まずい。夫が、かかっている!
短い短いエッセイを書きました。
日記のようなものです。
ひとつだけでもどうぞ。
舟歌のような作品
ある文学作品と出会い、とても短いのに胸に迫ってくるものがあり、あぁこれはあれだ、ショパンの「舟歌」を聴いたあとの感覚と似ている。この世の中には自分がどうあがいても到達できないであろう芸術があり、わたしはそれに揺さぶられ、恍惚としたり励まされたりときに悔しがったりしながら、これからも暮らしていくのだと思う。
まずい。夫が、かかっている!
夫が、職場の同僚に誘われたから競馬に行くと言い出した。「もし勝ったら、今晩のおうち焼肉のお肉の質を上げようかな」とわたしが冗談混じりに言うと、焼肉をもともと楽しみにしていた夫は「よっしゃぁ〜!!がんばってくるぞ〜!!」と珍しく張り切っている。は!これはまずい!夫が、かかっちゃってる!いつもは、いろんなことに対して気合を入れすぎて空回りするわたしを「〇〇ちゃん(わたし)はすぐかかった馬みたいにになるから」と笑う夫が、今日は誰よりかかっている!「かかった馬は勝てないんだよ」と、わたしが夫に言われてきた言葉をそっくりそのまま返して、競馬場へと送り出す。結局、2000円負けて帰ってきて、「この結果はお肉の質に影響するぅ?同僚は5万負けてたからそれよりはましだと思うんだけどなぁ…でもやっぱ、競馬というのは決断力が身につくなぁ。それが今日の収穫だ」などとごにょごにょ言っていた。
ずぼらがばれる
わたしのずぼらな面が、会社でばれてしまった。わたしは仕事では「丁寧」だの「几帳面」だの言われるが、身の回り、例えば机の引き出しの中であったり、鞄の中であったりはいつだってぐちゃぐちゃである!ノートや手帳の中身はとても人に見せられないし、ゴミの分別が苦手だし、プライベート用Gmailの未読数は4桁。そのずぼらさの欠片を、会社に落としてしまった。まあいいや。わたしのことを「きっちりしている人」と思っている人といるより、「ちょっと大雑把でずぼらなところもあるよね」って思ってくれている人といるほうが、今までだって楽だったから。
人間生活に慣れない
昼間は「今日は暑いから何も考えられない!」と書く活動を投げ出したのに、夜になると今度は「晩ごはん食べ過ぎて何も考えられない」状態になり、まともに書けない一日だった。30年以上人間生活をしているのに、いまだに暑さとの付き合い方がわからないし、自分の胃袋のキャパシティを掴みきれていない。
ばか真面目
ぐちゃぐちゃの引き出しから、QUOカード1000円分が出てきた。以前、不妊治療のアンケートに協力してほしいと病院に頼まれたとき、「あとでアンケート内容をメールで送りますので、回答してください。こちら、先にささやかですが謝礼をお渡しします」と受け取ったもの。わたしはばか真面目なところがあり、「きちんと回答者としての役目を果たしてからこのQUOカードを使うのだ!」と決めて、引き出しにしまってそのままになっていた。なぜか、あれから一年以上経ってもアンケートのメールは送られてこない。わたしはその後ちょっとしてからその病院から転院したので、聞こうにも聞けず、そのままになっている。回答者としての役目は果たせていないが、このQUOカードを使うことは許されるだろうか。今日も、ばか真面目に悩んでいる。
うつむいて歩いた日
高いものではないが、新しいパンプスを買って上機嫌。ミニマリストではないけれど、服もバッグも靴もそんなに持っておらず、ジュエリーにもブランド物にも疎いわたし。でもやっぱり新しい靴はうれしくて、今日は何度も靴を見つめて歩いてしまった。うつむいている人が、必ずしもハッピーじゃないとは限らないのだと思った。
おわり
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