ドラゴンボールとフリーザと私
鳥山明先生が逝ってしまわれた。順番とは言え、天才がまたひとりいなくなってしまった。悲しいこと。
私は一介のオタクである。もちろん、鳥山明先生との面識など無い。にも関わらず、鳥山明先生のキャラクターは私の生活に非常に侵食してる。
今日はそんな鳥山明先生の生み出した愛すべきフリーザ様について語ります。
追悼なんて大げさなものじゃない。それでも、楽しい時間をくれた偉大なる鳥山明先生を想って…。
鳥山明先生の代表作と言えば、やはりドラゴンボールだろう。世界中の人に愛され映画化や実写化など、様々なメディアミックスでファンを楽しませた。
私は完全なるリアルタイム勢ではないが、漫画もアニメも楽しんだ。お気に入りのキャラクターは、フリーザ様。あの紫色の生物がこの上なく好き。みんな、大好きでしょ?
なぜ、こんなにもフリーザ様はみんなに愛されているのだろうか考えてみた。
ぱっと思いついたのは、清々しい悪役なのに丁寧な言葉遣いのギャップ。そう、ギャップ萌え。
今までに、極悪非道の敵キャラがあのように物腰の柔らかい対応をしてきたことがあっただろうか。
最近の敵キャラは、同情する過去を持ってたりする。私の愛するワンピースに登場するドンキホーテ・ドフラミンゴなんかは、クソ野郎だけど同情出来る過去を持ってる。
でも、フリーザはそういったことか無い。真っ当な悪!同情の余地なし!
フリーザは惑星ベジータを簡単に消し去った。自分にとって都合の悪い存在になりそうだなーって感じで、サイヤ人を滅ぼすために!超ワルイ!
そんな悪の帝王なのに、部下に対して、敬語。更に『さん』付け呼び。ザーボンさん、ドドリアさん。声が聞こえるでしょ?
ドラゴンボールが見つからない部下に『責任とって死んでいただきますからね!』なんて言う。こんな敵キャラいる?どうしょうもないワルなんですよ、フリーザって。気に入らない人物はすぐに殺しちゃうんですよ。なのにこの物腰の柔らかさ!ギャップ萌え!
更に、善良なるナメック星人に対してもドラゴンボール知ってる?って丁寧に聞くの。もちろんさ、フリーザなんかにドラゴンボールのこと言わないじゃん?ナメック星人無言になる。その振る舞いに対して『殺しますよ』ってドチャクソ丁寧な言葉遣い。なんという丁寧さ。普段の私なんかより丁寧。なのに、もう、すぐ殺すんですよね。全滅ですよ全滅。もう、ギャップ!!(2回目)
そしてやっぱりあの圧倒的強さだよね〜
『私の戦闘力は53万です』は、有名過ぎて全国民が知ってるレベル。
改めて思ったけれど、戦闘力に相当自信あるよねフリーザ。聞かれてもいないのに、自ら戦闘力言っちゃうんだもん。そんなところもスキ。
妄想してみたけど…もし、私の握力2万とかだったら、やっぱりケンカ売られたら言っちゃうもん。『私の握力2万です。でもフルパワーでアナタを握りつぶすつもりはありません』
うん。絶対に言うわ。フリーザの気持ちわかる。言いたい。圧倒的戦闘力!
因みに成人男性の握力は40ほどらしい。握力2万…言うわ、ケンカ売られなくても確実に言うわ。
しかし、53万って戦闘力どれくらいなのか?どれほど強いのか、今更ながら調べてみた。
強いね!
戦闘民族サイヤ人の王子・ベジータが泣いて震えちやうの当然。こんなレベチ泣くに決まってる。ベジータ悪くない。
つか、ベジータも良きキャラクターだよなぁ…あんなにツンデレキャラに成長するって誰が予想できた?あんなにも子煩悩パパになるなんて!
まあ、ベジータの話は置いといて。
そんな強いフリーザ様は、悪だから当然悟空に負けた。負けが悔しかったんだろうね。しばらくして、コルド大王(パパ)を連れて戻って来る。桁外れは戦闘力だけじゃなかった。根性もまた、桁外れ。
『あれが地球だよ、パパ…』
じゃねぇぇぇ!!!
つか!え、パパ?!パパって呼んでるの?凶悪な悪の帝王が、パパパパパパ、パパ?
ねぇ、みんな突っ込んだよね?悪の帝王が、パパ?!
ギャップ萌ええええ!!!(3回目)
フリーザ、戦闘力53万もあるんだよ。なのに仕返しするのに、パパ呼んじゃうんだよ。つか、パパも優し〜いや、ついて来るなよ〜
まあ、このあと我らのフリーザ様真っ二つになっちゃうんだよね。ベジータが号泣しなが怖がって、悟空があんなに苦戦した、我らの可愛いフリーザがいとも簡単に真っ二つ。
呆気なさすぎて、泣いた(笑)
戦闘力53万、悪のカリスマが一瞬で退場。そんなところも魅力的。完璧になりきれないところに人間味を感じる(宇宙人だけど)
やっぱ、いいキャラクターだよな…フリーザ。そりゃ、愛されるわ。
フリーザ様は生まれながらの天才で、悟空みたいに修行とか鍛えるとか、鍛錬なんて一度も積んだことが無い。それなのに、映画では、トレーニングしてるんだよ!サイヤ人をブッ倒すために!
愛されてキャラクターだからかな?あとから設定を加えたのかもしれないけど、実に人間味が出てきた。努力して、サイヤ人をブッ倒す、みたいな感情が表立って現れてきた。悔しいからパパを引き連れてきた、あのフリーザとは大違い!
なんか親戚のおばちゃん目線だわ。フリーザちゃんの成長に目頭が熱くなる…大きくなったね。パパの力じゃなくて、自分の力で倒そうとしているトコロ…。偉い偉い。
そういえば、知らなかったが息子いたのね!息子ー!!!フリーザがパパ!コルド大王がじぃじ!!!
衝撃的すぎて終わる!
彼の身体はもうこの世にない。魂だけの存在となって、現世の私達とはもう交流出来ない。
それでも彼の作品、ドラゴンボールだけじゃない。Dr.スランプ、ドラクエ、クロノ・トリガー、サンドランド、全ての作品はこの世から消えない。
それどころか、新作は、ドラゴンボールダイマは、彼がいなくても滞り無く放送される。それは彼を愛し、尊敬するものたちが意思を引き継くから。
私は天才ではない。だから彼のように死んだあとも作品を残せるとは思えない。
それでも、彼のように、私が死んでも作品が残せる。そんな作家を目指して精進したい。
110円の缶コーヒー1本で私が救われます