【検証コロナ禍】6府県はステージ3以下 それでも緊急事態宣言の解除見送りか
政府は、今週も10都府県に発令中の緊急事態宣言の解除を見送る方針のようだ。
・「緊急事態」週内の解除見送りへ…病床使用率の改善なお不十分(読売新聞 2021/2/17)
・緊急事態宣言解除 週内の判断見送りへ 「緩み」懸念で慎重姿勢(毎日新聞 2021/2/17)
東京都はまだ医療体制が逼迫していると思われているようだが、都の公式発表のデータを見ると、入院患者全体の病床使用率は45.5%、重症患者に限ると27.6%だ(2月17日現在、冒頭写真参照)。
いずれも政府の分科会が示した「ステージ4」の水準(病床使用率50%以上)を下回り「ステージ3」になっている。6つの指標のうち「ステージ4」は療養者数(10万人あたり25人以上)のみで、他は「ステージ3」以下である。
なお、NHK、日経の特設サイトでは、東京都の重症患者の病床使用率を100%と表示しているが、これはソースとしている厚労省の集計発表に疑義がある(東京都に問い合わせ中)。
緊急事態宣言発令中の10都府県のうち、6府県(京都、神奈川、愛知、大阪、兵庫、岐阜)では、6つの指標とも「ステージ3」以下になった。前週より3府県増えた。
兵庫、岐阜両県に至っては、「ステージ3」は1つの指標だけで、これと同じ状態であった栃木県は、2月7日の期限をもって緊急事態宣言が解除されている。解除から10日あまり経つが、栃木の実効再生産数は1未満を維持している。
既に1つの指標も「ステージ4」でない地域も、依然として特措法上の「緊急事態」に該当するというのは、極めて疑問がある。
政府が閣議決定した基本的対処方針からも逸脱しているのではないか。
(2021/2/18 20:00加筆修正)