CxOがサラリーマンになってしまった話
みなさんこんにちは、こんばんは。
Acompanyの執行役員CAO(最高管理責任者)を務めていますサガサキです。
毎月1回はnoteを更新しようと頑張っています。今回は最近自分の身に起こった話をテーマにして書きました。題して『CxOなのにサラリーマンになってしまった話』です。
特に20代、30代で大企業からスタートアップに転職した方には参考になる情報があると思います。自戒も込めて書きますので、最後まで見ていただけると幸いです。
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これまでのこと
私は2023年2月までの約10年間、三菱UFJ銀行に勤めていました。三菱UFJ銀行では支店での法人営業を中心に、新規開拓・スタートアップ支援・本部業務など様々な経験をさせていただきました。
営業なので大切なお客さんに迷惑をかけないように事前準備したり、気遣いしたりと心身ともに大変でしたが、上司やお客さんに恵まれてとても良い銀行員生活が送れていたと思います。
また行内では、自分のやりたいことをうまく通すために、事前準備をしたり、ネゴシエーション(いわゆるネゴる・握る)や根回しに奔走していました。
ビジネスマンとしての仕事の段取り、うまく根回しをして仕事を進めていくサラリーマンスキルは、間違いなく銀行員の10年間で身についたスキルだと思っています。
ただし、異動だけは自分の思ったとおりにいかず。スタートアップに関わりたいという思いが捨てきれなかったため、2023年2月に銀行を退職しました。
2023年3月、Acompanyに入社してからは、コーポレート部のチーフ、マネージャーという役職を経験させていただき、ありがたいことに2024年2月には執行役員CAOに選任いただきました。
CAOになってからのこと
コーポレートのチーフ、マネージャーの時も、基本的な仕事のスタイルは変わりませんでした。銀行員時代に培ったビジネスマン、サラリーマンスキルで、仕事を捌きながら、要所要所で取締役の決断をアシストするように動くスタイルで仕事をしていました。マネージャーには一定の権限もあるので、その権限内で処理できるものは対応してきました。
しかし、CAOになってくると全社にわたる事項についての絶妙な判断や決断を迫られることが多くなってきました。自分で判断できるものは、判断しようと意識してはいたものの、銀行員時代からの癖で、どうしても上に相談したくなる(上司に判断してもらいたくなる)気持ちがなかなか消えませんでした。
厳しい言い方をすれば「全社にわたる事項を自分で勝手に決めて、何かあったらどうしよう」という説明責任から逃げていました。執行役員としてリスクと責任をとって判断して進めることをせず、適宜役員にお伺いを立てつつ、自分が失敗しないようにする、サラリーマンとしての出世処世術のような立ち回りが続いていました。
薄々感じてはいたけれど
Acompanyでは週1回、執行役員以上が集まる会議、「役員MTG」がありました。そこで自分が出すアジェンダは、事業や経営の戦略を議論するというよりは、実務的な確認が多い内容になっていました。
心のどこかで「自分は執行役員だから、コレは決められない、決定権がない」、「取締役に決めてもらわないといけない」と思っていたんだと思います。意思決定をせず、「情報をまとめ、判断材料は揃えるので、あとは(判断を)お願いします」という、お伺いをたてる「サラリーマンムーブ」になってしまっていました。
そんな矢先、役員MTGで以下のような話が出ました。
こういった意見が出ることは薄々感じてはいました。役員MTGという場があることで、「そこで確認すれば良い」、「テキスト化せず、口頭で説明すれば良い」というようにコミュニケーションコストを相手に払わせて、判断することを取締役陣に委ねていました。
