BluePrint『BASHAAAAAAAN!! -THE WORLD OF AQUARIUM-』感想(作・演出・出演:おおたけこういち、ゲスト:福士誠治)
パフォーマンスの圧倒的なパワー
皆さんの躍動感に圧倒されて、目を奪われて、夢中で拍手して、ふわーっ!とした心地良い熱気と一緒にホクホクしながら帰りました。
カラフルな光と弾ける音、全力のダンスをたっぷり浴びて、タップに歌、そしてお芝居と盛りだくさんで楽しかったです。
音遊びが好きなので、皆さんが打楽器みたいに音を鳴らしつつ、おおたけさんがスッポンで、わちゃわちゃするシーンも面白かった!
人間って打つ音を聴くと、無条件でテンションが上がるように身体が出来ていると思うんですよ・・・アドレナリンがわっと出る感じ・・・。
KTRさんが凄かった・・・!!!静から動へ切り替わる瞬間の生き物としての存在感が圧倒的だった。
今まで「ドーンッってしてバーンッ!」と擬音で表現していたダンスが、"クランプ"である事をこの舞台ではじめて知りました。ダンスも、ちょっとずつ知っている単語が増え来て嬉しい。
皆さん本当に素晴らしくて・・・お一人おひとり触れたいのに、お名前と記憶を照らし合わせたりする(自分の)時間が足りないのがすごく惜しい・・・!
作・演出・出演 おおたけこういちさん
おおたけさんがステージ上にいない芝居のシーンの時、ステージ上におおたけさんの息吹を感じたんです。
「あれ?変だな、おおたけさんがいないのに、おおたけさんがいる・・・!?(ゴシゴシッ」みたいな不思議な感覚になって。
どうしてそう感じたのか探してみたら、何となく何処かにおおたけさんのリズムを感じたからかなぁと(抽象的解釈
なんだろう、演者さんお一人おひとりがお持ちの細かいテンポはもちろんあるんですけど、大きい流れで、間とかリズムがすごく"おおたけさん"というか。
飛び出して来た!と思ったら、ぬるっといったり、パパパといったり。すごく弾力性のある笑いのリズム。
もしかしたら、ブルプリの皆さんで作り上げたテンポをおおたけさんが持っていたほうか、どっちが近いか分からないんですけど、そう感じた事がすごく面白かったです。この感覚はなんだろう、不思議。
水族館の設定良い!!!(1回目
「なぜ自分たちはここで踊るのか?」みたいなパフォーマーさんにとって、とても大事な問いと、誰かのために全力でステージに情熱を注ぐパフォーマーさんとしての清々しい答えの両方があった気がして、その流した汗と血の通う感じがとても美しかったです。
「珊瑚と仲良くする」ことを一回、"座長の抽象的なダメだし"みたいな笑いに落とした後に、後半戦になって"声が出せない者(珊瑚)の声を聴く"的なすごく大事なことになっているのも凄く素敵で、おおたけさん~!
その懐の深さがエンタメ!で、それが体現されているステージに感じたし、そのしなやかさがおおたけさんの印象とすごく合う。
全体の筋を通しながら、一人ひとり(魚)の輝く瞬間も丁寧に織り上げられていて、舞台と客席一緒になってニコニコ笑える台本もすごく素敵だなって思いました。
魚たちとパフォーマーさん達の状況が被るからこそ、それを吹っ飛ばす躍動感あるダンスの破壊力が何倍にもなって、水槽を模した透明フィルタが開いた瞬間のワッとなる興奮が鳥肌ものだった。
おおたけさんは言葉もすごく素敵で、コメディが抜群に面白いのも勿論なんですけど、シリアスな台詞もすごく射貫くような核心があって、作品に奥にスッと芯が貫かれた感覚がしました。
日常はぜんぶ忘れて笑っちゃおう!みたいな明るさだけで射貫く的な作品も大好きなんですけど、今を生きる役者さんや自分たちと何処か繋がる過程もあると、舞台と呼吸を合わせ易い感じがしてとても好きです。
タコ座長も動きだけで兎に角、面白かった。お誕生日おめでとうございます!
日替わりゲストコーナー:福士誠治さん
こんな福士誠治さんも観たかった大賞〜夏〜!
どんな感じで出てくるのかな?みたいなドキドキをしょっぱな謎のお面に吹っ飛ばされて楽しかったです。お面、特に触れずに進行するの!?(爆笑
洗練された美しい予定調和も好きだし
大真面目なプロレスも大好きだし
それでもいつだって、場が荒れて人間の心が揺さぶられる瞬間を目撃したいので、やり過ぎないギリギリのやりたい放題がみたい!(贅沢
余り他所では見ないストリートな出立ちで、パーカー好きとしては福士さんが着てくれて地味に嬉しい・・・蛍光カラーも似合う〜!
パーカーも明るくて色が膨らむ所を黒のアクセントでシュッとしめて格好良いのと、全体だとシューズの赤がワンポイントになって、とっても可愛かったです。
設定とメタが途中から入り乱れるあの独特の感触!!(爆笑
福士さんが感慨深い顔をして
「ブルプリ10年の歴史で特に記憶に残っているのは、セコンドのジャパ●ット高田さんの物真似です」的な鬼のぶっ込みでセコンドさんへ無茶振りをしつつ、言う台詞はちゃんと提示する人としての優しさ(?)が絶妙な塩梅。
その後のセコンドさんのジャパネッ●高田さん物真似がすごーーーーく良くて、すぐ好きになっちゃう(ちょろい
バトルシーンではセコンドさんとの稽古の跡がみえるやり取りもあって愛。
何故か実況席の鈴木さんまで、過去の打ち上げでの話を暴露されてほんと酷いw その暴露話を誰も具体的にはSNSに上げてなくて、お客さんもほんと良い方たち…。
「そっちがD-LEAGUE(※リアルではダンスプロリーグのこと)で来るなら、こっちはK-LEAGUEだ!」とけん玉を取り出す福士さん ※発言・口調の正確性は低め
けん玉を携え、誰に促されずとも自らセンターに進む福士さん(主演俳優の貫禄!
