卓上CNC Genmitsu PROVerXL 4030 V2 導入について
僕がDIYや研究活動、教育活動の一環として取り組んでいる卓上CNCの自作と改造についてお話しします。特に、今回ターゲットとするCNCであるサインスマート Genmitsu PROVerXL 4030 V2についても詳しくご紹介します。
購入したCNCの紹介
僕が今回購入したのは、Amazonブラックフライデーで購入した Genmitsu PROVerXL 4030 V2 です。このモデルは、ものづくり系Youtuberのなんとか重工さんが卓上CNCを魔改造して使用しているのを見て、「僕でもできそうだ」と思ったのがきっかけです。(参考: なんとか重工さんの動画)
このCNCは、精度と拡張性を兼ね備えた卓上CNCルーターで、以下の特徴があります(販売元情報: 製品ページ):
作業エリア: 400mm × 300mm × 110mm
木材やプラスチック、アルミニウムの加工が可能です。
駆動ねじ: T10ボールネジ
制御ボード: GRBL 1.1h に対応
CandleやUniversal Gcode Senderが付属しており、USB経由で簡単に操作できます。
僕はこのCNCをAmazonブラックフライデー2024期間中に159,999円で購入しました。過去にはこれよりも安価で販売されていたこともあるようで、ドル円レートが改善されれば再び価格が下がる可能性があります。
Genmitsu PROVerXL 4030 V2 の特徴
主軸(スピンドル)
Genmitsu PROVerXL 4030 V2 の主軸は、300W DC空冷スピンドルモーターを標準搭載しています。以下は、別売りの同じモータの情報を基にした仕様です(モータ情報):
型番: 101-60-SPM300
出力: 300W
電圧: 0-48V
回転速度: 最大12,000 RPM
ホルダー: 52mmクランプ対応、ER11コレット
ステッピングモーター
タイプ: NEMA 23(2相、3A)
特徴: 高精度で強力なモーターを採用し、深い彫刻や速い加工に対応可能。特に金属加工に適した設計です。
レーザー加工機能
Genmitsu PROVerXL 4030 V2 は、オプションでレーザーモジュールを追加することで、レーザー彫刻や切断が可能です。
改造を始める理由
このCNCをそのまま使用するのではなく、改造を加えてさらに性能を向上させることを目指しています。その理由は以下の通りです:
加工可能材料を増やす
僕の研究では主にプラスチック材を活用していますが、プロジェクトの特性上、定期的に金属(アルミや鉄)を加工する必要があります。そのため、3Dプリンタだけでなく、このCNCを購入しました。しかし、金属加工では高い出力のスピンドル、高い剛性や精度が求められるため、このCNCの性能を最大限に引き出すべく改造に取り組んでいます。精度の向上
標準構成でも十分な精度を備えていますが、さらなる微細加工を可能にするために改良を加えたいと考えています。加工速度の最適化
研究や教育現場では、効率的な作業が求められるため、加工速度の向上や調整を視野に入れています。情報共有の不足
今回のCNCの改造では、本当に日本国内での情報が少ない状況です。僕自身が取り組む改造プロセスを記録として残し、同じようにCNCの性能向上を目指す方々の参考になる情報を提供したいと考えています。
改造計画の予定
主軸の交換
現在の300W主軸をより高出力なものに交換し、金属加工時の剛性と精度を向上させます。冷却システムの追加
金属加工時の熱問題を解決するため、スピンドルの冷却システム(液冷)を導入予定です。
これらの改造は、すでに購入した中華スピンドルセットを活用して進めます。レーザーモジュールの搭載
60wレーザーモジュールを購入したので、非接触加工の幅を広げます。旋削モジュール
メーカー提供のアップグレード品として4軸キット(詳細)がありますが、計画1で交換した300W主軸が余剰となるため、このモーターを活用してCNC旋盤としても利用できる可能性を追求します。
おわりに
今後の投稿では、これらの改造の具体的な手順や成果物、さらに使用したパーツについて詳しくお話ししていきます。金属加工やものづくりに興味のある方、DIYを趣味にしている方、そして教育や研究活動でCNCを活用している方々にとって役立つ情報をお届けする予定です。どうぞお楽しみに!