まさかの選択!? 2025年は背信と共に明けた
推す!!!
道場設立から公式的には１ヵ月経とうとしている(2024年10月9日設立)
が、ここで我は告解しなければならない。我らが2025年の"初アイス"として選んだのは……。そう、『ドトール オリジナル ソフトクリーム』のミルク(コーン)であった。
『ハーゲンダッツ道場の道場主、師範ともあろうものが、なぜ新年早々から手酷い裏切りをしたのか』
我はその糾弾を甘んじて受け入れよう。
そう、ハーゲンダッツ道場設立のきっかけは、まさにドトールのソフトクリームにあるからだ。。。。。。
お分かりのように、我はアイスクリームの類をこよなく愛しておる。今をさかのぼること数十年前、ハーゲンダッツのアイスクリームが日本に上陸した当初から好んでいただけでない。日本全国の旅先で、各地の新鮮な牛乳から生まれたソフトクリームを味わってきた。
ハーゲンダッツとご当地ソフトクリームの共通点、それは新鮮な素材を惜しみなく使用したリッチな味わいにある。東京に暮らすものとして、以前は日常的に美味しいソフトクリームを味わうことは難しかった。そこで、日常においてはハーゲンダッツ、旅先ではソフトクリームを味わうという住み分けができたのである。
そんなところに殴り込みをかけてきたのが『Café&Meal MUJI』である。この無印良品が展開するカフェではジャージー牛乳のソフトクリームが提供されており、ソフトクリームは"旅先で味わうスペシャルなアイス"から、"その気になれば日常の延長(ちょっと足をのばせば行ける場所)で味わえるもの"へと変わったのだ。
とはいっても、無印のカフェは決して店舗数が多いとはいえない。一時期は我の生活圏に数件あったのだが、今はゼロだ。ちなみに、食事も美味しいので、我の生活圏での閉店が続いて痛恨の極みである。
ところが、その少しあとからドトールコーヒーがソフトクリームを販売するようになった。始めは夏だけだったような気がするのだが(ある年、11月1日に店舗を訪問したところ「すみません、ソフトクリームは昨日までだったんですよー」と言われていたく失望したものだ)、現在は通年で販売されている(ただし、店舗は限定されているそうだ)。
ちなみに、わが道場から徒歩2～3分の距離にあるドトールでは、週1度のメンテナンス日を除いて毎日販売している。ただし「閉店間際にはお出ししていないんです」と言われたこともあるので、営業時間中ずっと買えるわけではないようだ。
さらに問題となるのが、正直なところ我以外の誰も道場近辺でソフトクリームを購入しないという事実だ。少なくとも、我はその店舗で誰かがソフトクリームを注文しているのを見たことがないし、近隣でソフトクリームを食べながら歩いている人を見かけたことがない。
それは、決して「今は冬で外が寒いから…」という理由ではない。ちなみに、夏にそのソフトクリームをテイクアウトすると、わずか2分の距離にある道場にも帰り着くことなく溶け去ってしまうのだ(ダラダラ垂れて手がべとべとになったことが数回ある)。
さらに言うと、住宅街とはいえまあまあ人通りに多い道場周辺で、ソフトクリームを食べながら歩くのは相当恥ずかしい。そんなわけで、我がソフトクリームを購入するのは「人通りが比較的少なくて日が落ちて暗くなったものの、あまり遅くない時間帯にドトールの前を通りかかった時」ということになる。日頃はフルリモートで働いている我にとって、このようなシチュエーションはめったにないのだ。
つまり、ドトールのソフトクリームとは、日常にありながらも気軽には手に入れられない、エーデルワイスのような高嶺の花なのだ。
そして2025年1月1日。我々は正月用のワインを購入するため、夕暮れ時の商店街を歩いていた。それなりに人出はあるものの、普段に比べたらまばらだ。師範代がワインを片手に「ちょっと銀行に行ってくる」と消え、我は手持ち無沙汰になった。そんな時に目に入ったのが、燦然と輝くドトールの看板である。
いや、よもや新年早々にソフトクリームは販売していないであろう。そんな我の思いとは裏腹に、店の前にはソフトクリームの置物が鎮座している。ソフトクリームを提供している時間帯はいつもこれが置いてあるのだ。
このような千載一遇のチャンスを逃せようか？
幸い、レジ前にはほとんど人がいない。我はテイクアウトでソフトクリームとホットのロイヤルミルクティーを注文した。受け取ってドアの外を見やると、師範代が何か言いたげな目で見つめている。
我「おぬしも食べるか？」
師範代「ええ？こんなところで恥ずかしいでしょ」
我「誰も見ておらんが…」
というか、そもそも地方では平気で人前でソフトクリームを食べられるのに、近所ではそれができないというのは何だろうな…。
そう思いながら、我らは道場へと戻ったのであった。
(完)