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不要なバイアスは、どうすれば剥がれるのか

生きていると色んなバイアス(先入観、偏見)が染みつき、それがその人の常識や習慣となります。一度染みついた「こういうものだ」という印象や思考、偏ったものの見方はなかなか取れません。

自分自身では気づかない無意識の先入観は、環境要因からの影響が大きいですが、理に適っている点もあります。

バイアスがあることにより、わざわざ思考を働かせなくても自動で判別をしています。「こういうものだ」と決めつけることにより、判断のスピードが早くなります。自動化は考える必要性を無くすので、カロリー消費も抑えてくれています。

その観点では、ある種生物の生存本能的な行動なのかもしれません。無駄な消費を抑えてくれているのは、バイアスのおかげです。

バイアスは新しい挑戦を邪魔する

一方、悪い点もあります。とくに何か新しいことを挑戦したり、今の状況を変えようとしている人たちにとっては、要らない柵です。

これは自分のバイアスが邪魔をしてくる場合もありますし、周りの人のバイアスにより動きづらくなる場合もあります。

例えば、起業家でよくあるのが、ユーザに対してのバイアスです。「ユーザは◯◯◯なはずだ」「きっと◯◯◯が欲しいはずだ」という勝手な思い込みで、ユーザは去っていきプロダクトは死んでいきます。

起業家が「これはいける!」と自信をもって起業しているにも関わらず、スタートアップの生存率が5年で15%ですから、その数値からもどれだけ最初の思い込みが間違っているかを物語っています。

しかも生き残った15%も、大半が一番最初の仮説を間違えていて変化しています。生き残った企業でさえも、何かしらの思い込みが発生していて、そのバイアスを成長と共に剥がしています。

組織(周りの人)へのバイアスもあります。

「きっとこう動いてくれるはずだ」「あの人は◯◯◯に違いない」という無意識の先入観(レッテル貼り)により、周りの人の行動や成長を阻害したり、マネジメントがうまくいかなくなります。

バイアスは、意識して剥がしていかなければ剥がれませんし、意識しても剥がし難いものです。また、そもそもバイアスは無意識に染みつくものなので、まず気づくことが難しいです。

人は、どうしても染みついたバイアスの延長線上で物事を考えてしまいます。そうなると、その瞬間ごとに状況を柔軟に正確に判断し、変化・適応することを困難にしてしまいます。

バイアスを剥がすためにはどうすれば良いか

前述したように、バイアスは何か新しいことを挑戦したり、今の状況を変えようとしている人たちにとっては邪魔になります。自分で自分のやりたいことや成長を阻害する楔のようなものです。

しかし全くバイアスがないと、考えなくても良いことまで度々考えなければなりません。

一定の自動化がないと無駄なカロリー消費が多くなります。健やかに生きるためには少しは必要ですが、バイアス塗れだと旧態依然とした状態になってしまいます。ゆえに今必要のないバイアスを剥がして、常にアップデートできる柔軟性が理想です。

では、バイアスを剥がして身軽になるためにはどうすれば良いのか。

これは人によって、様々なやり方があると思います。私も、自分自身に染みついたバイアスを剥がそうと日々試みていますが、実はその中で一つの解決策を原体験から見つけました。

それは「大きな目標をもつこと」です。

目標は、大きければ大きいほど良いです。かといって、全く目指していないもの、絶対なれないと思って口だけで言っているようなものではダメです。

今の自分(今の状況)とはかけ離れているかもしれないけど、本当に目指したいもの。自分が叶えたいこと。どうしても実現したい夢や志など、行動意欲のあるものです。

大きな目標をもつと、なぜバイアスが剥がれるのか。それは、今のままでは叶わないからです。

今のまま、現在の延長線上をただ呑気に進んでも、大きな目標は到達できません。叶えるためには、何かしら世の中の捉え方を変えたり、行動を変える必要があります(逆に今のままとくに何も変えずに進んでいけば、簡単に達成できる目標ではバイアスは剥がれません)。

今の自分から変化しなければ辿り着けないような目的地を目指すと、自分を変える必然性が生まれます

そしてその必然性が、=バイアス剥がしに繋がります。

高い目的地や志に向かうと、要らない先入観や偏見を削ぎ落としてくれます。邪魔なものを置いていかないと辿り着けないので、すぐその選択を迫られる状況が訪れます。

例えば私も、まだまだ色んなバイアスが染みついていますが、10年前と比べると変化しました。少しずつ不要なバイアスが剥がれています。それは高い目標のおかげです。

現状の延長線上ではなく、事業を10倍にする問いかけ、ミッションを実現する問いかけが必要です。全く異なる考えを生み出さなければいけない状況に追い込まれることで、染みついたバイアスが別れを告げていきました。

どうしても共存することができなくなります。

高い目標を達成しようと思ったら、限界突破するための手段を考え、それを実行するしかありません。自分がとことん追い込まれます。今までの思い込みでは全く成せません。変化・適応しなければなりません。

今までもっていた思考を、アップデートしなければいけなくなることで、ある意味自分にこだわらなくなります。変なエゴや要らない感情を置き去りにできます。

スタートアップ界隈の企業には、非連続な成長が必要です。スモールビジネスの速度では、市場のタイミングを逃してしまいます。資金も底を尽きてしまいます。

だからこそ、高い目標(MVV)を設定し、そこを組織一丸で目指しています。高い視座や目標をもつための、もっともポピュラーなやり方であり、歴史上企業でもっとも検証されたやり方です。

スタートアップのような環境は、不要なバイアス剥がしには打って付けです。

もしなかなか自分を変えられないと悩んでいる方がいれば、スタートアップのような変化を求められる環境に移動してみると、自然とバイアスは剥がれ落ちていきます。

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若槻嘉亮 Hiroaki Wakatsuki
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