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2018/7/23〜29

2018年7月23日(月)
栞日で『珈琲の建築』(オオヤミノル、誠光社)を読んでいて、ふと、日記を書こうと思った。オオヤさんの歯に衣着せぬ、でも多様性や複雑さを認めていて、だからこそ断定できずにとっちらかってしまう言葉を読んでいて、誠実さを感じたからかもしれないし、ただ栞日が気持ちよかっただけかもしれなかった。

2018年7月24日(火)
松本でみた丸善のことが気になっている。

2018年7月25日(水)
一日は24時間しかないのだし、体は一つしかないので、いろいろ抱え込んでいるのだけれど、とりあえずなるべく約束の時間は守りたい。ZINEの大商談会をやるような話になった。

2018年7月26日(木)
丸善松本店。どう見てもジュンク堂の立て付けの棚を使っていて、B1〜2階の3フロアで、1階に文具と文芸書、地下に文庫と人文書。2階に理工、児童書、という構成。このあたりかたらもジュンク堂感が半端なく漂う。もともとジュンク堂だったのだろうか?と思っていたらそもそも店が新しかった。2011年オープン。ちょうどジュンク堂と丸善が同じCHIの傘下になった年だった。地元の百貨店別館の跡地。文具の扱いや商品構成はさすがの丸善、といったところで日用文具以外にもブックカバーや、なにか凝った意匠の置物など。よく丸善の売り場で見るけど誰が買って、何処に置いているんだろうか。3階には文教堂のアニメガとJOYというアニメグッズも扱う店とプラモデル、模型用品を扱う店が入っていて、マンガの扱いはアニメガのオープンとともに、丸善からアニメガへ移行したらしい。会計は〜2階の丸善とアニメガで別。丸善もジュンク堂も、文教堂も大きく見て同じグループ会社なので、この辺一帯、俺のシマのグループで埋めましたという立て付けなのだけれど、これ通う人は混乱しないのだろうか。人も別々に雇っているっぽくて、なんだかなぁと、分業が嫌いな僕は諸悪の根源を感じてしまうのだけれど、ファッションブランドとかでもよくあることだし、通っている人はそんなこと別に考えていないのかもしれない。というかいないし、いないほうが幸せ。愛知でオタクだった僕にとって、自分の家の近くにこういう店があったら高校生のときにめっちゃ通うよね、という気もするのでそれはそれでいいのかもしれないし、ぜひこの場所には本屋があってほしい。のだけれども、もやもやした。

2018年7月27日(金)
山口俊のノーヒットノーランを目撃してしまった。期待されてFAで加入した巨人での一年目。怪我で思うように投げられずバッシングを受け、それでも6月の復帰登板で好投して泣いて、にもかかわらず7月に自分の誕生日に酔いすぎて暴行と器物破損という事件で謹慎。一年間を棒に振った。その時の山口バッシングはひどかった。目を覆うような言葉が並んでいたし、実際に暴行は本当に良くないのだけれど、それでも人生は続くのだから、寛容、反省と再生、かける言葉の厳しさや優しさにかかわらず、そういう気持ちが含まれていないと、どこかで許されていないとだめだと思った。だから、いや、だからというわけではないのだけれど、ノーヒットノーランなんて今後一生目撃できない事かもしれず、ポンポンとアウトをとっていった山口は、どうも忘れられない選手になった。のだけれど、この日はたぶん、山井の日、として僕の心には刻まれた。「山口のノーヒットノーラン。あの日は山井が頑張っていた」。山井といえば、2007年の日本シリーズで完全試合のまま交代して日本野球史上初の「継投による」完全試合を達成したことが有名で、2013年には今度はしっかり1人でノーヒットノーランを達成している。そんな山井が先発した日にこんなことが起きるなんてなにか運命を感じる、とかそういうことでもなく、山井にとっていつまでも2007年のことを引き合いに出されるのも迷惑なのだろうという気もする。ただ単に40歳の山井が頑張っていた。入った会社の野球部が1年で廃部になって、23歳で中日に来てくれて。ピンポイントで話題になる活躍はするけれども、ずっと怪我との戦いで、通算成績は決して良くはない山井。それでもずっと、中日のマウンドに立ってくれた。そんな山井が7回までしっかりをマウンドにいてくれた。それだけで、今日はいい日だと思えた。だからこの日は山井の日だった。

