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ひなたとは

ひなたを保護したのは2年前の3月3日。
近所のおばあちゃんが畑で面倒を見ていた三毛猫。

おばあちゃんは高齢になり、畑をやめるけど三毛猫のことが心配で捕獲して避妊手術を受けさせてくれた。
このままリリースはかわいそうだから、だれか引き取ってくれる人はいないか探しているという話を隣人から聞いたのだ。

この時点で彼女は2歳にはなっていたらしい。
成猫の野良猫が人になつくのは苦労する、という噂は聞いたことがあった。
猫を飼ったことのない私は不安しかない。
隣人は猫を飼っていない時期がないくらい猫好きで、知識も豊富だからいつでも頼って、と言ってくれた。
とりあえず、リリース直前の畑に連れて行ってもらった。

車の荷物を置くところに保護ケージに入れられた三毛猫。
悲しそうに小さい声で「ミュン」「ミュン」と泣き続けている。
まさに野良猫という顔つきで、険しい表情。
私はこの子とうまくやれるのかな……。
不安しかない。
だけど、私が引き取らないとこの子はおなかが痛い状態で畑にリリース。
かわいそうすぎる。引き取る。

そのままホームセンターでフードやトイレなどを買い集め、隣人のケージを借りてリビングに設置し、三毛猫を収めた。

隣人がプレゼントしてくれたヒョウ柄の猫ちぐらに急いで入り、中のクッションの下に隠れる。
安心させたかったので、ケージをすっぽり毛布で覆ってあげた。

娘たちが帰ってきて、猫を探すも姿は見えず。
見えないけど名前を考えてもらった。
色々悩んで、3月3日のひなまつりとひなたでのんびり日向ぼっこしてほしいね、という願いを込めて「ひなた」と命名。

その日はヒョウ柄の猫ちぐらから出てこなかった。

それでもみんなが寝ている間にご飯をしっかり食べ、大もしっかりしたのはほっとした。
保護猫では3日くらい飲まず食わずになっちゃう子もいるらしいので。

次の日から毛布の隙間からみると、猫ちぐらからでて寝っ転がって寝ている姿を確認。
なかなかくつろいでいる様子。安心したよ。

毛布を外す時間を長くして、ケージのドアも開けておくようにするとケージから出てうろうろするように。
しばらく探索するとケージにいそいそ帰っていく。
無防備に頭をこっちに向けて寝っ転がっていたので、チョンと触ってみようとしたらものすごい勢いでたたかれた(泣)

そんなひなたが最近は私の足元にひっくり返り、撫でて頂戴と催促する。
お耳の掃除もさせてくれる。
爪は切らせてくれない。

遊ぼうと誘ってくれたり、おねだりで可愛いピンクのお口で「にやん」という。
歩くのを妨害するようにすりすりして、頭をぶつけてくる。
かわいいったらないわ。

猫初心者の私には、彼女の気持ちを分かってあげられないことが多い。
そんなときは不満そうにプイっとかえって、お気に入りの座布団で拗ねて寝てしまうことも。

もう少し一緒にいる時間が過ぎれば、彼女の気持ちがわかるようになるかな。

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