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投資失敗時に読むべき本③「DIE WITH ZERO」

「ゼロで死ぬという目標を持とう」という本です。
どういうことかと言うと、死ぬときに多くの貯金を残しても仕方がないという当たり前の話です。
でも、実際に本当に多くの人が老後の不安で貯金ばかりして、現在の時間を楽しまずに無駄にしています。仕事ばかりに邁進して、趣味や楽しみのためにお金と時間を使うことをしません。
それで、老後になった時にはお金も時間も有り余るのですが、体力も健康も十分でないので、もはや遊びまわることはできない。若い間に汗水たらして貯めたお金と時間が、ものすごくもったいなかったことに気付くということです。

当たり前の話ではあります。
でも、現代人のほとんどは、そのことをちゃんと実感できていません。老後には2,000万円の貯金が必要だとか、いやいやその金額でも足りないとか、節約や投資を訴える論調が多く、私たちも知らず知らずのうちに、この勤勉節約志向に毒されています。

金を払って得られるのは、その経験だけではない。
その経験が残りの人生でもたらす喜び、
つまり記憶の配当も含まれているのだ。

だから、私たちは経験に対して十分にお金を払って投資すべきだし、老後にとても大事になるのは、その配当、つまり「思い出」だということです。良い思い出をつくることが何よりも重要であると、この本では説いています。

投資の失敗経験をした人は、この本を読んで何を学ぶべきでしょうか。
お金に対する向き合い方を、ちゃんと見直すべきだと思うのです。
確かに今回の失敗によって、老後の貯蓄をほとんど失ってしまったのかもしれない。でも、もし投資に失敗していなかっとしても、そのお金は老後の余分な貯蓄になっただけで、自分の人生で使いきれない無駄になっただけかもしれない。そう考えると、自分の人生にとってはほとんど損失ではなかった。このように、冷静に考えられると思うのです。

投資の失敗は、サンクコスト(埋没費用)だと割り切るべきだと思います。
過去の投資額は既に決定済なので、そのことに囚われずにいま現在の価値判断だけに基づいて行動を決めればよいという考え方です。過去に100万円を払って法律事務の知識を身に着けていたとしても、地方に移住して林業に従事するほうが楽しいと思えば、過去の投資額にかかわらず現在の価値基準で行動しようということです。

DIE WITH ZEROは、お金に対する向き合い方や価値観について、重要な示唆を与えてくれる本です。世界中でベストセラーになっているのも納得です。豊富な実例に基づいてその考え方を説明してくれるので、説得力があります。
投資に失敗した今だからこそ、これからのお金との付き合い方について正面から向き合い、投資に一喜一憂し無駄な貯金を貯めるということだけでなく、いま使えるお金を賢く使いながら「思い出」を充実させることに注力すべきだと思います。思い出の作り方は人それぞれであり、お金を必要とするものもありますが、お金をほとんど使わないものも多いです。
何を楽しむかは、まさに自分次第。そういう前向きな気分にさせてくれるのが、この本の魅力です。

この記事は、「投資で大失敗した時に読む本」から、ごく一部の内容を抜粋して紹介しています。


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