2021年沼回顧録~ウマ娘から競馬にハマって印象に残ったレース・ベスト10
皆様こんにちは。そろそろ2021年も終わりですが年の瀬をいかがお過ごしでしょうか。
2020年は年の瀬も押し迫ったタイミングで虹ヶ咲という新しい沼にハマり、人生で初めてアニメのBDをマラソンすることになりました。翻って、今年は平穏無事なオタクライフを過ごすつもりで居たのですが、そうはなりませんでした。
出会ってしまったのです。ウマ娘と、競馬に。
今年1月から始まったアニメ2期を「とりあえず見てくれ!」と勧められたのがすべての始まり。その後の詳細な経緯は以前書いた以下の記事を参照していただくとして、ウマ娘のアニメ→ゲーム→実際の競馬というルートで、ズブズブと沼にハマっていくのにそんなに時間はかかりませんでした。
気づけば、ライブで遠征しているとき以外はほぼ毎週末グリーンチャンネルWebで全レースを流しているという生活を送るようになり、4月後半から開催された芝の重賞レースはほぼぜんぶ馬券を買っていました。より楽しむためには知識が不可欠!とばかりに日々情報収集をし、関連書籍を読み漁り……私の生活は「競馬」にものすごい勢いで侵食されていきました。
もともとスポーツを見るのは好きですし、学生時代は生物の研究をしていた(※馬ではなく鹿でしたが……)こともあり、競馬を楽しむ素養はあったのだと思います。
とはいえ、やはりそれを続ける原動力になっているのは、ウマ娘を通じて我々の周囲にいるオタク層に一気に競馬が広まり、一緒に楽しんでくれる人がたくさんできたこと。そして何より、ウマ娘の世界だけでなく、実際の競馬もドラマチックで熱いものであると体験できたこと。この2点がとても大きいのではないでしょうか。
ということで今回はそんな競馬初心者オタクが、今年見て印象深かったレース・ベスト10について書いておきたいと思います。
尚、レースの選択については独断と偏見が多分に含まれます。また、知識不足に起因する間違いが色々あると思いますので、そちらについてはご指摘等いただけると大変助かります。
◆第10位:純白のヒロイン、そのインパクト~桜花賞/ソダシ
今年、初めてリアルタイムで映像付きで見たレースが桜花賞でした。その前はradikoでラジオNIKKEIの中継を聞く程度だったのですが、G1レースはTV中継もあるということで、じゃあ見てみるか……となったわけです。
当時は今と比べても全く知識がなく、「とりあえずエアグルーヴの血を引く馬が出る」「メイケイエールってやつがヤバいらしい」くらいしか知りません。そんな状態で映像から私の目に飛び込んできたのが、今年のヒロインとも言うべきソダシだったのです。
とにかく目立つその真っ白な馬体。おまけにキレイなだけではなく強いらしく、昨年は白毛馬初のG1制覇を成し遂げたとか。白毛馬ってなんだ?というかゴルシも白かったんじゃないっけ?どういうこと?
そんな疑問を抱えたまま、あれよあれよという間にレースが始まります。何を見て良いのか分からない私には、お目当てのエアグルーヴの血を引く馬たちがどこにいるのかすらまったくわかりません。辛うじてメイケイエールが暴走気味に飛んでいってるのはわかりました。
そんな中でもひときわ目立つ真っ白な馬体のソダシ。前方のいい位置を取っていたと思ったら、最終直線でスッと抜け出して先頭に立ちます。そのスピードは衰えず、末脚を炸裂させて必死に追いすがるサトノレイナスを優雅に振り切って一着でゴールイン。
白毛馬による初のクラシック制覇という、歴史的瞬間でした。
「白毛馬は走らない」なんてジンクスはおろか、芦毛と白毛の違いすら知らない私はただただ、「強いってこういうことか……なるほど……」と圧倒されるばかり。その後もソダシは古馬混合重賞の札幌記念を制したり、チャンピオンズカップでダート路線に挑んだりしているのは皆様ご存知のとおりかと思います。きっと来年も様々なチャレンジに挑み、自らの手で(蹄で?)歴史を作っていくのでしょう。
趣味的な話をすると、私はほぼ百パーセント「メインヒロイン」とか「王者」みたいな存在が推しになることがないタイプの逆張りオタクです。ただ、その後のいろいろを思うと、初見のレースが世代を代表するヒロイン的存在のめちゃくちゃインパクトある勝利だったのは、その後競馬を見ていく上でとても大きなことだったと言わざるを得ません。そういう意味ではソダシには感謝してもしきれないな、と思います。
◆第9位:若き俊英・完全覚醒~天皇賞・秋/エフフォーリア
