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異常なものに釘付けになる

 つい最近の出来事、12月の初頭にnora2r氏が「Everything B.K.」をリリース。第一作、第二作と続き、出前氏がGBA(MVのようなもの)を担当していて、この曲に奇妙な世界観をこれでもかと表現する。

 「BASS」と「KICK」、この二つの単語が永遠に繰り返され、簡単に僕の脳を刺激し、口ずさませる。3,3,7拍子を連想させるリズムであることも印象づけに適しているだろう。軽くてとがった音、ダブステップのような激しいベースラインは勿論、聞いていて飽きさせないような工夫が適所に施されている。バンドもので言えば、ボーカルも聞ける、ギターも聞ける、ドラムやベースも聞けるといった感じ。聞くたびにサウンドの主役が変化していっているのだ。全体的に同じテンポ感でノルことができるので、ハコで聞く日が来ることを望んでいる。2分間飛び跳ね続ける姿が思い浮かんだ。

 出前氏のGBAはピクトグラムが主役であり、彼らが奇妙な事象に巻き込まれている姿を見せられ続ける。ゴミ箱に入っては出たり、水が噴射されているところに頭から突入していたり、ベッドで寝ていたら上からバスにのされていたりなど、終始不思議な世界感である。曲がひとまず落ち着いたと思ったらパソコンにエナジードリンクを注入。そこからさらに世界は光を増していく。消火栓から、爆弾の導火線から、またエスカレーターから光線が発射される。

 彼の世界観は異常なのに僕を釘付けにさせる。誰しも現実の不可解なものからは距離を置くかあるいは接近するが、そこからの逃走を許さない。

こちらは別の作曲者の楽曲だが、こちらは先の曲より危険な世界感になっているものの映像のドラッグのよう。危険であるのに、先が気になる。このような体験ができるのは非常に心躍る。ピクトグラムが可愛らしい。


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