※「コミュニケーションコストを相手に払わせている」という話は以下の著書やnoteをご覧ください
CEOからのフィードバック
少し前に人事評価のフィードバックがありました。当然ですが、執行役員もCEOから評価され、フィードバックを受けます。そこで私がCEOから受けたフィードバックを公開します。
感じていたことを見事に言われてしまいました。このフィードバックを受けた時に、ふと「ああ、自分ってサラリーマンの動きをしているな」と思い、率直に「僕ってサラリーマンムーブしてますね」とCEOに話したことを覚えています。そこから、このnoteのタイトルを命名しました。
サポーターからの一言
こういったフィードバックを公開しているのは、実はサポーターからの一言があったからです。
銀行員時代を知ってくださっている方と久しぶりに会うと「転職してどのぐらい?最近どう?」と聞かれることがあります。
とある社長に同じようなことを聞かれた際に「CxOになって××社長のように決断することの難しさや大変さを感じています。CEOにもこの前こんなことを言われて〜〜〜」と話してみました。
すると「でも、しっかりとそういうことが言い合える、フィードバックできる関係にあるって、組織としてはとても健全だと思うけどね」と言われました。
私がされたフィードバック「③改善の余地や課題認識について感じているが言わないというケースが度々ある。より積極的な意見や改善に向けた提案をいただきたいです」をCEOがまさに体現していました。
確り課題に向き合って、お互いに話して理解し合う、理解してもらえるように努力するというところが、Acompanyが大事にしている「納得感」につながる部分があるなと思いました。
これから何をしていくのか
私は大企業のサラリーマンからスタートアップへ飛び込むというリスクのある選択をしたはずなのに、いつの間にかスタートアップでサラリーマンと同じような動き方をしていました。一定の役職までは、ビジネススキルとしてそれまで鍛えた足腰で戦えるのかもしれません。ただし、CxOはサラリーマンではなく、経営者の一人です。
コーポレート業務をしっかりとこなし、日々の業務を回すことは当たり前に行わないといけません。それに加え、以下の3点を実行していきます。
・物事を前に進めるための決断をスピーディにする
・意思決定に対し説明責任を果たす
・結果について責任をとる
noteを書くことである種、自分に言い聞かせながら、真のCxOになれるように努めて行く所存です(笑)
大企業からスタートアップに転職される方へ
働く環境が変わり、裁量が大きく、自由度が高いゆえに、安全牌として今までどおりのサラリーマンのような働き方をしてしまうかもしれません。
私自身はそういったビジネススキル、サラリーマンムーブを否定するつもりは全くありません。むしろとても大事で、全ての足腰につながる基礎力だと認識しており、当たり前のレベルを高く保つのに必要なスキルだと思っています。
その強靭な足腰にプラスαして、「決断して、物事を自らの責任で進める」ことを意識すると、よりGreatな成果が出せると思っています。
私自身も、戻れない意思決定は慎重に、そうでないものは即断即決、Amazon流の「One Way Door」、「Two Way Door」を意識しながら、日々業務に邁進したいと思います。
まとめ 〜サラリーマンではない方、是非Acompanyへ〜
Acompanyは「事業」、「カルチャー」、「人」を会社経営において重要な領域だと考えています。特にカルチャーである「Be Cool. Be Hacker.」をとても大事にしています。
Acompanyの事業やカルチャーに興味のある方は、カジュアル面談からご応募をお願いします!どの役職からもCxOを目指し、自律的に行動できる方と一緒に働きたいと思っています!!!
番外編 ChatGPTは何と答えた?