今年の3歳牝馬の主役をソダシとするなら、3歳牡馬の主役はエフフォーリアをおいてほかにないでしょう。無敗のまま皐月賞を制し、ダービーでは惜しくもハナ差での2着。そこから立て直し天皇賞・秋と有馬記念を三歳で制するという偉業をやってのけました。ここまでの通算成績は7戦6勝2着1回。バケモンだこれ。名実ともに現役最強馬じゃないでしょうか。
そのレースぶりを見ていると、皐月賞以降のエフフォーリアの軌跡は、主戦を務める横山武史騎手の成長の軌跡でもあるように感じられます。
武史騎手がエフフォーリアとのコンビで戦った今年の四戦は、いずれ劣らぬ素晴らしいレースでした。その中で、ダービーと天皇賞の二戦にこそ、彼の躍進の理由が詰まっているように思います。
仕掛けのタイミングをほんの一瞬誤ったがゆえに、福永祐一騎手の駆るシャフリヤールにハナ差で屈したダービー。
逆に完璧なタイミングで仕掛け、同じく福永騎手が駆るコントレイルに打ち勝った天皇賞。
この二戦を通じて、武史騎手は、自分のミスをきちんと受け止めて分析した上で、その失点を次戦で必ず取り返す、そんな騎乗をしてくれるジョッキーなのだな、ということを強く感じました。
後述するタイトルホルダーのセントライト記念から菊花賞への臨戦過程も然り、あるいは前日に半弟ヴァンガーズハートで油断騎乗をやらかしたあとのエフフォーリアの有馬記念での勝利も然り。若さ故の過ちはあれど、それを受け止めて真摯に競馬に打ち込む姿に、一人の人間として惜しみないリスペクトを覚えました。
続く有馬記念でも、グランプリ女王クロノジェネシスを向こうに回した完璧な騎乗で、もはや春とは別人レベルに成長していると感じました。おそらく来年は彼とエフフォーリアが、世代のみならず競馬界の中心となって動くはずです。そこでのさらなる活躍を、一ファンとして期待せずにはいられません。
◆第8位:名手は未だ衰えず~朝日杯フューチュリティステークス/ドウデュース
今年になるまで競馬についてはほとんど素人同然の私でしたが、それでも知っている人名がありました。そう、武豊です。
ウマ娘でもスペシャルウィークやサイレンススズカを筆頭に、彼が手綱をとった馬がたくさんキャラクター化されています。勝ち取った栄冠の数は現役最多、押しも押されぬ競馬界のレジェンド。競馬を見始める前の武豊の印象はそんな感じでした。だもんで、きっと今もG1を取りまくるような大活躍をしてるんだろうな……と思っていたわけです。
ところがどっこい、初めて見たG1の桜花賞に武豊騎手の姿はなく、その後のG1戦線でも素人目にぱっとしない成績が続きます。もちろんその時はG1に出られるだけでもどれだけ凄いことであるかとか、騎乗依頼の量も質も全盛期の比ではないということをちゃんと知りません。知らないというのは恐ろしいことで、「もしかして武豊ってもう終わりかけてんのか……?」などと失礼千万なことを思っていました。いやホント無知って怖い。
それがひっくり返ったのが11月のファンタジーステークス。たまたま現地観戦するチャンスに恵まれた私の目の前には、ウォーターナビレラとともに颯爽と勝利する武豊騎手の姿が!3月の中山牝馬ステークス以来の重賞制覇を生で見た瞬間でした。勝利に沸く阪神競馬場のゴール前で、私は一人「誰だよ武豊が終わったなんて言ったやつは!私だよ!!本当になんて失礼なことを!!!」と心のなかで平身低頭していました。
そうして迎えた2歳マイル王者決定戦・朝日杯フューチュリティステークスを制したのが、武豊騎手の駆るドウデュースでした。
ここでも私は「朝日杯で距離短縮組の好走はないから、前走で1800使ってるドウデュースは絶対にないわ」と馬券から切っていたのですが、そんなデータやジンクスを物ともせずに勝つその姿に、天才・武豊は未だ健在であるとの印象を強くしました。
マジモンの天才にデータはかなわないんだよ……。スポーツ漫画でよくあるやつじゃん……ほらテニプリでも四天宝寺戦で乾が手塚とのダブルスから実質ハブられてたじゃん……。Tさんって凄い、改めてそう思った。
……また、武豊騎手が朝日杯を制するのは初めてで、これによりホープフルSを勝てば平地G1全制覇となる、というニュースも驚きでした。
私のような素人でも前から知っていたくらい有名な騎手にも、やり残したことがあること、そしてまだ挑戦し続けるべく、日々戦い続けていること。
そのことに、驚きながらも尊敬の念を覚えました。
G1を勝っているからすごい、というのは一つの指標ではあると思います。
ただ、たとえ全盛期の勢いはないとしても、最善を尽くして挑戦し、勝利を掴み取る姿勢を貫き続けていることが、今の武豊騎手の「凄み」なのではないかと思いました。だからこそ、サイバーエージェントの藤田社長やキーファーズの松島オーナーといった錚々たる馬主が、彼に愛馬を託すのでしょう。きっと来年も生ける伝説は走り続けるはずです。願わくば、前人未到の平地G1全制覇の偉業を見届けられる日が、そう遠くない内に訪れますよう。
