恐怖体験し、させ
北海道美唄市に住んでいた事がありました。
美唄市には30キロくらいずっと真っ直ぐの日本一長い直線道路があったり、渡り鳥がいっぱい来たりする沼があったり、アパートの2階から下に降りれるくらい雪が降ったり、the北海道を感じるのならもってこいの町ですので皆様是非行ってみてください。
美唄市は炭鉱の町として栄えた町で、私が暮らしていた頃にはそれがすっかり廃れてしまい山奥にでっかい小学校の廃校があったりして、それが道内屈指の心霊スポットになってて、その界隈では有名になっておりました。
大学生だった私も当然のように夏に友達と肝試しに向かったのでした。
やたらと月が明るくて懐中電灯なしでもくっきりとなんでも見渡せるほどでした。
みんなで校舎の奥に奥に進んでいきますとヤバそうな空気感です。
こりゃあただの廃校じゃねーや!
なんて思っていたらどこからともなく、
キャー!
と言う女の悲鳴が聞こえてきました。
そんなの他の肝試しの人の悲鳴に決まってるのですが、私たちはパニックになり一目散に出口に向かって走り出しました。
私も遅れをとってはなりません、走り出そうとしたのですが足が動きません。霊的にではありません、物理的にです。
ビーチサンダルがぬかるみにハマって抜けないのです。
完全に取り残されてしまいました。
ぬかるみから足を引っこ抜いて、ビーチサンダルを掘り出して、泥の上にこけて全身泥まみれになり、ようやく校舎から外に出たところで友達たちの後ろ姿が見えました。
待ってよー!
と言いかけたその時でした。
ひょっ!ぺちゃぺちゃ…
と言う音がしました。
音の方を見るとそこには先ほどのキャー!の声の主でしょうか、同じ年くらいの女子大生が腰を抜かし倒れておりました。
怖かったでしょう、月明かりに照らされた泥まみれのロン毛(当時私はロン毛でした)ゾンビですものね。