が同じ子供(収入なし)について考えます。
税金の扶養といえば、扶養控除を申請できる対象ということになりますので、国税庁のHPで「扶養控除」を見ます。
「誰が」扶養控除を申請できるかについて記載されているといえば、「納税者」がということになり、対象となる範囲を確認するかぎり、配偶者以外の親族で、納税者と生計を一にしている、収入のない子供であれば、パートでも扶養控除は申請できそうです。
一方社会保険について確認します。
保険者ごとに取り扱いに違いがあるかもしれませんが、協会けんぽのHPを参考にしてみます。
扶養されている人のことを「被扶養者」と言い、該当のページがこちら。
こちらも明確に「誰が」の記載はありませんが、被扶養者の範囲を確認すると、収入のない子供であれば、パートであっても申請できそうです。
ただ、気になるのが「主として被保険者に生計を維持されている」という一文です。
税金の方には特に記載のなかった概念「主として」の部分が気になります。
そこで、こんな情報があります。(厚生労働省の通達より)
ここでは、年間収入の多い方の被扶養者とすることを原則とすること、という記載があります。
随分昔の通達で協会けんぽがまだ政府管掌だったころのものですので、現在も厳密に確認されているかは定かではありませんが、組合健保では厳しくチェックしているところもあるようです。(私の現加入健保も確認書類の提出を求められます)
そんなわけで、収入の柱が別にある場合のパートの場合、所得税を納めるぐらい収入があれば(納税者であれば)、子供の扶養について、所得税は申請できるが、社会保険は収入の柱となっているほうで、となるかと思います。
わが家も社会保険は収入の多い夫が子供達を被扶養者としていますが、所得税については、年によって夫にしたり私にしたりとしています。
どういう時に私の扶養にしているかというと、住民税が非課税(均等割も発生しない、もしくは所得割だけ発生しない)になりそうなときです。
住民税が非課税になるのは、どういうときかご存知でしょうか?
参考までに居住地ではないのですが、お近くの横浜市のHPはこちら。
パート収入がある場合、特別な条件(障害者、未成年者、ひとり親など)に該当しない場合で、扶養者がいなければ所得が45万円(パートで給与収入だけの場合は100万円)までは、非課税になります。
よくパート収入で100万円の壁、などと言われたりしますが、住民税が発生するかしないかの境ということですね。
ですが、扶養者がいる場合、その人数によって非課税となる収入の上限が変わってきます。
そこで、わが家は子供が2人いますので、それを考慮して、
・所得が45万円以上
└扶養申請なしで住民税がかかる下限
・所得が147万円未満
└所得割だけでも非課税になる上限
という状態の時は、私の方で扶養にいれることにしています。
所得147万円は給与収入だと大体230万円ちょっとになります。
1ヶ月平均だと20万円弱ぐらいですね。
上限が所得147万円となるのは、横浜市の令和3年度の場合で、次のように計算した結果です。
35万円×3(本人+子供2人)+10万円+32万円=147万円
計算式からわかるように、扶養する子供の数が多いと上限は上がりますし、扶養する子供の数が少ないと上限が下がります。
※パート収入が給与の場合、所得は収入から「給与所得控除」を引いたものになります。所得控除については国税庁のHPを参照ください
住民税の所得割の税率は、おおむね10%。
所得が147万円の場合、扶養申請せず、その他の控除もなかったとして、住民税はこれぐらい。
147万円ー33万円(住民税の基礎控除)×10%=11万5千円
これが子供2人分扶養申告すると0円!
均等割についても、横浜市の場合は
市民税 年額4,400円+県民税 年額1,800円=6,200円のうち
市民税が条件によっては1,500円まで軽減されます。
扶養の申告をするかしないかで、結構な差ですね。
所得割だけでも非課税になるかならないか、をポイントにしている理由は、現在子供達が16歳未満のため「扶養控除」を受けられないことと、住民税の税率が所得額に関わらず一定だからです。
16歳未満の扶養親族に対しては、「扶養人数」のカウントはされるのですが、「扶養控除」は受けられません。
扶養控除を受ける場合、所得税は所得が多くになるにしたがって税率が高くなりますので、所得が高いほうで扶養の申告をしたほうが世帯全体で見た場合の税金は安くなると思います。
夫の収入が多いからと、子供の扶養は全部夫が申請していた場合、パートの妻の方で子供を扶養にしてみたら、住民税が非課税になるかもしれません。
該当しそうな方は是非計算してみてください。
自治体によっては、WEB上でシミュレーションができます。
※お住まいの自治体によって、非課税の計算方法が若干異なる場合がありますので、必ず申告しようとしている対象年の「翌年1月1日」の居住地(=課税地)の自治体の情報を確認してください。
※お勤め先によっては、税金の扶養が扶養手当の支給条件になっている場合がありますので、税金だけでなく、扶養手当も考慮して世帯の誰が申告するのがお得なのか見てください。
※お勤め先によっては税金の扶養と社会保険の扶養の状況が異なる場合、確認書類が追加で必要になる場合などがありますので、気になる方はお勤め先に確認してください。
ちなみに、確定申告の思い出というタイトルですが、子供の扶養については年末調整で申告しておけば、確定申告不要です。
残業代などが毎月大きく変動するなど、収入が確定するまで、住民税の試算ができず、年末調整には申告が間に合わない!というときは確定申告で。
夫婦ともに扶養で申請することはできませんので、そこは十分ご留意を。
なお、過去に遡って変更したい!という場合はこちらを参考に。(私は申告したことがないのですが、いくつか条件があるようです。)
■税金の扶養と社会保険の扶養について書いたのはこちら