寿司愛に溢れたお店、鮨 波づき
大田区下丸子の隠れた名店、鮨 波づき。
コストパフォーマンス云々で語られることの多いお店だけれど、何よりも大将の素晴らしい技術とお寿司に対する愛の深さに一発で虜になってしまった。
1品目:カリフラワー牛乳豆腐
突き出しは意表をついて牛乳豆腐。
一見何の変哲も無いおぼろ豆腐に見えるけれど、口に入れた瞬間にカリフラワーの香りが広がる!
大将曰く、色々試したけれど最終的にはカリフラワーの味付けは塩のみに落ち着いたそう。
生き生きとしたカリフラーの香りに後からお豆腐の香りが乗ってくる。
そして、微妙なつぶつぶ感が口当たりのバラエティーになって面白い。
2品目:マグロ霜降り
見た目も美しい、中トロと大トロの間をお刺身で。
最初は大トロよりもこれくらいの脂が良いかも。
3品目:ヒラメとろろ昆布、エンガワ
ヒラメのお刺身の中身はとろろ昆布。この時期のヒラメらしいあっさりしたお刺身を味わうと後から昆布のうま味。
エンガワはおまけだって(笑)
4品目:黒ムツ
柚子が優しく香る幽庵焼き。ふわっと柔らかく上品な脂。美味しい。
5品目:桜エビ
旬の桜エビはあっさりポン酢に七味を添えて。
ポン酢の酸味と桜エビの甘みの後から七味の辛味が追いかけて来る。七味ポン酢は初めていただいたけど、これは良いかも。
6品目:鯛
鯛のお刺身は塩ポン酢でさっぱり。最後にTrader Joe'sのレモンペッパーを一振り。
このレモンペッパーが良い仕事してる!
大将はアメリカでお寿司を握っていたこともあるそうで、Trader Joe'sはその頃からのお気に入りだそうだ。
7品目:わさびシャーベット
口直しには大将オリジナルのわさびシャーベットをひと口サイズで。
冷たいけれど辛いのが面白い。
これで口の中をリセット。
8品目:大トロ
にぎりの入りは大トロ!
シャリはやや硬め、酢の香りはまろやか。
トロが口の中で溶ける〜
9品目:ノドグロ
冬ほどの脂のノリはないものの、みっちりして甘みが濃い。
美味しい。
10品目:鮪脂と焼きなすのサラダ
マグロの脂身をカリカリに焼いたものがトッピングされているサラダ。嫌な魚臭さは無い。魚のうま味とカリカリした食感が楽しくて一気に食べてしまった。
11品目:カツオ
カツオの上に乗っているのは山わさび。
なるほど。カツオには生姜よりも山わさびかも。
ローストビーフのホースラディッシュソースのイメージ。
12品目:マグロの中落ちの海苔巻き
続いては中落ち。見た事のない調味料を使っているのでたずねてみたら、大将が作った酢飯を使った醤(ひしお)だという。5か月熟成させたものらしい。
思ったよりも柔らかな塩味。ゆっくり混ざり合っていく感じ。
13品目:あん肝の炙り
敢えてこの時期のあん肝を使うのが大将のこだわり。
最後にきび砂糖を降ってバーナーでカラメリゼ。
砂糖の焦げた香りと炙られたあん肝の香りに引き込まれる。
あん肝の味はしっかりするけれど、初夏らしいあっさりした印象。
美味しい。
14品目:車エビ
見た目も美しい天使の海老。やっぱり美味しい。
15品目:白エビ
白エビは唐揚げで。香ばしくて甘い香り。ぷっちりした歯ごたえ。甘みも抜群。
16品目:生とり貝
貴重な生とり貝。
甘い!
そして素晴らしい香り。
噛めば噛むほど、その甘みとうま味が増してくる。
ベストとり貝インマイライフかも。
17品目:赤だし
ちょっと口の中が冷えてきたかなーと思っていたら、このタイミングでちゃんと赤だしが出てくる。
素晴らしい。
18品目:アジ
アジは柚子胡椒で。これも初めていただく組み合わせ。
青魚独特の臭みを柚子胡椒が中和してくれて、アジの味(ダジャレみたいになっちゃった…)がはっきりするような気がする。
今度から真似しよう。
19品目:アユ
酢で〆たアユの上に、アユの肝、さらにその上にバッテラ昆布。
さっぱりしたお酢の香りにアユの肉感、そして肝の苦味がほんのり香る。
これは素晴らしい一貫。
20品目;アオリイカ
個人的にはイカの中では一番好きなアオリイカ。
塩とスダチで。
ねっとりと絡みつくこの口当たりと甘みがたまらない。
21品目:バフンウニ
青森のバフンウニ。やっぱりバフンウニは美味しい。
雑味のないクリアな香り。
甘い。
22品目:穴子茶漬け酢飯の焼きおにぎり
焼き穴子の下には酢飯の焼きおにぎり。お出汁をかけてお茶漬けにしていただく。
酢飯の焼きおにぎりがお茶漬け全体をさっぱりさせてくれるので、サラサラと入ってしまう。
23品目:白いコーヒープリン
見た目はババロアなのにコーヒー味。
デザートまで大将のイタズラ心で楽しませていただいた。
24品目:焼きたて玉子焼き
もうお終いかと思いきや!
大将から「ちょっと待って」と声がかかる。
なんと焼きたての玉子焼きが出てきた。
熱々で甘くて優しい味。
嬉しいなー
食べ終わって思った
大将も気さくでお話も楽しいし、値段はカジュアルだけどお寿司は間違いなく一流。
技術も魚に対するこだわりも素晴らしい。
なかなか予約が取れないと言われているのもよく分かる。
美味しかったなー
大将、ごちそうさまでした!
お土産:飛潮のさば棒鮨
鯖の凝縮された味と醤の優しい塩味がお互いのうま味を増幅している感じ。
シャリと鯖の間には紫蘇と生姜。これも丁寧な仕事。
先にお願いしておく必要があるとのことなので、もし波づきに行く方がいらしたら忘れないでね〜