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。
実はこのnoteを書くにあたり、「参考にならないかな〜」と思い、ChatGPTに設定を投げてみました。そうしたら意外にも的を射た返答があったので、ここに記載しておきます。最近のChatGPTは本当にすごいですね・・・
文中にも出てきますが、「リスクを取らないことが最大のリスク」というのは自分がスタートアップに転職した時に思ったことです。悔しいですね(笑)
【入力】
あなたは大企業を辞めてスタートアップに転職しました。スタートアップではCAOを努めており、経営者です。
ですが、大企業に勤めていた時の働き方が抜けないまま、経営者なのに仕事の仕方がサラリーマンのようになっています。
このことについて、反省も踏まえ、皆さんへの教訓として2,000文字ぐらいで文章を書いて欲しいです。
【出力】
転職してスタートアップに飛び込んだ時、私は大企業における安定したキャリアから一歩踏み出しました。大企業では、確かに組織がしっかりしており、与えられた枠内で自分の仕事をこなしていけば良かった。しかし、スタートアップに来てみると、環境や働き方が大きく異なり、そこで自分の姿勢や思考を変えることの重要性を痛感するようになりました。
スタートアップでは、私はCAOという役職に就き、経営者の一人として会社の未来を作る立場にあります。会社の成長と成功を左右する責任があり、日々決断を迫られる立場です。しかし、転職してからしばらく経って気づいたのは、私がまだ大企業の働き方に囚われていたということです。具体的には、次のような問題がありました。
1. 決断を先延ばしにしてしまう
大企業では、多くの意思決定が上司や他の部門との協議を経て行われます。結果として、私はそのプロセスに慣れてしまい、意思決定をスピーディーに行う必要があるスタートアップの環境でも、ついつい慎重に時間をかけすぎてしまっていました。スタートアップでは、スピードが命です。リソースが限られているため、すぐに結果を出す必要があり、決断の遅れはそのまま会社の成長の遅れに直結します。
2. 指示を待つ姿勢
大企業では、自分の役割が明確に定義されており、上司から指示を受けて動くことが多いです。そのため、指示がないと自ら積極的に動くことができないという問題に直面しました。しかし、スタートアップでは自ら問題を発見し、解決策を提案し、実行に移すことが求められます。特に経営者という立場であれば、会社に関する事項を把握し、リーダーシップを発揮して会社全体を方向付ける必要があります。それにも関わらず、私はまだどこかで「誰かが決めてくれるだろう」と待ってしまっていたのです。
3. リスクを取ることへの恐れ
大企業では、リスクを取ることが抑制される文化がしばしばあります。規模が大きいため、一つの失敗が大きな影響を及ぼす可能性があるため、リスク管理が重要視されます。しかし、スタートアップではリスクを取らないこと自体がリスクとなり得ます。市場の変化に素早く対応し、競争に勝つためには、時には大胆な決断が必要です。私は、リスクを避ける癖がついてしまっており、スタートアップという場において、果敢にチャレンジすることができていませんでした。
4. 組織に頼りすぎる
大企業では、専任の部門や専門家が多くの課題を解決してくれます。そのため、私は自分がそのような支援体制に依存していることに気づかずにいました。スタートアップではリソースが限られており、一人ひとりが複数の役割をこなす必要があります。特にCAOとして、財務に限らず経営全般に関わる多岐にわたる業務をリードしなければならないにも関わらず、私はどこかで「誰かがやってくれるだろう」という気持ちがあったのです。
これらの反省を踏まえ、私はスタートアップにおいて経営者としての自覚を持つことの重要性を改めて認識しました。以下に、同じような道を歩む可能性がある皆さんへの教訓として、いくつかのポイントをお伝えしたいと思います。
1. 決断力を持つ
スタートアップでは、意思決定のスピードが重要です。情報がすべて揃うのを待っている時間はなく、時には不完全な情報の中で決断を下さなければなりません。特にリーダーであれば、結果を恐れずに決断し、結果に対して責任を持つ覚悟が必要です。
2. 自ら動く
指示を待つのではなく、何をすべきかを自分で見つけ出し、行動することが求められます。特にスタートアップでは、誰もがリーダーシップを発揮し、組織を動かす力を持つことが大切です。
3. リスクを恐れない
リスクを取らないこと自体が最大のリスクであることを理解し、チャレンジする姿勢を持ちましょう。失敗は学びの機会です。大胆に行動し、その結果を冷静に分析して次に活かすことが重要です。
4. 自分を頼る
スタートアップでは、すべてを自分で解決する必要があります。問題を他者に依存するのではなく、自分が解決策を見つけ、実行に移す力を持つことが求められます。
私はまだスタートアップの環境に適応する過程にありますが、これらの反省を通じて、経営者としての自覚と責任を持ち、より積極的にリーダーシップを発揮していきたいと考えています。同じような立場にいる方々にとって、この経験が少しでも参考になれば幸いです。