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オタクはオタクなりに気を使っている

仕事の気分転換に近所のバーへ飲みに出る。
家では発泡酒や焼酎ばかり飲んでいるので久しぶりにバーボンを飲むと大人の酒を飲んでいる感じがします。

常連客とキン肉マンや聖矢の話になった。
いつも純度の高いオタクと話しているので、そこまで詳しくもなく、よく覚えてもいないぐらいの人にあわせて会話すると気をつかうものです。


知識をひけらかすことなく相手の記憶違いはスルーして、気分よく話しているのを邪魔しない。
ニコニコしながら「そうですねー」と酒を飲み、会話のマウントはとらない、相手の好きを否定しないのがオトナのオタク。

なんだけれどね……。

「俺の初恋の人は沙織さんじゃなくてシャイナさんなんですよ」と酔っていたのもあるのだろうか彼は4、5回繰り返して言うので、初恋の人はたしかに特別だよねーと聞き流していた。

オピュクスのシャイナさん

そうしたら、5回目ぐらいに「いや、そこは沙織じゃないんかーいってツッコまれるのが俺の鉄板のトークなんですけれど」と苦笑いしながらつぶやいた。
鉄板トークをウケるまで話したのにウケなかった。
これは私が悪いのか。

すべらない話のつもりで話していたとは思わなかった。
でも、これボケだとわかりますか? ボケですか? 
シャイナさんもいい女じゃないですか。
素顔を見られたから殺されるか結婚するかの二択を迫ってくるツンデレですよ。

なにがおもしろいと思うのかも人それぞれだから否定はできないけれど、あらためて調子をあわせるのは難しい。
やっぱり同レベルの濃さや価値観の人と飲むのが楽です。

店を出ると路上で立ち尽くしている人がいました。
酒仙人でした。