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『Ghost Of Tsushimaクリア雑感』

#GhostOftsushima

Ghost Of Tsushimaの
対馬編をクリア、
今はDC版追加要素の
壱岐編をプレイ中。

対馬編を終えた感想は
一本のハリウッド映画を見た、
そんな印象を受ける。

色々なゲームレビューで
映像美について触れられている。

確かに映像美は特筆すべき点だが、
其よりも私はこれが国産ではなく、
所謂、洋ゲーである事に衝撃を受ける。

特に日本文化の表し方は特筆すべき点。
所謂『礼に始まり礼に終わる』の心を、
映像で描いた作品は日本映画でも稀。

制作陣が如何に日本を
深く研究してきたか?
裏返せば日本人の
日本文化における無知が
露呈する作品とも言える。

日本を題材にしながら、
極めて日本的勧善懲悪では無く、
果たして本当の悪とは何か?を
深く考えさせられる作品でもある。

特に日本のしきたりや因習に対する、
海外視点における様々な疑問点が、
作品内で浮き彫りとされる事で、
作品に深みを与えてくれている。

映像的華やかさとは対象的に、
storyは迚も陰鬱としている。

蒙古に奪われた対馬を救う、
英雄憚である筈の主人公が、
幕府から謀反人として
誹りを受けお家は断絶、
民からも冥人と恐れられ
誰も表立って讃えず。

壱岐編では住処たる城すら
奪われ小屋生活を強いられ、
武士として辛酸を嘗める。

倒される側にも道理があり、
愛する仲間や家族を守る為に、
敢えて汚名を受ける者達もいる。

民を救う筈の幕府が民を見捨て、
国を襲う側の蒙古軍が民を救う、
故に蒙古に与する民も出てくる。

勿論其は本土攻略の為の餌だが、
明日の命すら保証のない時代では、
命を繋いでくれる者こそ正義である。

更には武家社会における武名や誇りと
生きる事への矛盾点も本作では語られ、
武名や誇りに生きる侍という立場と、
平和を取り戻す為手段を選ばぬ
冥人の立場との間で苦悩する
主人公の姿も描かれている。

結果的に主人公は武士として
生きる道を捨て国を救う
冥人として生きる道を選ぶ。

其により国や民は救われるが、
果たして主人公の思いは誰が、
注いでくれるのか?の問いも残る。

ここからは少しネタバレになる。

この時代武士(もののふ)と呼ばれたのは
武士階級の人間だけではなかった。

民を救う武士の活躍を影で支える者達、
商人や鍛冶師、農民も又もののふである。

特にもののふに憧れ鍛冶師として
主人公を支え最後は主人公の命を、
救う為に敵の大将に斬首される
たかの生き様は正にもののふである。

力こそ非力だが志は武士より高く、
命を重んじ民を救わんとする願いは、
正にもののふ、嫌、其以上である。

このたかの最期のシーンは泣ける、
完全にここでユーザーは冥人となり、
主人公とフルシンクロする事になる。

終盤へ向け打倒コトゥンハーンヘ、
闘志を燃やし其ゆえに打倒達成感は、
他のゲームの其を大きく上回る。

本来ならボスキャラ討伐後、
エンデイングとなる筈だが、
本作は其だけでは終わらない。

真のラストはこれでは無い、
この先に真のラストがある。

そして最後にユーザーに
究極的選択肢が与えられる。

武士として誉れに死ぬか?
人として汚名を着て生きるか?
取捨選択を迫られる事になる。

私は武士として誉れに死すより、
汚名を受けても生きる道を選択。

この判断は様々だと思う。

ゲームとしての完成度は元より、
ストーリーの重厚さ、映像美、
日本人より日本を知る姿勢等、
特筆点は幾つも上がってくる。

前作『inFAMOUS the second SON』も
勧善懲悪ではなく深く考えるべき良作。

久し振りにゲームで涙し
深く酔い痴れました。

クリア後の周回プレイの
やりこみ要素も充分であり、
トロコンマニアも納得の出来。

ゲームの読み込み速度も爆速で
ストレスを全く感じませんでした。

アクションと謎解きは少し難解だが
死にゲーレベルではなく救済策もある。

アクションが苦手な私も一騎打ちの
爽快感は麻薬的魅力を感じる程である。

絵柄はリアル系で好みは分かれる、
アニキャラ好きは少し違和感があるだろう。

超絶イケメンも美女も出てこないが、
寧ろ素朴な外見故に深い親近感を覚える。

このキャラ設定も
没入感要素の一つと言える。

兎に角不満点が見つからない神ゲー、
重箱の隅を幾らつついても粗がない。

作り手の拘りと愛がそうさせている、
久々にゲームで夜明けを迎えました。

素晴らしいゲームに
出会えた事に感謝である。

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がーさん
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