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師走のささくれだった心と体に染み入るシナモンの香りとキャラメルのほろ苦さ
年の瀬も押し迫った12月26日。ハーゲンダッツ道場の我々2人は、久しぶりに激しい口論となった。
きっかけは経理処理の問題だ。毎度期末の決算で税理士さんにご迷惑をかけるため(領収書が足りない、カードの明細はどこにいったのか、給与明細の作り方を間違えている等々)、今後の経理処理の進め方について、意見を交わしている最中のことだった。
我「今後は品目とその詳細はコロン(:)ではなく、全角スラッシュ(/)で区切りたいのだが…何か問題があろうか?」
師範代「え、スラッシュっていうのは前後の言葉を区切って「or」の意味だから違うでしょ」
我「それは半角の場合であろう。我は全角スラッシュで区切った方が読みやすいと思うぞ」
師範代「ええ?まあいいけど…」
我「小かっこも全角ではなく半角にするが、良いか?」
師範代「え?それは間違ってるでしょ」
我「間違い?社内ルールに間違いなどということがあろうか?」
師範代「大体、常識として「()」は全角でしょ?」
我「なんだと?その常識とは、貴様の周辺での常識に過ぎぬ」
師範代「は?!そんなわけない!世界中が全角使ってるよ!」
我「縦書きの時は全角だが、横書きでは余計なスペースを省くという観点から半角の方が優れておるっ」
……といった具合である。
お気づきかもしれぬが、我も師範代も言葉や記号の使い方に並みならぬこだわりを持っているゆえ、時としてしょうもないことでヒートアップしがちなのだ。
といっても仕事は待ってくれぬ。その日も忙しく打ち合わせや様々な決定事項の実施、関係者への連絡に追われ、夕方にはなんとなくなかなかりせざるを得ない空気と相成った。
食事を作る気力も体力もなく、行きつけの和食屋で刺身を味わい、おひたしで滋味深い冬野菜をかみしめる。表面的には普通に会話しているものの、時々朝方のやり取りがフラッシュバックし、酒をまずくする。
こんな日こそ、ハーゲンダッツの力を借りるとしよう。
我々は帰りにコンビニへ寄ると『トリプルキャラメル~魅惑のクッキークランチ~』を手に取った。ファミリーマート限定のこの商品、実は9月17日の発売で、既に一度食べたことがある。その時は「クッキークランチが妙にゴツいな」「キャラメルソースが若干甘すぎないか」と感じ、以来遠ざかっていたのだが、こんな疲れた夜には、むしろ合うのではないか。
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そして、真冬の寒さをくぐりぬけてたどり着いた温かいリビングルームで食べてみると、実際に前回とは全く違う顔が見えてきた。
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我「一番上に乗ったクッキークランチがいい。どうやらバタークッキーとシナモンクッキーの2種類が乗っているらしいのだが、確かにバターの風味にシナモンのほのかな香りが合わさっている。シナモンが少し苦手、という者でもこれなら美味しいと思うのではないか」
師範代「その下にある塩キャラメルコーティングと、キャラメルアイスクリーム、底に敷かれたキャラメルソース。これが"トリプルキャラメル"か。決して甘さが勝ちすぎることなく、ほろ苦さとのバランスが秀逸だね」
味 :★★★★☆
ビジュ :★★★☆☆
コスパ :★★☆☆☆
総合推し度:★★★☆☆
一度は「そこまででもない…」と思った製品も、食べるたびに新しい発見がある。それがハーゲンダッツの底力ではないか。
ちなみに、コスパが星2つなのは、コンビニでしか売っていないためスーパーで安く購入することができぬからだ。。。。
気がつけば、朝のいがみあいや先ほどまでの気まずさはすっかり薄れ、年末年始の道場のハーゲンダッツ在庫管理について、ああでもない、こうでもないと話が弾んだ。
シナモンには気持ちを前向きにさせる効果があると聞いたことがある。『トリプルキャラメル~魅惑のクッキークランチ~』のおかげで、我々も関係修復に成功し、よい年を迎えられそうである。
(完)