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「普通でいること」に囚われた私が、自分に返るまで

臨床心理士として病院で働いてきました。

というと「へえ!」という反応を頂くことが多いです。

でも悩みの多い人生を歩んできました( ;∀;)

その悩みは虐待されたとか事件に巻き込まれてトラウマとか生まれつき病気や障害を持っているというものではなく


私自身の「囚われの多さ」によるものでした。


人は誰でも様々な「囚われ」を持っています。誰もが、です。

最近よく聞くのは「お金の囚われ」というもの。

「お金は汚いもの」「お金は貯まらない」「お金はすぐに出ていく」「お金を持つと不幸になる」などなど。そういうお金に関する囚われを持っているといつまでたってもお金持ちになれないとか稼げないとか、そんな話がありますね。

そんな感じで色々なことに関して人は囚われを持っています。

「男とは云々」「親とは云々」「教師とは云々」「結婚とは云々」「お金とは云々」「人生とは」「学校とは」「働くとは」

で、基本的にこれらの囚われをたくさん持っていれば持っているほど「生きづらい」人生になります。


そりゃそうですよね。「男とはこうあるべきで、結婚とはこういうもので親とはこうで、お金はこういうもので人生とはこうあるべし!」というのがたくさん、細かく、そして強ければ強いほどしんどくなります。

そんなの当たり前と思うでしょうが、自分がたくさん囚われがあるなんてなかなか気付きません。だって「当たり前」「普通」と思っていることなので「囚われ」とは思わないんです。囚われではなく「普通」だと思っていること、それが囚われだったりします。ただ、囚われ自体は悪いものではありませんし、ゼロにすることもできません。その時に必要じゃない囚われを持っていると苦しいということです。


私の囚われは「普通でいること」でした。

普通に学校を卒業して普通に就職して普通に結婚して普通に子どもを産んで普通に家を建てて…

なのでナオトインティラミさんの経歴を聞いた時(大学卒業して、だか中退してか忘れたけれど世界を放浪したという話)、「ありえない。そりゃ歌手として成功したからいいけど、ただのニートになってた可能性もあるのによくそんなことできたなあ」と思いました。


高校生のとき、友人が「学校がつまらないから中退するかも」と言ったことがありました。そのときも「私だってけっして楽しくて仕方ない高校生活を送っているわけじゃないけど、やめてどうすんの?お先真っ暗じゃない」と思っていました。


大学を卒業して、一流じゃなくても「普通」の企業に就職さえしたら幸せになれるとなぜか無意識で思っていたのです。私は。

なので「普通」から外れることは幸せから遠ざかることでした(もちろん無意識です)。


なんかもう書いてて恥ずかしいです。


とにかく、幸せになれると信じて真面目に雨の日も風の日も学校に行って、受験勉強を潜り抜けて、資格も取って晴れて臨床心理士となり、病院に職を得て真面目な納税者になりました。幸せになれるはずでした。


けれど、なんせ「普通」でいることを一生懸命頑張ってきた私です。仕事でお会いする方たち(患者さんとかクライエントと呼ばれる人)は、私の思う「普通」から外れた人たちです。学校辞めたら人生終わると思っていた私に、不登校の人の気持ちなんてわかるわけがありません。卒業したら就職するのが当たり前だと持っていた私に、会社辞めて引きこもって手首切って救急車で運ばれてくるような人の気持ちがわかるわけがありません。

つまり仕事で「自分が誰かの、何かの役に立っている」という感覚を抱くことが全くできませんでした。

「このままではいけない」と思った私は一生懸命勉強しました(笑)でもやっぱりダメでした。私がやるべきことは、机上の勉強ではなく私自身の「普通」の枠を外すことだったのです。しかし「普通」=「正しい」くらいに思っていますから、外すことなんてできるわけもなく(というより外す必要がないと思っていました)、誰の役にも立てている感じがしない不全感はなくなりませんでした。


そんな折に「死ぬほど好きな人」ができました。

結婚しました。

私は結婚を機に仕事をやめ、夫の仕事を手伝うようになりました。

夫はイケメンで、家のこともよくやってくれて(ゴミ出しなんて夫が出張の時くらいしか出したことがありませんでした)

お金にも余裕があり、毎日大好きな人と一緒にいられて私は幸せでした💛

私は料理をすることが好きだったので、毎日夫のために手の込んだ料理を作って、愛する人のために自分が何かできる幸せをかみしめていました。

患者さんのお役には立てなかったけど、私は自分の大事な人を幸せにできたらそれでいいやと、病院勤務時代の不全感は「まあ、いいか」と目を背けました。

生まれてきて良かった!心からそう思っていました。

ただ一点だけ困ったことがありました。




夫はアルコール依存症でした。

「ありえない」ですよね。「普通の」結婚生活ではないですよね。

「普通」なら離婚です。

私も何度も何度も離婚を考えましたが、踏み切れませんでした。

夫のことが好きでした。

理屈で考えたら「離婚」ですが

感情が「別れたくない」のです。

離婚してもつらい、一緒にいてもつらい。

じゃあ、どうすればいいか。


私なりの答えを見つけなければいけなくなりました。

答えは「普通」の枠を外すこと…だったのですが

その答えに到達するまで相当悩みました。泣きました。時間がかかりました。そして私なりの答えを見つける手助けをしてくれたのがアロマでした。


私が見つけた答えや、それを見つけるまでのこと、いろんな気付き、アロマのことなどを書いていこうと思います。





















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