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旧見付学校【磐田市見付】
古い建物というのは、それだけで面白い。明治8年に建てられたこちらの旧見付学校は150年前の建造物だってんだから、それが形として残ってること自体、相当な奇跡ではなかろうか。
データ
〒438-0086 静岡県磐田市見付2452
休館日:月曜日
駐車場は建物周辺にあり(7〜8台)
https://kanko-iwata.jp/tanoshimu/tanoshimu-298/
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現存する日本最古の木造擬洋風小学校校舎
日本最古の〜っていうのはいろいろエクスキューズもあって。じつは日本最古の木造校舎というのは岡山県にある「旧吹屋小学校」で、こちらは明治6年(1873年)に開校された。惜しい。タッチの差。
そんなわけで「疑洋風」みたいなワードが入っているのはご愛嬌。だけど150年以上も前の建造物というのは紛れもない事実で、それなりの風格と趣が外観からも感じられる。5階建というのも、なかなかすごいじゃないですか(正確には3階2層ってことなのかもしれないが)。
入館は無料。敷地内に受付があって、訪問者は市内なのか県内なのか県外なのか、それぞれ人数を記入するというシステム。パンフレットももらえます。
いきなり教室でテンションが上がる
入口でスリッパに履き替えて中に入るといきなり右手に教室がある。
先生と生徒の人形があって、ちょっとびっくりするけれど、子供サイズの古い机がズラーっと並んでいるのは壮観だ。家族や友人と来たなら、ぜひみんなで座って記念写真を撮りましょう。
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机の上には石板と蝋石(チョークみたいなもの)が置いてあって、自由に使える。遠慮せずに書き込んでください(書いた後は布で消してね)。
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音楽の授業で使っていたのであろう、ヤマハのオルガンも置いてあって、こちらは大正2年製造だそうだ。110年以上も前のものだが、きちんと音が出てビックリ(右のペダルだけ生きてるっぽい)。
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ギシギシするのがスリリング
こちらは5階建てなんだけど、正確には最初は4階建てで、手狭になったので2階部分の上にもうワンフロア増築して5階建てにしたらしい。その際に屋根も上げたそうで、わりと強引なリフォームだ。
それでってことでもないんだろうけど、3階に上がったあたりから、床がギシギシと音を立てる。割と体重あるんだけど大丈夫かな……と恐る恐る歩くのだが、それもまた楽しい。
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3Fは当時の人たちの暮らしに関する道具や農具などの展示がある。
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眺めの良い部屋
4階部分は割と広いスペースになっていて、増築前はここから屋上に出られたとのこと。校長室や応接室として使われたのでは、との説明もあった。
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いよいよ5階。いちばん上は、太鼓楼だったらしい。要は、ここに太鼓を置いてチャイムのようにドーンドーンと打っていたとのこと。
ちなみにその太鼓は徳川家康が三方原の合戦で武田信玄にボコボコにされて逃げ帰ってきたとき、それを助けるために酒井忠次が打ち鳴らしたと言われる「伝酒井の太鼓」ということで、太鼓は1Fに展示されてました。
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まとめと補足
実際に見て、歩いて、感じることができて、意外と面白い。ただの昔の小学校の校舎と聞くとそんなにソソらないもので、実際に訪れる人もまばらという感じなんだけど、まさに「体験型」施設。
受付にいたのは市の職員の方々だろうか。この建物を維持管理するだけでもそれなりのコストはかかっているだろうが、ぜひ次代に受け継いでいってほしい。
場所も旧見付宿にあって、周辺には見附天神など歴史好きな方なら響くスポットも多いかもしれない。元県知事の川勝氏(リニア反対で有名になった人)も、「磐田の文化は浜松よりも高かった」などと問題発言をしたこともあったが、もともと遠州地方の中心地は浜松ではなくこの見付エリアだったのだ。
もともとは10世紀に遠江国の国府が置かれた土地であるが、鎌倉期には国衙と守護所が置かれ、中世の東海道屈指の規模を持つ宿場町となった。