生でけん玉をみるのはじめて?で、思った以上にすごくて、みんながあの広い劇場で赤い球に視線を集中させて、わっ!となっていました。
場が荒れるの楽しい(二回目
「D-LEAGUEのDは電流のD!」とロシアンゲームみたいなビリビリの機械をおもむろに取り出す福士さん。
福士さん「海外製なので結構、ビリビリ来ます」
おおたけさん「ここ、(設定では)水の中だからね!?」
福士さんビリビリゲームの事は誰にも言ってなかったそうで、まさかの客席と同じタイミングでルール説明を受ける出演者さんたち。ほんとひどい(褒めてる
みんな思い思いの方法でビリビリから逃げようとするんですけど、その違いで人間が浮かび上がってくる瞬間が何より楽しい~~!!絶対、逃がさない福士さん~~!!
みんなを掻き回した後に、大河撮影の合間に来たよ!何てったって今日はおおたけくんの誕生日だから!(要約)とお祝いムードで包みつつ、最後はおおたけさんを脱がせて(語弊)帰るのもすごく良かった。
「おおたけくんがこの舞台に向けて絞ったっていうから、それを見るのを楽しみに~」みたいに上げて、RIZ●P CM風のボイパ(上手すぎてビックリするレベル)でさらに上げて、わがままボディなおおたけさん登場!の流れが美し過ぎて大好き。
いつか同じくだりでRIZA●アフターになったおおたけさんも見たいです!
こんな福士誠治さんも観たかった大賞〜夏〜って書いたんですけど、本当にそうで。
何が飛び出すか分からないおもちゃ箱も大好きなんですけど!個人的には冴えた筋もあって欲しくて!(わがまま
福士さんは筋の描き方と驚きの部分が、すごく素敵な方だなぁといつも思っているので、今回もとても楽しかったです。
おおたけさんのまなざしとツッコミ、ブルプリ出演者さんたちそれぞれの咄嗟の瞬発力、お客さんの拍手も含めてあったかい時間で凄く良かった。舞台と客席の温度が一緒にワッと上がった。
新宝島(サカナクション)のリズムに乗る貴重な福士さんも観られて嬉しい。
水族館の舞台設定めちゃくちゃ良い(二回目
こんなに面白いなら、もっと色んな方に観て貰いたいし、すごく間口と懐の広い作品だから、BluePrintさんご自身でやられるのじゃなくても、アクアリウムシリーズみたいな夏の定番でも観てみたいなと、ちょっと思いました。
水族館を舞台に選ぶと、老若男女、ダンサー、俳優・・・アイドルでもコメディアンでも色んな出自の出演者さんが参加し易いショーになるし、わちゃわちゃなコメディにも、観られる者のアイデンティティに関わるシリアスな方にも振れて、ビジュアルも華やかに組みやすいし、それが成立するフォーマット(?)ってすごく貴重だと思うんです。
動物園だと違う動物を同じ檻に入れられないからちょっと違って、水族館だから色んなパフォーマーさん(魚)が同じ場所(水槽)にいる必然性があって、物語にものすごくメタな説得力が生まれるというか。
異種格闘技戦みたいなものが好きなので、それをまとめあげる企画が世の中にたくさんあって欲しい。
お客さん目線でも、これから増えるダンサーさんの数に対して権利がクリアな演目って足りていないんじゃないかなぁと思っていて。
数分尺のパフォーマンスは、これからも振付師さんやディレクターさん、動画投稿の文化の中から素晴らしいものがたくさん生まれると思うんですけど、友だちを誘って行ける物語性のある長尺の面白い劇場ダンスエンタメは、まだまだ少ない印象なんです。
ダンスの振り付けとパフォーマンスが凄いのは勿論なんですけど、作・演出もすごく稀有なバランス(?)というか、素敵だなぁと(語彙力
おおたけさん(笑)みたいな親しみやすさがあるけど、拾い方がすごく俯瞰的だし、台本も今、この社会の空気の中で上演する事にも向き合った跡(?)があって。
そこもちゃんと踏まえた上で、力いっぱい豪快に吹き飛ばすダンスと笑いの清々しさで「あー面白かった!」で終われる確信のあるエンタメに見えたし、自分にとってはそこもすごくこの作品の愛おしい部分でした。
作品と演者さん一人ひとりのスポット当て方、まとめてぐわっと巻き込む一体感にすごく愛を感じるし、そこにおおたけさんとブルプリ10年の積み重ねのようなものを(勝手に)感じました。
色んな所で観たい、すごく面白い作品だと思います。素敵な作品を有り難うございました。10周年おめでとう御座います!
BluePrint10周年記念公演
『BASHAAAAAAAN!!
-THE WORLD OF AQUARIUM-』
>>チケット購入(前売6500円、当日6800円(税込)
>>配信チケット購入(3,000円)※アーカイブ24時間
【残り日程】
7/17(土)⑥12:00 ⑦16:30 ★ライブ配信
7/18(日)⑧12:00 ★ライブ配信
会場:俳優座劇場(六本木駅徒歩5分)