トラペジウムをみたあとのモヤモヤを分析(ネタバレ)

5月12日 日曜のレイトショーでトラペジウムを観ました。観客は自分のほかに4名で、アニメを嗜む感じの若者たちでした。

例によって、予告などの前情報を全く入れずに観に行きました。ポスターに書かれたテキストすら読まない徹底ぶり。

先に結論を言うと、モヤモヤしました。「あちゃ~・・」っていう感情につつまれました。なぜそうなったのか、しばらく考えましたのでそれを書いてみます。


あらすじ

前半、主人公の東ゆうは城州?地域の東西南北地方の女子高生を集めるため、華島蘭子、大河くるみ、亀井美嘉との関係を築きます。アイドルグループを作るために接近しているのですが、ほかの3名にはそのことを知らせません。その後、アイドルデビュー前に何をしていたか、アリバイ作りのために亀井美嘉のボランティア活動に4名で参加します。そして、地元のTVロケに映り、次第に話題を集めていきます。
ここまで、東ゆうの手書きノート、YU NOTEのとおり、アイドル作成計画が進んでいきます。

この時点では、さすが乃木坂1期生の原作!業界を知り尽くした作者を主人公に投影させて、デビュー前から打算的なアイドルを作り出す内容なんだな!と膝を打ちます。

そして、ついに東西南北はアイドルデビューを果たします。

しかし、亀井美嘉の彼氏との写真が流出したり、実は人前に出ることが苦手だった大河くるみが発狂したりといった問題が起こり、アイドルを続けたい東ゆうと普通の高校生にもどりたい3人の対立が生まれます。

ここで、あちゃ~っとなりました。こういう問題って現実でもありがちだし、理想のアイドルを作るはずの内容なのにこういうことでつまづいちゃうんだ・・っていうがっかり感があります。

その後、なんやかんやあって、東ゆうは普通にオーディションでアイドルになり、ほかの3人はそれぞれの道に進みます。よかったね!完!


なんでモヤモヤするのか

ずばり、主人公 東ゆうの計画がデビューまでしか機能していないからだと思いました。あれほど、前半に打算的だった主人公がデビュー後にありきたりな問題が発生して舌打ちするのはなんだか府に落ちません。主人公には徹頭徹尾、打算的であってほしかった。じゃあ、具体的にどうすれば良かったのか、考えてみました。

・アイドル熱愛の件
→亀井美嘉の彼氏はボランティア活動の先輩とのことだったので、前半のボランティア活動参加時に、別れさせる描写を入れる(酷い)

・人前に出ることが苦手な大河くるみ
→理系女子の大河くるみは、自らのコーディングによりVTUBER化してリモートアイドル活動できるようにしておく。

・SNSで叩かれて心をすり減らす
→所属事務所と連携し、スピード情報開示・訴訟を行う。または、東ゆうがアンチを物理的に処刑するシーンを入れる(酷い)

・生歌が下手と叩かれる
→理系女子の大河くるみのコーディングにより解決。

原作者が業界を知る人物だからこそのリアルな描写がありましたが(特に病んだときの大河くるみ)、だからこそ、その業界を上回る最高(最悪)のアイドル計画を実行してほしかったです。

この場合でも主人公以外の3名は、手のひらの上なので、YU NOTEの存在がバレて結局解散しそうだけど・・。YU NOTEがなくても、アイドル活動を通して、本当にやりたいことを発見して自分らしさを取り戻すなら結構前向きになると思う。
ここで重要なのが「アイドル活動を通して」っていう部分で、この映画、主人公以外の3名はアイドル活動で得たものが何もなかったように感じた(思い出としては当然あるけど)。ただ、大変で傷ついただけに見える。ここもモヤモヤのひとつですね。

その他 思ったこと箇条書き

・アイドルに初めて出会って、アイドルになりたいと思う一連のオープニングはスマートだと思った。

・手書きの味わいのある線画はかなり見ごたえあった。けど、ところどころ顔が安定しないのがかなり気になった。華島蘭子の眉毛がめちゃめちゃ上のときあったよね・・。

・ライブシーンくるぞ・・!くるぞ・・・!3Dはいやだ・・3Dはいやだ・・・! 手書きと3Dが半分半分!!??う、うーーーん、手書きやっぱすげー!!

・ジョウシュウのアイドルときいて、上州のアイドル!?と思った群馬県民は少なくないと思う。

・アイドル仕事のなかでテニスをするシーンを入れて、どや顔で空振りする華島蘭子をみたかったよね。

・もしかして味噌汁に入ったアリは、亀井美嘉の彼氏のメタファー!?

・元アイドル原作のアイドル作品でメタ的なので、Vtuberに主題歌お願いしちゃおう!とか全然声あってないけど、モブの声優やってもらおう!とかメッタメタな内容入れてほしかった。

・っていうかあの老人の声、マジでなんなんだよ。予算無くてメイン4人のだれかがやってるのかと思った

・見終わってから入口に張ってあるポスターのテキストを読んだ。
「はじめてアイドルを見たとき思ったの 人間って光るんだって。」
そ、そういう映画だったのかーー!だとしたら、車いす少女サチが東西南北デビューライブをみて「わあーー!」って目を輝かせるシーンが絶対必要!東ゆうがそうであってように、東ゆうもアイドルになってほかのだれかに夢を与えるっていうのは描写しないと!!ラスト10年後のサチまで描いてくれよ
え・・嘘だよな・・このテキスト


終わり

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