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60. 未来の食卓を守るためにできること:ASC認証編

みなさんこんにちは。


今回は前回に引き続きまして、「ASC認証」について書いていこうと思います。 名前は似ていますが、どんな違いがあるんでしょうか? 僕もあまり知らないので、知識が増えるのが楽しみですね。


そもそもASC認証とは?

 ASC水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)の略で、WWF(世界自然保護基金)IDH(オランダの持続可能な貿易を推進する団体)の支援のもと、2010年に設立された、独立した国際的な非営利団体です。

 ASCの責任ある養殖水産物のための認証とラベリングの制度が世界をリードするものになることを目指しています。 ASCの主たる役割は、WWFが主宰する円卓会議「アクアカルチャー・ダイアログ(水産養殖管理検討会)」により策定された、責任ある養殖に関する世界基準を管理することです。

  ASCは、養殖業者、加工業者、小売業者や食品サービス業者、科学者、環境NGOおよび消費者と協力して、次のような取り組みを行っています。

 • ASC養殖認証制度と水産物認証ロゴを通じて、責任ある養殖を認定し、その実施を支えること。
• 水産物の購入時に環境的・社会的にベストな選択をするよう奨励すること。
• 水産物市場の持続可能性に向けての変革に寄与すること。


ASC認証の信頼性の高い基準

 ASCは国際社会環境認定表示連合(ISEAL)のメンバーであり、ASC の活動は、信頼性の高い基準設定に関する要件を満たしています。 ASC基準 は、ISEALの適正実施規範に沿って策定されたものであり、包括的で透明な基準設定の要件を満たしています。

ASCの7原則
1. 国および地域の法律および規制への準拠
2. 自然生息地、地域の生物多様性および生態系の保全
3. 野生個体群の多様性の維持
4. 水資源および水質の保全
5. 飼料およびその他の資源の責任ある利用
6. 適切な魚病管理、抗生物質や化学物質の管理と責任ある使用
7. 地域社会に対する責任と適切な労働環境

 ASCとしての原則を見ると、しっかり方に準拠しつつも、今ある資源や生態系を守っていくことや、これから先発展していく上で持続可能かどうかまで配慮されているのが分かります。

 何を大事にしているかを見ると、その製品がどれだけ安心安全に使えるかが分かるので、選ぶ側としても安心できますよね。


養殖認証が必要な理由とそのメリット

 世界の人口が増え、高タンパク質で低脂肪、栄養豊富、健康的な魚の需要も増大しています。

 しかし、昔から続く漁法では、漁業資源は有限で、既に海水魚の86%*は限界まで漁獲、乱獲されており、高まる需要を満たせません。 海の天然漁業は既に供給限度に達しています。

 それに代わって、養殖だと天然漁業を抑えつつ、世界の需要を満たすこともできます。 養殖は世界で最も急速に伸びている食糧生産システムであり、2018年までに、世界で消費される魚の半分以上が養殖魚になる見込みです*。

 ただ、養殖は適切に管理をしなければ、ずさんな現場運営や、水質汚染、生態系の撹乱、劣悪な労働条件など、様々な悪影響を及ぼします。 養殖産業は急速に成長しているので、環境や地元コミュニティーに与える影響も大きくなります。

 養殖の適正管理を推進すれば、環境や社会に与える影響を軽減しつつ、高まる水産物の需要を満たすことができます。

*国連食糧農業機関の「世界漁業・養殖業白書(2012)」(SOFIA, 2012, FAO)

資料「責任ある養殖の必要性」


まとめ

 天然の魚介類に代わる食材として、養殖の水産物もよく見かけますし、食卓に並ぶことも多いのではないでしょうか? そんな養殖物の食材も適切に管理をされて今手元にあるものなのか、生態系を乱していたり、労働環境が悪い中での需要の増大は更に労働環境を悪くすることにも繋がりかねません。

 その結果、更に水産物が消えていってしまうのでは元も子もないですよね。 みんなでおいしい食卓を守っていくためにも、ASCラベルがついた養殖物や、前回ご紹介したMSCラベルが付いた商品を選ぶことが、今私たちにできることではないでしょうか?

 昨日スーパーに寄ってみたところ、きちんとラベルが付いている商品もありました。 意味が分からずに買うのと、分かって買うのでは意味が違ってきますよね。

 こんな形ですが、自身の知識が増え、環境のためにできることが増えたのは嬉しいです。 みなさんも気になったら是非気にして見てみてください。


それではまたどこかで。

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