◆第7位:超えられない壁なんてない~中山大障害/オジュウチョウサン
春になるまで競馬の「ケ!?(©エルコンドルパサー)」も知らなかった私、当然障害競走というものがあることも知りませんでした。ただ、なぜか(本当にどういうわけか)オジュウチョウサンという名前だけは聞き覚えがあったのです。まぁインパクトある響きだもんね。
というところで「オジュウチョウサンって名前だけ知ってるけどどういう馬なんだろう……」とツイートしたら、送られてきたのが2017年の中山大障害の動画でした。
ツイートにも書いたとおり、最後の直線でのエグい加速に圧倒されました。その動画を見た二日後にちょうどやってきた中山グランドジャンプ。オジュウチョウサンはどんな走りをするのだろうかとわくわくしていたら、まさかの5着。半年後の東京ハイジャンプでも3着。本当に失礼なのですが、年齢のことを考えると衰えも出てくるよなあ……しょうがないよなあ……などと思っていました。
そんな私の厚顔無恥な横っ面を叩くかのように、華麗な勝利を飾ってみせたのが、つい先日の中山大障害でした。オジュウチョウサンのトレードマークともいうべき障害ギリギリを超えていく低い飛越、そして最後の直線で打ち勝つ勝負根性……それらが十全に発揮された勝利だったと思います。10歳という年齢の壁すら軽々と越えていくその姿は、未だ王座を譲るつもりはないという堂々たる宣言に見えました。めちゃくちゃカッコいいじゃねえか。
あと、一つ障害を超えるたびに拍手が巻き起こる障害レース独特の空気感もものすごく好きだったりします。全人馬無事に……というのはどんなレースでもそうなのですが、障害レースを見守る人たちの目と温かい拍手には、それがより一層こもっているような気がします。
来年も現役続行が決定したことで、ついに現役馬の獲得賞金額最多記録を保持することになりました。これからも、障害レースを引っ張る絶対王者として、そびえ立つ壁をひょいっと飛び越えていく姿を応援していけたら良いなと思います。
◆第6位:マイルの絶対女王、負けて尚強し~安田記念/グランアレグリア
基本的にこの記事では取り上げた馬が勝ったレースの話をしてきたのですが、唯一例外的に「負けたからこそ印象的だったレース」がグランアレグリアの安田記念でした。
大阪杯で2000mに初挑戦した際、管理する藤沢和雄調教師の「まだ距離延長に気づいてないので頑張ってくれるでしょう」というコメントで、一躍「あらゆるレースをマイルだと思いこんでいる」というキャラ付けで大人気になったグランアレグリア。大阪杯こそ敗れましたが、続くヴィクトリアマイルでは圧倒的な強さを見せつけて優勝、マイルお嬢様の底力を見せつけました。そして連覇をかけて臨んだ春のマイル王決定戦、安田記念。
最後の直線に入り、その豪脚で馬群のど真ん中をブチ割って突き進んでくるグランアレグリアの姿に、私は早くも勝利を確信していました。その力強さは、到底他の馬が敵うようには全く見えなかったからです。ところが、わずかに体勢有利でアタマ差の勝利を飾ったのは諦めず追ってきたダノンキングリーでした。
その光景を見て「負けたけど、グランアレグリアはバチクソ強くてカッコいいな!!!!」という小学生みてえな感想が私の脳裏をよぎりました。。ほんとうに強い馬、というのは負けた程度ではその本質的な強さが損なわれることはないんじゃないのか。そんなことを思ったのです。
レースは真剣勝負であり、もちろんそこには勝ち負けが生まれます。フルゲート18頭のレースであれば、勝者はただ1頭で、他の17頭は全員負けてしまうわけです。だからこそ勝利の価値というのはとてつもなく高いはず。
故に、あるいはだからこそというべきか、敗北しても尚、「この馬は強い」「負けたけど次こそは!」と思える負け方を出来る馬は、強い馬なのだと思います。単純な勝ち負け以外にもレースの結果から得られるものがある、ということを私に教えてくれたのはグランアレグリアでした。
このあとも天皇賞・秋、マイルCSと転戦を重ねた彼女は、15戦9勝(うちG1を5勝)という素晴らしい成績を残してターフを去りました。
引退式でも「今日はどんなマイルかしら?」とばかりにぴょこぴょこ走っていた愛らしい姿も、勝っても負けてもマイルの絶対女王として君臨していた堂々たる姿も、決してどちらも忘れることはないでしょう。この文章をもって、去りゆく偉大なマイル女王への、私からの喝采に替えたいと思います。
