【元サッカー選手 早坂良太の自伝:大学生活】
【サッカー部】
やると決めたからには、プロを目指す訳ではないですが、サッカーに取り組む時間を、もう一度真剣に取り、4年間で目に見える結果は欲しいと考えました。
受験勉強で得た成功体験を、ずっと取り組んできたサッカーで実感したいとも思いました。
なので、サッカー部での目標には、大学の全国大会であるインカレ出場を立てました。
チームは10年近くもの間、インカレには出場できていませんでした。
でも、やはり高校までの頑張った自分を、目標を達成することで肯定したかったのだと思います。
ただ、高校生までの時のように、毎日ただサッカーをしていた訳ではありません。
【セルフコントロール】
バイトや学業、遊び、部活、全力でサッカーをやるためにはセルフコントロールが大切です。
自分なりに時間の優先順位を立て、メリハリのある生活を心がけていました。
なぜ、今Jリーグで大卒の選手が活躍しているかというと、このメリハリができていることが大きいと思います。
昔みたいに単位をとることが簡単でなく(といっても、単位が足りないけど学長表彰というパワーで卒業したという選手の話も聞いたことがありますが…)、多くの大学では、部活動もしながら学業もしっかりこなさないと単位が取れなくなっていきます。
学業を疎かにすると、サッカーができない。
必然的にやるべきことが、はっきりしてきます。
私の周りにも高校時代、厳しく顧問の先生に抑圧されていた選手は大学に入学するとセルフコントロールできず、サッカーをやめていってしまう人もいました。
プロに入った時も高卒の選手は、高校卒業して急に社会的にチヤホヤされる状況をコントロールすることが出来ず、サッカー界から消えていく選手も多く見ました。
もちろん、中には鎌田大地選手のように、自分は海外で活躍するんだという目標を明確に持ち、周りに流されず、試合に出られなくても、自分に必要なことに取り組める選手もいます。
昔から興味があるのが、このセルフコントールできる能力が先天的なのか、それとも後天的に、外的要因によって得られているのかということです。
色々な研究が発表されており、意見もそれぞれです。
個人的見解は、個人差はありますが、環境的要因を自分の得意な形にデザイン出来れば、能力は向上すると思ってます。
そして今後は、その能力向上の手助けができる、活動をしていきたいと考えています。
【インカレ出場】
メリハリのある充実した生活を心がけ、目の前のことに全力で取り組んでいたら、結果がついてくるようになりました。
東海地区の大学の選抜に入ることができ、そこからさらに、全日本大学選抜にも選抜されるようになりました。
そしてプロのJリーグのチームの練習にも呼ばれ、初めてプロの世界を体感することができました。
面白いなと感じたのは、もう自分の中ではプロを目指していないのに、プロの世界が身近になるという逆転現象でした。
追いかければ逃げられていたのに、離れると追いかけてくるという、恋の駆け引きのような現象が起きていました。
そして4年時には念願のインカレ出場を決めます。
ようやく、サッカーでの目に見える成功を手にすることが出来ました。
ただ、インカレに出るという目標のために、私はチームに今までのチームの方針を変更し、外部コーチをつけるという決断を先輩達に迫りました。
今までの伝統である、自主的なチームづくりではインカレ出場という目標達成には限界があると感じていたからです。
サッカーのわかる人の、ピッチ外からの冷静な勝つためのマネジメントが必要だと思いました。
この決断は今でも正しかったかどうかは分かりません。
[key word]
目標設定の具体性、セルフコントロール、価値の多様性、客観性
[あとがき]
自身の目標のために、今までのシステムを変えることの意味を、全体で共有することはとても大変でした。
価値観も目的も違う仲間達が、同じ方向を向かうことの難しさ、全体が同じ方向を向く必要があるのかさえもわからなくなっていました。
でも、自分なりに考えて覚悟を持って自分の意見を伝えていました。
そして同期の仲間たちが多くの状況で自分をフォローをしてくれました。
結果的にはインカレ出場という目標を達成することができます。
正解のない社会において迷いながらも、自分なりの答えを見つけること。
間違っていたらそれを受け入れて、また新たな答えを探せば良いと思います。
今も私は自分の決断に対する色々な結果の答え合わせを、ずっとしているのだと思います。
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