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ドラマのような恋は現実にある?

深夜、何気なく見ているドラマで、ふと心を揺さぶられる瞬間がある。

「散々遠回りもしたし、散々嫌な思いもさせちまったけど、それでも俺が一緒にいてぇから俺と結婚しろ」
「しょうがないな、私があんたを幸せにしてあげてもいいよ。」

ぐああああああ!道明寺司の破壊力!!!

きっと司はさ、何日も前からプロムでプロポーズしようと考えてたと思うんだよ。とびきりの笑顔で、優しく、最高にロマンチックなプロポーズをシュミレーションしたと思う。

でも、つくし来ないから。フラれちゃったかもしれないってちょと悲しくなっちゃって、地獄に突き落とされたような辛い気持ちに支配されて。

暗闇の中にぽつんと立ってると、一生懸命走って自分の元にやってくるつくし。その姿みた途端安心して「遅ぇぞ」っていつもの憎まれ口叩いちゃう。しかも最高の日にしようとプレゼントしたドレスも着てこない。

色々計画してたことは、この時点で頭の中から全部吹っ飛んでた。それでもさ、こんな時でも、いつもの『牧野つくし』を心から愛おしいと思った。

からのぉ~、俺様と結婚しろ、だもん!!!!

こんなプロポーズされたいいいいい!!!!

道明寺司!!!いや、松本潤に告白されたい!!!!
もっと言うと米津玄師と結婚したいいいいい!!!

さて、こちら20年前のドラマ『花より男子2』の最終回の一幕。
当時はピュアな学生でした。周りの友人たちはみんな見てたよね。漫画も読んだけど、本当に最高なんだよ(語彙力)
全人類に読んで欲しい。大人になっても面白い。

でも大人になってしまって、思うこともある。こんなにもドラマチックな恋は現実にあるのだろうか。

すっ転んだ拍子に米津玄師にキスなんて現実にはあり得ないわけじゃん?

いや、実際に転んだことはあるよ。しかも派手に。だけど、目の前にいたのは米津玄師どころか、道端の電柱。痛みに悶絶するだけで、恋の始まりなんて微塵もなかった。

それなのに、ドラマやアニメではそんな偶然の出来事が、運命の恋へと繋がっていく。ぶつかった瞬間に「ごめん!」って謝りながら見上げたら、そこにはまるで王子様のような米津玄師が……。沈黙の数秒、互いに鼓動が高鳴る…みたいな展開、憧れずにはいられない。

でも、現実の恋はそんなんじゃない。言葉を選ばずに言うならば、もっと地味で、じわじわとゆっくり始まる。

いや、悪い意味じゃなくて例えば、毎日顔を合わせるうちに「この人、意外と優しいな」と気づいたり、何気ない会話の中で共通の趣味を見つけたりする。気づけば「この人といると落ち着くな」と思うようになり、いつの間にか好きになっていた…なんてことの方が、ずっと多いじゃん?

誰かとぶつかって書類が散乱が散乱しても「すいません」って言ってお互いの書類を確認して別れるだけだし、コンビニで同じおにぎりを取ろうとしても無言で譲るか「どうぞ」って一言あるだけ。それで恋が始まることなんて、まずない。

じゃあ、現実の恋ってつまらないのか?

確かに、ドラマやアニメのような派手な演出はない。だけど、現実の恋にも、ささやかなドラマは存在する。

例えば、同じ会社の同僚と何気なくランチに行くようになったり、何年も連絡を取っていなかった友人と再会したら、いつの間にかお互いを意識するようになったり。

これはもう十分ドラマチックでロマンチックな恋愛なワケよ。

ドラマのような大げさなセリフがなくても、心が震える瞬間なんていくらでもある。

仕事で落ち込んでいたとき、「大丈夫?」と声をかけてもらえたり、寒い日に「手、冷たそうだね」と気遣われたり。こうした些細な優しさが、心に響くことだってある。

そう考えると、現実の恋は決してつまらないものではない。ただ、派手ではないだけで、日常の中にこそ「本物の恋の瞬間」が詰まっている。

じゃあ、アニメやドラマのような恋に憧れることは間違い?

これも私は間違いではないと思う。むしろ、憧れること自体が、恋の楽しさの一部ではないだろうか。

いつか、米津玄師が現れるかも」「偶然の出会いから米津玄師と恋が始まるかも

——そんな期待を持つことは、日常を少しだけキラキラさせてくれる。そして、現実の恋がゆっくりと進んでいくものだとしても、ドラマのような胸が高鳴る瞬間は、きっとあるはずだ。

片思いの米津玄師が自分のことを名前で呼んでくれたとき。
思いがけず米津玄師と手が触れたとき。

些細なことだけど、それだけで一日中気分が上がるような出来事は、誰にでもある。日常の中のふとした瞬間こそが、最高の「ドラマのような恋」なのかもしれない。

もし、今「恋愛なんて現実はこんなもんか」と思っているなら、一度振り返ってみてほしい。何気ない会話や、誰かのちょっとした気遣いの中に、ドラマのワンシーンのような瞬間が隠れているかもしれない。

そして、もしかしたら既にあなたも誰かにとっての「ドラマのヒロイン」なのかもしれないのだから。

#エッセイ #恋愛 #米津玄師  



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星トラ子
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