頓服は万能薬だと思っていた話
50年ほど生きてきたのでいろいろなことを体験してきたのですが、病院にも何度もお世話になりました。
有刺鉄線に自転車ごと突っ込んで足がばっくり切れたこと。
高熱で病院で気を失って気づいたらまた病室に戻ってたこと。
首ヘルニアで市販の鎮痛剤を5時間おきに飲んでたこと。
脚立が折れて左腕を骨折したこと。
自転車で曲がるときに自転車を倒しすぎて転倒し血まみれになったこと。
まぁ昭和生まれの男の子は多かれ少なかれ同じような感じでしょう。
そんな縁でよく病院に行ってたのですが、薬を処方してくれた中によく入れておいてくれたのが「頓服」というやつ。
「痛みが引かなかったときは頓服を飲んでください」
「熱が下がらなかったら頓服を飲んでください」
「大丈夫だと思うんですが頓服も入れておきますね」
こんなことを言われ続けて40年以上たったでしょうか。ある日妻にこんなことをつぶやいたのです。
「ねえ、頓服ってすごいよね。頭痛でも怪我でも熱でも何にでも効くんだよ、まさに万能薬だよね」
その時の妻のポカーンとした顔は今でも忘れません。
まさか頓服が違う薬だと思わないじゃないですか。頓服という薬があってそれをみんなが飲んでいるんだと。
いや、この世の中にはまだ「頓服」が万能薬だと思ってる人がいるかも知れませんので念の為お教えしておきますね。
頓服は万能薬ではなくて、症状に合わせて飲む臨時のお薬です。
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