ヨーロッパのおばあちゃん
将来こうなりたいという人物像は、ヨーロッパのおばあちゃんです。
というと、ざっくりしすぎていて、なんのこっちゃ分からないと思うのですが、ほんとうに素敵だなあ〜と切に思う人にヨーロッパから来日したおばあちゃんが多かったからです。
私は書く仕事の傍らで、世界中の人と関わる仕事もしています。そこでは普通に日本で暮らしていたら知らなかったであろうことを知ったり、体験できなかったであろうことを多く経験したりしています。
日本人よりも海外の人との接することが多い中で、日本人はシャイだったりドライだったりすることが多いなあと思うことが多々あります。初対面の人に対してきちんとしてみせようとして、個性を出さないことが多いのも特徴かなと思います。
特にそう感じるのは、こちらから何かしらの働きかけをして、相手が喜んでくれるときです。その時点で、外国の方々は打ち解けた様子で関わってくれるようになることが多いなあと。
「Wow〜!Fantastic〜!」などと言いながら、ほっぺたが本当に落ちそうな顔をして喜んでくれたりします。上半身だけで踊ってくれるなんてこともありました。このようなリアクションには並外れたパワーがあって、こちらはすっかり幸せな気持ちになるのです。「わたしったら、グッジョブだな」とも思わせてもらって、お互い気持ちがホットになっている感じです。
特にヨーロッパのおばあちゃんには、これまで何度も記憶に残る体験をさせてもらいました。最近印象的だったことも、喜んでくれるかな?と思ってこちらがしたことに対して、反応が素敵だったという話です。
「Thank you very much〜!」と言いながら、突然、わたしの両手をおばあちゃんの両手でがしっと包み込んで、びゅんびゅんびゅんびゅん揺らしました。にっこりマークかな?というほどにしっかり笑う両目と口元が印象的。目尻にはたくさんシワをよせて、ほっぺたはふくらんでいて、チャーミングにもほどがあるぞーーー!と思いました。
このあと、しばらく幸せな余韻に浸っていました。このおばあちゃんはきっと、長い人生をこんなふうにしっかりと笑ってきたんだろうなあと。しわの入り方が、そのことを物語っていました。
わたしの両手をがしっと掴んでびゅんびゅん揺らす行為も、このおばあちゃんだから安心感があったのだと思います。通常、初対面の人にそれをされたら、まずはびっくりして、場合によっては怖いのではないかと思うのです。純粋に嬉しい気持ちになってもらえるかどうかはとても怪しい!仮に今のわたしが初対面の人に同じことをした場合にも、それをどんなに笑顔でやったとしても、驚かれるだろうなと思うのです。
歳を重ねると顔に人となりが出ると言われるように、これまでの長い人生の蓄積によって、今のおばあちゃんがあるのだと思います。
リアクションはもっと大きくしていきたいなあとしみじみと感じる出来事でした。マイナスな感情はさておき、嬉しいときのリアクションはもっと自然にオーバーにできるようになっていきたくて、わたし自身もこの仕事を中心に実践中です。いつかは、このおばあちゃんのようなとびきりのチャーミングさを身につけたいなあと思っています。
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