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野性の勘

初めて行った海外は中国・上海でした。
今からもう14〜5年前の事です。

丁度その頃の上海は上海万博の開催直前で開発の真っ只中でした。

街の活気が凄まじく、ビビりました。
東京よりすげー街があるのかと思いました。

ほぼ観光なんですが、一応仕事でもあり、レイザーラモンRGとガリットチュウ熊谷と僕の3人でやってるイベント、「RGvsハブ〜ジャッジ熊谷〜」のVTR撮影で行ったのでした。

僕にとっては初の海外でしたので3泊4日中ずっと興奮しきりでした。
全然眠くならないのです。

一日中、上海市内を観光しつつ、VTR撮りをしながら歩き回って、夜は中華食べてビール飲んで紹興酒飲んで、結構疲れているはずなのに目はバキバキです。

ホテルの部屋に居てもみんなは寝てるのに僕だけ眠れません。

まぁせっかくだしと思い1人で夜中の上海市内をランニングする事にしました。

夜の上海市内もまた刺激的でした。

電気ビカビカの通りからちょっとそれたらキョンシー出てきそうな路地に入ったり、象くらいの発泡スチロールの山をチャリンコで運んでる人がいたり、屋台で美味そうな肉まん売ってたり、どこまで走っても飽きる事がありません。

そうして街並みに見惚れて走ってたら知らず知らずに1時間くらい経ってしまってました。
そろそろ帰るか、と来た道を回れ右したつもりでしたが、やっちまいました。

完璧な迷子です。

当時は地図アプリなんかなかったし、僕はまだガラケーでした。
と言うか電波なんか入ってませんのでホテルに置きっぱなしです。

ほぼ詰みです。

人に道を聞こうにも中国語も英語も話せません。そもそも人が居ない地帯でした。
キョンシー出てきそうな街並みはどこまでも同じに見えて、大通りに出ても車がすごいスピードで走ってるだけです。
ホテルの名前もわからない。

でもなんか全然焦らないんですねー

なぜかと言うとこういう経験が一度や二度とじゃないのです。

博多、新潟、長野、茅野、松本、千葉、柏、札幌、大阪、名古屋、佐野、広島、高崎、水戸、岡山、那覇、都内の住宅街…

上海とは比べ物にならない街の規模ですが私は日本の色んなところでいつもちょっと迷子になっていたのでした。

だから余裕です。
こう言う時は大体キョロキョロしてるとなんかキッカケが掴めて帰れるもんなんです。

この時のきっかけは屋台の肉まんの匂いでした。



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