ロシアが分断され世界はどうなる?虎視眈々と脱米ドル金融貿易の覇権を狙う中国人民元。
[ニュース元記事]
【ニュース内容要約】
・欧米諸国によるロシア経済制裁が行われる中、ロシア友好国で新たな動きが見られる。
・中国、インド、ブラジルの3カ国がロシアとの経済関係維持に前向きな姿勢を示している。
・これらロシア友好国はロシアとの金融・貿易取引継続のため、欧米経済制裁の迂回ルートを探っている。
・そうした中で米ドル基軸から人民元基軸の金融システムが芽生え始めている。
・これまでの国際貿易におけるドル支配の地位が侵食されるかもしれない。
・欧米による経済制裁、ロシアのSwift締め出し決定後、多くのロシア企業が中国に銀行口座を開設し人民元建ての取引に備えているという。
・ロシア中央銀行はここ数年既に大きなドル離れを見せていた。
・ロシア中央銀行外貨準備高に占める米ドルの割合は2017年6月から昨年6月までの期間に46.3%から16.4%と大きく下落している。
・対して人民元割合は同期間において0.1%から13.1%と大きく上昇している。
・但し、ロシアの通貨ルーブルは現在大暴落をしており、足元はロシア企業の契約不履行問題などに追われている。
【Must-see ニュースな理由】
ロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁が進められていますが、現状中国、インド、ブラジルがこれに加わらない可能性を示しています。
中国の考えは元よりのロシアとの親しい関係から容易に想像できます。
インド、ブラジルが対ロシアに対する経済制裁に加わらない理由は「肥料」を理由として挙げています。
両国とも肥料をロシアからの輸入に依存しており、国内農業に影響を与えぬためロシアとの金融・貿易取引をこれまで通りに継続する立場のようです。
またインドは対立するパキスタンへの戦力としてロシア産武器兵器の供給を絶やせないという事情もあるのかと思います。
こうして米ドル決済貿易圏から締め出されたロシア対中国、インド、ブラジル貿易が今後どのような金融決済システムを構築していくのかに注目です。
中国が虎視眈々とBRICs間での人民元建て決済プラットフォームを準備しているや、ここでデジタル人民元(CBDC)が導入される等様々な憶測がされています。
(人民元CBDCはまだそこまでの実力には達していないと思いますが。)
ロシアと世界が分断された後の世界では、少なくとも人民元が今よりも影響力を増して行くのは確実なように思えます。
また中国、インド、ロシアとCBDC:Central Bank Digital Currency(中央銀行によるデジタル通貨発行)に以前から前向きな国で起こる今後の動きに注目です。