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I'm がん細胞

私はがん細胞だ。いや、もともとは正常な細胞だったが、強いストレスと睡眠不足で、細胞が増幅するときにがん細胞になってしまった。私だけでなく、他の細胞も同じようにがん細胞になっている。環境ががん細胞にさせている。

普通は自然死する予定だったのが、なぜか我々は死なない。がん細胞という名前は、人間が勝手につけた名前である。人間は自分たちにとって都合のいいものは薬と呼び、悪いものは毒と言う。社会に評価されれば才能となり、それが誰かの迷惑をかけると障害と言われる。

I'm がん細胞。

私たちもなりたくてなってもがん細胞になったわけではない。できることなら誰にも迷惑かからない細胞でいたかったですよ。

がん細胞と忌み嫌われても、私たちは生きている。私たちも腹が減る。身体から送られてくる栄養をいただく。血管は高速道路のトンネルみたいなもので、血管に入っていろんな場所にいって栄養を摂取する。

人間は、身体は自分一人のものだと思ってる。でも実際は、私たちがん細胞を含めて、30兆個の細胞の共同体である。さらに常在菌は、40〜100兆個いる。私たちが複雑に相互作用しあって、社会を形成している。

地球にいろんな人間が暮らしている。真面目に働くやつもいれば、そうじゃないやつもいる。

人間の身体を「地球」だと捉えてもいいかもしれない。芸術を「日記」って言ってみる感じで。

人間は自分の意識で自分の身体をコントロールしているように思っている。でも実際はそうじゃない。人間はコロナに罹ったら、思うように動かなくなるだろ?身体は意思とは関係なく動いている。

人間の意思は、身体の奴隷だ。身体が疲れたら、機嫌が悪くなる人いるだろ?ランニングして身体が活性化したら、思考がポジティブになった経験ない?だから身体が大事だし、身体様の言うことを聞いた方がいいよ。

でも私たちがん細胞は身体を壊してしまうんだけどね。本来他の細胞の栄養だったのに私たちが食べてしまう。その結果、全体の細胞のバランスが崩れてしまい、人間が死んでしまう。自分のことばかり考えていると、全体がうまくいかなるのも地球っぽい。

がん細胞が言うのは、説得力ないんだけどさ、環境は大事よ。

大事なことだけど、元気でいるとつい大事なことを忘れてしまう。意思はそんなに大したことないぞ。身体が苦しくなったら意思はすぐに死にたくなるよ。いつか風邪引いた時にでも思い出してくれよな。