◆第5位:老兵は諦めず、ただ走るのみ~京都大賞典/マカヒキ
競馬を見始めて結構長い間分かってなかったことの一つが、「競走馬の引退のタイミング」だったりします。毎週の出馬表を眺めていると、2歳戦やクラシックを除けば、下は3歳から上は7歳、8歳くらいまで結構幅がありますよね。「ウマ娘だと3年で終わりだけど、リアルの競走馬の引退はいつなんだ?」と疑問に思っていました。
余談ですがクラブ所有馬の引退規定というものについてもつい最近まで知りませんでした。「グランアレグリアもクロノジェネシスもラブズオンリーユーも、クラブ規定で今年で引退だよ」と知らされたときには「そんな……まだ走れるでしょ……」とショックを受けたものです。
一方、クラブの規定で決まっているのとは逆に、個人の所有する馬であればオーナーさんの意向で引退時期を決められます(これも最近知りました)。例えば既に挙げたオジュウチョウサンがそうですね。ただ、これにも問題はあって、全盛期を過ぎているように見えるのに走り続けている馬たちに対しては、「走り続けているのはすごいことだけど、年齢の問題もあるしもう引退しても良いのでは……」みたいな目を向けてしまいがちです。ここで取り上げるマカヒキもそんな1頭でした。
初めてその名を目にしたのは天皇賞・春。出馬表に並ぶメンツで明らかに異彩を放っている「牡・8歳」の文字。4歳で「古馬」と呼ばれる競馬の世界で8歳で現役、しかもG1に出てくるというのは驚きでした。「ここまで長い間現役をやっているということは相当強いのか!?バトル漫画でジジイキャラがめちゃくちゃ強いみたいなアレあったりする!?」とワクワクしながらレースを見守っていたら、見せ場なく9着に終わりました。えぇ……。
気になって彼の戦績をたどってみると、最後に勝ったのはなんと2016年。しかもウマ娘になっているサトノダイヤモンドの同期で、その世代のダービー馬。なんというか色々とんでもねえな……と思いました。一方で、どうして諦めずに走り続けるのだろう、走らせ続けることができるのだろう、という疑問もありました。
そんなマカヒキが次のレースに選んだのは10月の京都大賞典。ここでも馬券の人気はパッとせず、一番人気に押されたのはアリストテレス。
最終直線に入っても、先頭を走るアリストテレスとキセキが叩き合いを演じており、この二頭のどちらかで決まると思われたその瞬間。内を突っ切って飛んできたのが、まさかのマカヒキでした。アナウンサーも「キセキか、アリストテレスか?マカヒキ!?内からマカヒキだ!!!!」と驚きを隠せないまま実況していたのが、非常に印象に残っています。
この瞬間、マカヒキの5年ぶりの勝利が確定。それを眺めていた私の胸中では「こんなことってあるんや……」と呆気にとられていたのが、「すげーもん見たぞ!」というワクワクに変わっていきました。
オジュウチョウサンの例もそうですが、年齢というのはあくまでも数値・物差しでしかなく、勝つチャンスが全く無いというわけでは決してないのです。それを教えてくれたのは、この日5年ぶりの勝利を飾ったマカヒキの勇姿でした。
後にレスター伯パイセンの配信で、「マカヒキは数字的に衰えたわけではなく、ずっと同じような脚を使って上がってこれている」という話を聞きました。だからこそ、上がりがかかる京都大賞典のようなレースならワンチャンがあったということ。つまり展開がハマれば、たとえ8歳のおじさんであろうと勝つ可能性は残されているわけです。
奇跡の確率は、決してゼロではない。
走るのを諦めない理由なんて、それだけできっと十分なのでしょう。
◆第4位:熊本産馬の悲願、そして血脈は続く~北九州記念/ヨカヨカ
私は本質が生き物好きなので、どうも「馬」を中心に競馬を見ている傾向があるな、という自覚があります。一方で、競馬は関わる人間がいないと成立しないスポーツでもあります。レースに乗る騎手をはじめ、日々馬を管理・訓練する厩舎のスタッフさんたち、馬を買って走らせる馬主さん、そして馬を生産する馬産地の人々……そうした人々の思いを背負って馬たちが走っていることを、一頭の競走馬の閃光のようなキャリアに教えられました。
桜花賞の折、「貴重な熊本産馬」として紹介されていたのがヨカヨカでした。そこで私は、「競走馬のほとんどは北海道で生産されているが、九州にも馬産地がある」ということを初めて知ったのです。
そんな熊本の馬産地の期待を背負ったヨカヨカは、桜花賞で17着に敗れた後短距離路線に活路を見出し、葵ステークス→CBC賞と転戦。いずれも掲示板に載る活躍を見せます。
