丸の内オフィス
彼は商談を終えて、丸の内のオフィスに戻った。ワンフロアで200名くらいいるだろうか、部署毎にテーブルが分かれていて仕事をしている。
彼も自席に戻る。パソコンを開いて、メールをチェックする。ふとそのときに、彼は「さみしさ」を感じたのである。
同じフロアに従業員がいる。上司も同僚もいる。それにもかかわらず自分は「ひとりぼっち」だと彼にはハッキリと感じた。誰に何をされたわけでもなく、いじめられてるわけでもないのに。
「ここではない」と感じたことは、後に彼が起業していく一つの要因でもあり、10年以上たって前でもそのときの感覚は身体に残っている。