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航空自衛隊浜松広報館 エアーパーク【中央区西山町】

浜松市民としては、上空を自衛隊機が飛んでるのは日常の風景。その拠点となっているのが航空自衛隊浜松基地だ。過去に悲しい事故があったりもしたが、地域住民とのコミュニケーションを重視する姿勢は、この広報館からも感じられる。


データ

〒432-8551 静岡県浜松市中央区西山町
定休日:毎週月曜日、毎月最終火曜日、毎年3月第2週の火曜日から木曜日
https://www.mod.go.jp/asdf/airpark/

休日の賑わいはなかなかのもの

確かに入館無料というのはあるけど、休日の11時前、けっこう駐車場が埋まっている。ただ、誘導員の方がやけに元気で大きな身振りで「ここに、こう!こう停めてね!」とジェスチャーで教えてくれる。ひょっとして自衛隊OBの方なのかなぁ。

建物の向かって右は機体の展示格納庫、左側が受付や屋内展示があるようだ。まずは館内を巡ってみよう。

左にあるのが受付

ここで気づいたのだが、全天周シアターなるものがあって、1時間ごとに上映会をやっているらしい。120席で、整理券配布の待機列が設置されているところを見るとかなりの人気のようだ。

受付のおねえさんに「このあとの回、まだ入れますか?」と尋ねると運が良かったのかまだ空席があった。全天周って、なんかソソる。ちなにに上映会ごとに内容が異なったりするので、ぜんぶ見ようとすると1日かかりそう。

お昼休憩がある感じで1日6回

受付向かいにはおみやげ屋(後述)があって、こちらも人だかりがすごい。シアターの入場開始まで30分ほどあるので、館内を順に巡ってみよう。

歴代の自衛隊機が年代順に飾られている
あ〜この亀の甲羅みたいなの乗せたやつ、たまに見るかも
射出座席とユニフォーム
零戦だ〜

全天周シアターはなかなかの迫力

そうこうするうちに、2Fのシアター入口で入場が始まる気配。いい席は早めに埋まっちゃいそうなので列に並ぶ。

案の定、中に入ると上のほうの座席はほぼ埋まってる。中段あたりに座り、上映を待つ。

こちらが整理券

全天周シアターは、半球状のプラネタリウムのようなつくりになっている。さすがに360度というわけにはいかないが、天頂含めて3/5ほどがスクリーンになっていて座席もかなり深くリクライニングできる仕様。

写真では伝わらないな〜

満席ということで、あとから入ってきた人は前方しか空いておらずちょっと見づらかったかもしれない。

このときの演目は「運ぶという使命」。輸送機だったり、震災などの災害時に物資を届ける裏方の働きなど、なかなかに見応えある内容だった。全天周の迫力は確かにあったが、もうちょいその利点を活かした内容ならよかったという感想。他の演目だとまた感じ方が違うのかも。

上映自体は25分弱くらいで終了。3F方面の出口から出ると、シミュレーターに人だかり。ああ、こりゃ子供らが喜びそうなやつだ!

電車でGOみたいなやつかと
総理大臣が乗るようなやつ

3Fには「スカイラウンジFuji」があって、軽食をいただくこともできます。よこすか海軍カレーを食べてる人が多かったかな。

全長2.5kmの滑走路、南アルプスに富士山もよく見える
まあカレーとかピラフとか

圧巻の展示格納庫

2Fに降りて、展示格納庫へと向かう。

すごく…広いです

いやあこれは、すごいとしか言えない。飛行機(というか戦闘機?)詳しくはないけど、実物が放つオーラとはすごいものがあるね。F型戦闘機とかブルーインパルスのとか。

しばし上から眺める
コックピットにも搭乗できる
エンジンの迫力と緻密さよ
ブルーインパルスは行列もできる人気っぷり

いろいろある体験コーナー

オキュラス3DみたいなヘッドセットでVRを体験できる。これ、参加したんだけど、いろんなアクロバット飛行をしてくれるものだから、しまいにはちょっと平衡感覚がおかしくなりました。13歳以上。

酔っちゃう人もいそうで、近くには休憩用の椅子も用意されていた

あとなんかこっちは本格的っぽいやつ。動揺シミュレーターって、名前からしてイカツい。搭乗制限はVRに比べるとやや緩め。

けっこう人が並んでた
カップルで搭乗とかうらやましい!

出入り口付近にはフライトスーツ貸し出しコーナーが。さっきのブルーインパルスの行列でビシッと決めたおねえさんが並んでいたんだけど、なるほどここで借りられるのか。しかも無料か。スーツにヘルメットにブーツなど、一式揃ってるみたい。

奥の方に更衣室もありました


ショップもなかなかにおもしろい

最後に受付前のミュージアムショップ「TSUBASA」に立ち寄ったのだが、ここがじつに楽しい。けっこう攻めてる内容で個人的にツボ入りまくり。「空自からあげ」は浜松のおみやげにピッタリかも。

実用度の高い今治タオルは序の口
クッキーのネーミング、それ!?
かと思えばマツコの番組にも登場した「空自からあげ」
作ってるのがHOTEIで、三日日みかん味とうなぎ蒲焼味……防災用にもいいかもね
地元酒造、花の舞さんもタイアップ
パンの缶詰は自衛官三姉妹パッケージも
全国各基地の舞台シール、浜松はふくろうなんですね

まとめと補足

毎年10月には「エア・フェスタ浜松」と称する一大イベントが開催され、ものすごい数の人が訪れるそうだ。調べてみると昨年2024年には10月27日に開催され、45,000人が来場。ブルーインパルスのほか、F-2、F-15、E-767などによる展示飛行が実施されたとか。

浜松に50000人近い人がやってくるイベントって、他になにかあるだろうか。むかし浜名湖の渚園で浜田省吾が55000人集めたくらい? でもこちらは毎年だからねえ。


ところで浜松で育った人なら、子供の頃に遠足やこども会の行事などで、浜松基地の見学に来たという経験がある方、それなりにいるんじゃないだろうか。

自分自身も小学生の頃、地元のこども会で何度か来たことがある。当時はこんなに充実した施設はなかったし、飛行機と写真を撮ったりしたあとは、隊員の方がふだん食べてる食事をみんなで食べたり。

本当に失礼かつ申し訳ない話なのだが、自衛隊の人はこんなにマズいメシを食べているのかと愕然とした記憶がある。年老いた母親も婦人会で同行していたので話をしたのだが、「美味しくなかったねえ〜」と言っていたので思い違いではなさそうだ。いまは隊員の皆さんの環境も改善してるといいなあ。

ともあれ立派な施設だし、ふらりと立ち寄っても面白い発見があるはず。


蛇足

私が中学生の頃、このイベントでブルーインパルスの一機が墜落するといういたましい事故が起きた。当時大々的に報じられたので50歳以上ならご記憶の方もおられるだろう。

浜松基地は市街地にあるのだが、それでも死者は当該パイロットのみ。憶測でしかないが、墜落の瞬間、被害を最小限にすべく懸命に操縦桿を握っていたのではないか。なんとも切ない。


自衛隊という存在そのものにアレルギーを持つ人たちが一定以上いることは理解しているうえで、それでも自衛隊側からこうして積極的に広報活動してくれるのは、とてもいいことだと思う。うさんくさいとか、それも税金とか批判は承知のうえで。

だって、もし自衛隊がなにも発信しないで沈黙していたなら、そっちのほうが怖くないですか?とか思っちゃうんだよね。あくまでも個人的な意見ですが。

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