そして迎えたG3北九州記念。雨を気にせず逃げるモズスーパーフレアを、最終コーナーで上がってきたヨカヨカがきっちり差し切って勝利。熊本県産馬による悲願の重賞勝利がなった歴史的瞬間でした。
加えて鞍上も九州出身の幸英明騎手であり、まさに九州の人々の思いを乗せた勝利だったと言えるでしょう。
そんな歴史的快挙とともに、私としては馬券的にも忘れられないレースになりました。ハンデ戦が多く難解とされる夏競馬の真っ最中、函館スプリント以来的中がなかった私はこのレースで久しぶりに3連複に手を出していました。短距離実績に長けたモズスーパーフレアと、前走同じコース同じ距離を走って勝ったファストフォースの2頭を軸に、ヨカヨカなどを紐に入れて3連複を5点ほど買っていたのです。結果まさかの81倍を的中。今年一番大当たりしたレースでした。その配当でウマ娘でエイシンフラッシュを天井したり、味を占めてしばらく3連複ばっかり買ってハズしまくったりしていたのですが、それはまた別のお話……。
ともあれ、私としてはこんなインパクトあるレースを演出してくれた彼女を今後も応援しないわけには行きません。
そんな折、とても悲しい出来事が。ヨカヨカが調教中の事故によりまさかの骨折、競争能力喪失というニュースでした。
あまりにも突然の出来事だったので、会社帰りにスマホを眺めていて、思わず駅のホームで「え……」と声が漏れてしまったのを覚えています。
ただその一方で、たとえ競争馬としてのキャリアが終わっても、血統をつなぐという第二のキャリアがあるというのも競馬の特筆すべきところ。ヨカヨカについても、怪我が治ったあとに繁殖牝馬となることがすぐに発表されました。もう走る姿は見れなくとも、その血統は続いていく。これはめちゃくちゃ嬉しいことじゃないですか。
このあと、ヨカヨカと同じ岡オーナーの所有するアカイイトに、ヨカヨカの主戦だった幸騎手がその縁で騎乗しエリザベス女王杯を制したのも、印象深い出来事でした。馬を作る/育てる/所有する/乗る、それぞれの過程に関わる人々の思いと縁、そして脈々とつながっていく馬たちの血統を乗せて、競走馬は走っているのだと強く感じました。
ヨカヨカの競走馬としてのキャリアは夢半ばで絶たれてしまいましたが、私に人の思いも含めた競馬の奥深さを教えてくれた一頭でした。彼女の最初の産駒が走るとき、またその名前を懐かしく思い出すでしょう。
◆第3位:三冠馬が最後に見せた強さの真価~ジャパンカップ/コントレイル
三冠馬、という称号は間違いなく世代最強の証明だと思います。その歳のクラシックを全て勝ったのですから、当たり前といえば当たり前かもしれませんが。
一方で、クラシックを勝った馬は古馬になっても強いのか、というのも大きなテーマかと思います。ウマ娘になっている例で言えば、皐月賞と菊花賞を勝ったエアシャカールは、古馬になってから勝つことができませんでした。これはオペラオーだのシンボリクリスエスだの、下の世代からヤバいのが突き上げてきたタイミングだったのもあるでしょうが……。
それでも、クラシック、それも三冠を制した価値というのは絶対的なものだと、素人ながら私は思っています。ウマ娘に登場する三冠馬がモデルのキャラは、ルドルフ会長にしろブライアンにしろ「絶対強者」のオーラを纏っているのですから。
そんな中で、「史上最弱の三冠馬」などという呼ばれるコントレイルのことを、私は複雑な感情で眺めていました。
三冠馬というだけでも歴史的快挙であるはずなのに、大阪杯で負けただけでなぜそんなことを言われるのか、という憤り。その一方で、宝塚記念を回避して秋も天皇賞とジャパンカップの二戦で引退するというニュースに、なんとも歯切れの悪い感情を抱いていました。「最弱」と呼ばれるのが嫌ならば、多少の無理してでもレースで勝って黙らせれば良いのに、と。
三冠馬が弱いはずないだろ!という思いと、体調が整わなくて出るレースを選ばなければならないのは、やはり弱いのでは?という疑念の板挟み。
言い訳にしかならないのですが、結局これは私がコントレイルの三冠をリアルタイムで見ていないからこそ出てきた感情のようにも思えます。走りをリアルタイムできちんと見ていたら、もっとその強さに確信を持てたのではないでしょうか。
……そんな中、天皇賞・秋で私はコントレイルを本命に推すことができませんでした。当時の記事にも書いたとおり、レース当日の天候は小雨。コントレイルの実力が発揮できる状況ではないと思ったのです。結果はエフフォーリアの2着。雨そのものはレースが始まる前にやんでおり、天候ではなくポジショニングのわずかな不利が響いた敗北に見えました。そのわずかな差を除けば、エフフォーリアとコントレイルの二頭に差はないように思えたからです。ほんのわずかな差が勝敗を分ける。国内最高峰の勝負とは、ここまで厳しいものか。そんなことも思った一戦でした。
