FOMC声明発表。重要点は「米景気減速織り込み」と「次回5月QT」。
[ニュース元記事]
【ニュース内容要約】
・米連邦準備理事会FRBは政策金利フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げた。
・2018年12月以来3年3ヶ月ぶりの利上げとなる。
・年内に残り六回開催される全てのFOMCで0.25%利上げを行う可能性に触れた。
・2022年末に1.75-2.00%の金利を見込む。
・2023年末金利予測は2.8%とした。
・現在約9兆ドルにまで膨らんだFRBバランスシートの縮小(QT)については次回5月のFOMCで決定される可能性があるとした。
・既に景気減速が始まっている可能性に触れ、2022年の米国成長見通しは4%から2.8%に大幅に引き下げた。
・2022年消費者物価指数予測は前回2.6%から4.3%に引き上げられた。
・今回声明からは、「新型コロナ」に関する文言が外れ、2020年より続いたコロナとの戦いの終結を示唆する格好となった。
【Must-see ニュースな理由】
昨日、注目のFOMC声明が発表されました。
マーケット大方の事前予想通り、今後の金融政策タカ派シフト(利上げ、金融引き締めの方向)を明確に打ち出した内容となりました。
今回のFOMCの注目点は2点かと思います。
一つは2022年のアメリカ景気減速をFRBが織り込んだこと。
(成長見通し4%から2.8%に引き下げ)
二つ目は、次回5月のFOMCでFRBバランスシート縮小、QTについて決定される可能性が高まったという点です。
仮に現在約9兆ドルまで膨れ上がったFRBバランスシートをパンデミック以前の4兆ドル水準まで縮小していくような意向がFRBにあるのであれば全ての金融商品にとって大きな懸念材料になります。
実際には「バランスシート縮小・QT実施額」の規模はFRBメンバーもまだ具体的にはアイデアを決めておらず、今後5月までのインフレ動向と株価動向を見て決定する意向かと思います。
アメリカ株式市場は昨日のFOMC発表を受け、材料出尽くし感、売られ過ぎの反発から一旦上昇を開始しています。
QTという大きな懸念材料を控えた次回5月3-4日のFOMCを前に、株式市場がどこまで値を戻せるかが非常に重要になってきます。