2018年7月28日(土)
長野の改造社書店で「信州の書店限定、トートバッグ」なるものを見つけた。書店オリジナルではなく、あくまで信州の書店限定で卸売販売されているような商品だった。
http://www.eki-midori.com/matsumoto/shop-list/shop/kaizousha/2018/02/4886.php
すばらしいな、と思った。

そこで思い出したのが、「BOOKSELLERS CLOTHING issue」のことだった。
書店限定で販売するアパレルブランドで、本好きのためのグッズを作っていくということだった。
すごい。最高のアイデアだ。超かっこいい。そう思ってブランドサイトをくまなく見て、気づいてしまった。何処にも書いてないけれども察してしまった。全部推察で書いているので、ちがったらごめんなさいなのだけれども、どうやらそもそもの運営会社があって、まずはそこの傘下の書店に、実験店的な意味合いで販売をスタートするようだった。会社員の立場もわかるし、たぶんやっている人はそれでもとても頑張って企画を通してくださったのだと思うし、忸怩たる気持ちもあるのだろうけれども、こんなに素晴らしいコンセプトが企業のシマというか、領域に囲われてしまうことがなんだか許せなかった。せめて、そうならそうとちゃんと運営している人を書いておいてほしかった。個人でも法人でも、いずれにしたって、だれがどんな意思でやっているか、ちゃんと前に出たほうがやる方も受け取る方も面白いのに。だから、なんだかとにかくとても悲しくなってしまったのだった。
こういうことをきれいごとというのだろうという気もする。僕自身、経営とか運営とか、理論だった正しさ、をずっと追求するような生き方をしていて、だからそれを全然否定できないのだけれども、純粋さ。境界のない純粋さにあこがれているだけなのかもしれない。

で、調べてみたのだけれど、信州のトートはどこがやっているのかわからなかった。書店用品卸のお茶の水商事の仕事かもしれない。ちゃんと、そこの店や地域に寄り添ってオリジナル商品を作るのはむちゃくちゃかっこいいし、H.A.Bもそうありたいと思った。

2018年7月29日(日)
午前中に、店の近くでやっていた「BOOKMARKET2018」に行く。午後から自分の店を開けなければなので、割とすっと回って買い物しつつ知り合いには声をかけていく。のが、大変「関係者」っぽいふるまいで、唾棄すべき行為!と思った。事実知り合いが多いし、行けば行くほど知り合いが増えていくので仕方ないのだけれども、こう、新鮮さ。いや、なんか偉い人にはなりたくないぞ、みたいな気概とプライドが見え隠れする。めんどくさい30代
タバブックスのお二人が作ったZINEをその場で仕入れて帰ってきた。イベントで直接仕入れてくるのは買い付けのようで毎回楽しい。
お店は繁盛して、多くのかたがBOOKMARKETから流れてきてくださったようだった。素直に嬉しい、のでイベントは良いなと思った。単純な思考。展示が本日最終日で撤収をお手伝いして、共同開催だったReadin’Writin’さんにお礼を。
店を閉めた後に隅田川の花火大会を見に行った。飲んで歩いて帰れるという、両国住まいに感謝する。花火の最中、大きなものが上がるたびに指さしながら興奮して「あーー。あーーー!!」と言っている3歳くらいの男の子がいて、みんな本当に幸せな眼差しでその子を見ていた。純粋さ!

#READING
「珈琲の建築」(オオヤミノル、誠光社)
https://seikosha.stores.jp/items/59eacd02428f2d5e5b00183f

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