そして迎えたコントレイルのラストラン、ジャパンカップ。外国から参戦した馬を3頭、歴代のダービー馬が4頭顔を揃える大レース。
ここでは私は、自信を持ってコントレイルを本命に推すことができました。
1枠2番という絶好の枠順、天気も快晴。これ以上ない条件が揃いました。他のメンバーの力を見ても――私の最推しユーバーレーベンちゃんもいましたが、その贔屓目を差し引いても――客観的に見てコントレイルに及ぶ馬は居ない。初めてそう思えたのです。
そして結果はコントレイルの快勝。
ゴールの瞬間、「これが本当のコントレイルだ!」とアナウンサーは絶叫しました。
勝利後のインタビュー、「強い馬なんだということを見せたかった」と福永祐一騎手は涙ながらに語りました。
そこでようやく、私はコントレルの強さにずっと確信を持てていなかった己を恥じたのです。レース前は常に馬場のチェックを怠らず、動画でレース展開を冷静かつ的確に読んで事前解説してくれる"福永先生"が、初めて感情を露わにする光景を見て、私達の有形無形の心無い批判が、どれだけコントレイルと関わる人達に重くのしかかっていたのかを、遅まきながら理解したのでした。
コントレイルの生涯成績は、11戦8勝、2着2回、3着1回。掲示板を外したことはおろか、馬券圏外に落ちたことすらありませんでした。
これが強くなくてなんだというのか。何が最弱の三冠馬か。ふざけんな。
コントレイルの本当の強さは、周囲からかかる重圧に抗って尚、これだけの成績を残したということにあるのだと、今は強く思います。
一方でその走りは、そんなことを微塵も感じさせず、名前通り飛行機雲のように軽く伸びやかでした。
これほどの名馬が最高に輝いた三冠の瞬間を、私はリアルタイムで目にすることは叶いませんでした。しかし、その有終の美を見守った思い出は、手元に残っているジャパンカップの応援馬券と一緒に、ずっと大切に持っておきたいです。
◆第2位:初めての推しがG1取ったから死ねない~オークス/ユーバーレーベン
何事においても、初めての存在というのは特別ですよね。
たとえば私は長年阪神ファンをやっていますが、そのきっかけとなったのは新庄剛志選手でした。野球のルールもよくわかってないクソガキでしたが、初めて名前を覚えた選手である新庄のプレーを見るためだけに阪神の中継を見ていた時期があったほどです。
……さて、今年競馬を見始めた私に、たくさんの「初めて」をくれた1頭がユーバーレーベンでした。
テレビで初めて見たレースが桜花賞だったのはソダシのところで書いたとおりですが、初めてレースの実況をラジオで聞いたのはその桜花賞のトライアルレースであるフラワーカップ。ここではエアグルーヴの血を引くホウオウイクセルが勝利しましたが、私の印象に残ったのはまったく別の馬でした。
「3着はユーバーレーベン!」とラジオNIKKEIのアナウンサーが伝えます。やたらカッコいいドイツ語の名前に、私の中二病が昂りました。オタクの例にもれず私はドイツ語の響きが大好きで、ローゼンメイデン好きが高じて大学の第二外国語でドイツ語を選択するくらいのアレな人間だったからです。
しかもウマ娘でも人気のゴールドシップの産駒、つまりメジロマックイーンの血も入っているわけです。さらに黒光りする青鹿毛の馬体もめちゃくちゃかっこいいではありませんか。一瞬でファンになりました。
そんな彼女の次走はオークストライアルのフローラステークス。ここでまた印象的な出来事が私を待っていました。初めてワイド馬券を的中することが出来たのです。それも、相手がメジロの血を引くクールキャットという「メジロ血統馬券」。ウマ娘ではメジロマックイーン推しの私にとって、めちゃくちゃ嬉しい出来事でした。
そして迎えたオークス本番。父クロフネの産駒が2000m以上の重賞を制した例がないことから、一番人気に推されたソダシの距離不安がまことしやかに囁かれます。一方ユーバーレーベンは、父ゴールドシップ、さらにその母父はメジロマックイーンであり、バリバリの長距離血統。
「これはもしかしてワンチャンある……!?」と思った私は、ユーバーレーベンを入れた5頭のワイドボックス馬券を握ってレースを見守ります。
直線に入って前が開いても、ソダシは桜花賞のときのように伸びていきません。次の瞬間に外目から伸びてきたのは青黒く輝く馬体。そのまま鋭く伸びてハギノピリナやアカイトリノムスメを置き去り、一馬身のリードをつけてゴール板を駆け抜けます。「先頭はユーバーレーベン!!」とアナウンサーの声が響いて、その瞬間私の口からは「ほあああああああ!!!!」と語彙力ゼロの絶叫がまろび出ていました。
今だったら、ガミる可能性が高いから5頭のワイドボックスをそのオッズで買うなとか、スタミナ勝負ならキズナ産駒のハギノピリナは押さえとけよとか、色々馬券的にはツッコミどころもあるでしょう。当時の私はそんなことよりも、応援してきた馬が初めてG1を勝つ瞬間を目撃し、かつその馬券を当てた興奮で震えていました。
血統から距離適性を考えれば馬券を当てることが出来る、というのを実際に経験できたのも大きいですし、ゴール板を駆け抜けたあと、ウイニングランで鞭を天に掲げるミルコ・デムーロ騎手の姿もめちゃくちゃ絵になっていました。これが3月に世を去ったサラブレッドクラブ・ラフィアンの総帥岡田繁幸氏への手向けであることを知るのは、もう少しあとのこと。
とにかく、推している馬がG1を勝つこの興奮と歓喜を春のクラシック戦線で知ってしまったことが、ある意味決定打となって私を競馬に駆り立てていたといっても過言ではありません。
その後もユーバーレーベンの動向を追う日々は続きます。オークスが終わってしばらく経ってから、脚が熱を持っており屈腱炎の疑いか?というニュースが流れたときは数日気が気ではありませんでした。
そんなアクシデントを経た秋華賞では状態が上がらないという話もありながら、それでも馬券を買い、現地観戦していたレスター伯パイセンに応援馬券をお願いする始末。
続くジャパンカップでは「斤量有利だし得意の東京2400だし、ワンチャンあるのでは!?勝ったら最優秀三歳牝馬もあるぜ!!」と大きな夢を見ました。結果は六着でしたが、最終直線の伸びはオークス以上に映りました。これは来年も期待できちゃうな!!
推しが出来るとその作品や世界が輝いて見える、というのはオタクあるあるなのですが、それは競馬でも同じなのだということを、ユーバーレーベンは私に教えてくれました。ありがとうユーバーレーベン、これからも推すよ!
そんな彼女、来年は2月の京都記念から始動とのこと。地元・阪神競馬場での出走なので、絶対に見に行きたいと思います!!!!!!
◆第1位:女帝の血族、待ち望んだ戴冠のとき~菊花賞/タイトルホルダー
ウマ娘から競馬に入った私ですが、ウマ娘の推しはユーバーレーベンの項で述べたメジロマックイーンともう一人。それが女帝・エアグルーヴです。
彼女は現役時代に牡馬に混ざって天皇賞・秋を制した名牝ですが、レースの成績のみならず繁殖牝馬としても一流でした。その血統は現在も脈々と残っており、キングカメハメハとの間の直子であるルーラーシップと、娘であるアドマイヤグルーヴが産んだ二冠馬ドゥラメンテの子どもたちが主に走っています。
今年のクラシックはドゥラメンテ産駒の第一世代にあたり、たくさんの馬がいました。その中でも、弥生賞を勝っていたので皐月賞の有力候補と思っていたのがタイトルホルダーです。父ドゥラメンテの血統に多くのG1タイトルを勝ち取った名馬がいることからつけられたその名もまた、期待を抱かせるのに十分でした。
ところが皐月賞はエフフォーリアに3馬身差をつけられての2着。エフフォーリアがここまでヤバい馬に成長した今となっては、これが如何にすごいことなのか分かるのですが、当時の私はなんで負けたか納得がいかず「チクショー!!!」とコウメ太夫のように叫ぶしかありませんでした。
続くダービーは序盤こそ先行し、「いけるかも」と思わせながらも大きな見せ場なく掲示板外の6着。哀しいことに、私が競馬を見始めてからここまでエアグルーヴの血を引く馬はG1を取れていなかったのです。こうなれば秋の菊花賞にすべてを賭けるほかはありません。一生に一度のダービー、その敗北の悔しさに床の上を転げまわりながら、特に関係者でもなんでもない私は勝手に雪辱を誓ったのでした。
そんな雪辱の秋を待っていた8月、衝撃のニュースが飛び込んできます。タイトルホルダーの父・ドゥラメンテが死亡したというのです。
この頃の私は過去のレース映像も漁るようになっており、ミルコ・デムーロ騎手とのコンビで制したドゥラメンテの皐月賞はお気に入りの一つでした。ゴールドシップやオルフェーヴルもですが、ああいうムチャクチャな勝ち方をする馬はどうしても好きになってしまうのです。
それはさておき、ドゥラメンテの死によりタイトルホルダーのG1戴冠に向ける期待はさらに大きくなりました。なんとか菊花賞を取って、将来的な父の後継種牡馬としての位置を確かなものにして欲しい。タイトルホルダーはそんな思いを載せて、9月の菊花賞トライアル・セントライト記念に出走しました。
ところがこのセントライト記念が見るも無惨な結果に終わります。もともと前進気勢が強かったため控える競馬を試した結果、真ん中の枠も災いしたのか馬群に包まれ一切前に出られず、ケツから2番目の大敗。タイトルホルダーを軸に買っていた私の馬券も当然電子の藻屑と化しました。
おまけにダービーを勝ったシャフリヤールが、同じく菊花賞トライアルの神戸新聞杯でステラヴェローチェの4着に敗れます。トライアルで4着のシャフリヤールにダービーでは6着に負けて、自分はトライアルで13着……つまり菊花賞では23着で負ける……?などと謎計算を始めて勝手に絶望する始末。
ところが、そんな絶望が本番に近づくにつれて徐々に晴れていきます。
まず血統的に見て、3000mという菊花賞の舞台はタイトルホルダーに向いている説が浮上したこと。父がエアグルーヴの血を引くことは先述のとおりですが、一方母は凱旋門賞馬モンジューの血を引くバリバリの欧州産スタミナ血統。母を同じくする姉メロディーレーンちゃんも、小柄な牝馬なのに菊花賞に出走して5着と健闘しているのが何よりの証拠ではありませんか。
そして発表された枠順も2枠3番という絶好の位置。これはもはやスタミナに物を言わせて逃げ勝つしかない。私は勝手にそう腹をくくりました。繰り返しますが私は関係者でもなんでもありません。
迎えたレース当日、私はタイトルホルダーの単勝と、タイトルホルダー軸のワイド馬券等を買って出走の時を待ちます。そしてゲートが開いた瞬間、思わずツイッターにこう書いていました。
後にフォロワーから「10年ぐらい競馬ファンやってるオッサンの叫びにしか見えんかった」と言われましたが、その時はそんなこと気にしていられません。
そう、タイトルホルダーを駆る横山武史騎手のお父上こそが、98年のクラシックでセイウンスカイとともに菊花賞を逃げて勝った横山典弘騎手。ここを勝つには親父の再現しかない。私はそう思っていたのです。
勢いよくハナを切っていったタイトルホルダーは、想定通りぐいぐい逃げていきます。道中でかなりのリードを稼いでいたかと思えば、ときにラップを緩めてあえて追わせるなど、変幻自在の戦法で後続を惑わせます。見ているこっちは「ぉ、あ……」みたいな変な声しか出ません。本当に、セイウンスカイの菊花賞と同じような展開だったからです。そんなことがあるのか。
やがて先頭のまま最終直線に入ったタイトルホルダーは、涼しい顔でゴール板を駆け抜けました。ジョッキーは父親がかつて取った戦法で、馬は父親がかつて取れなかった最後の冠を、文字通り人馬一体となって掴みとったのです。そんなことある?本当にこれは夢じゃないのか?
レースが決着し現実だと悟った瞬間、もうめちゃくちゃ泣いてました。
単勝取れたとか、ディヴァインラヴとのワイドが結構高めついたとか、それすらどうでもいいと思えました。春から待ち望んだエアグルーヴ一族のG1戴冠を、ついにこの目で見ることが出来たのですから。
もし去年の自分に、「来年、お前は馬が走ってるところを見て号泣するようになる」と伝えてもきっと信じないことでしょう。
でも私はここまで来てしまったのです。「もう多分、しばらくは競馬から離れることは出来ないだろうな」と思った瞬間でした。
その後の話ですが、当然有馬記念でもタイトルホルダーの馬券は買いました。不利な大外枠でしたが、勇気ある逃げで5着と健闘。次走がどこになるかはまだ未定ですが、父ドゥラメンテが勝てなかった宝塚記念とか、あるいはスタミナ勝負なら天皇賞・春とか、もういっそ大阪杯も走って春古馬三冠を狙おう……来年に賭ける夢は膨らむばかりです。
ここまで書いてようやく思い出したのですが、もう来年が来ようとしているんですよね。
競馬を見始めてもう一つびっくりしたことは、野球やサッカーと違って明確なオフシーズンが存在しないことです。年末もギリギリまでレースやってますし、お正月もすぐに金杯が控えています。
今年のクラシックを彩った馬たちも、年が明ければ年齢が加算されて4歳――つまり古馬になります。そしてまた、現2歳世代による新たなクラシックへの戦いが始まっていくのです。
2021年、ここまで挙げたレース以外にも熱い勝負がたくさんありました。一年を通して、ずっとずっとこの熱い勝負が続けられてきたこと。そして、これからも続いていくこと。そして何より、その熱いドラマを見るという時間が、私の日常に加わったこと。
そんなちょっとしたキセキに思いを馳せながら、2021年を終えたいと思います。それでは皆様、良いお年を。そして来年も、お互い良い競馬ライフを。
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