マジックは歯科医療に役に立つのか?
はじめまして。凌雲と申します。お寺関係かと聞かれることが多いですが、関係ないです。
ざっと自己紹介しますと、マジックが趣味の歯学部生です。空手をやっています。どうぞよろしく。
さて、初めてnoteを書くにあたり、マジックをやる方向けに何か書こうとしたのですが、自分の好きなマジシャンや最近やっているマジックを書いても、正直誰も興味を持たないだろうな……と思いました。正直、もっともっとすごい人達のDVDやレクチャーノートを読んだ方が有意義。
でも、せっかく書くなら沢山の人に読んでもらいたいので、自分の勉強している歯科の分野と趣味のマジックを絡めてみようと思いました。
全国には27法人29校の歯学部が日本に存在しますが、僕の知る限り奇術部、すなわちマジックのサークルがあるのは僕の通っている大学だけ。
個人的な趣味として活動している人はいても、「歯医者の大学で積極的にマジックの活動をしている」のはうちの大学の部員だけ、その中でマジックが一番好きな現役部員は僕です(断言)
つまり「全国の歯学部生で一番マジックをやっている」のは僕ということになりますね(超暴論)
そこで、(全国で一番)マジックをやっている(であろう)歯学部生が提供できるお話ってなんだろな、となったわけです。
歯科の分野はマジックに役に立つのか?
「立たないだろ……」というのが率直な感想だと思いますが、僕はむしろ役に立つんじゃないかなと思ってます。
ギミックを自作する人ならわかってくれると思うのですが、加工するための道具が完成度に大きく影響しますよね。
切ったり貼ったり削ったり型をとったり。これって、歯科の道具でほとんどが再現可能です。人体に使用する物なのでホームセンターなどに売っているものよりも精密に加工できます。
金属の加工や鋳造、研磨。穿孔、切断、切削、レーザー加工、レジン形成、接着操作、3Dプリンターなどなど、「歯の代わりを作る」ための歯科の道具で出来ることはかなり広範囲です。ある奇術部OBの先生は歯科の道具でステージマジックで使うギミックのほとんどを作っていたそうです。歯科矯正用ワイヤーをジャリ代わりに使っていたと聞いた時は流石にやり過ぎだろ!と思いましたが……
マジックは歯科医療に役に立つのか?
今度は逆にマジックは歯科医療に応用出来るのか、を考えてみます。
歯科医療に歯医者と患者の関係があるように、マジックも演者と観客という関係があります。どちらも「人を相手にする」という共通点があります(大発見)
歯医者が医療を患者に提供するように、マジシャンはマジックを観客に提供します。
ならば、マジックで培っった技術やノウハウを歯科医療へ活かすことは可能なはず。
では具体的にどんな場面で使えるのか。
魔法のような治療
ぶっちゃけていうと魔法のような治療なんてものはないです。患者さんによって最適な治療法は変わるし、口腔内の状態や痛みの感じ方など本当に十人十色。
「絶対治る!」「この治療法が一番すごい!」なんていうのはほとんど嘘。「そういう場合もある」であって、ある人には一番の治療法でも、ある人には全く合わないかもしれない。
でも、魔法のような治療に近づけることはできると思います。
マジックで使われるミ◯ディ◯クションやオ◯ビー◯。これらは観客の「知覚」をコントロールする技術ですが、似たようなことが歯科治療でもできると思います。
これまたある奇術部OBの先生から伺ったお話ですが、「親知らずを抜く時、麻酔や切開をしなきゃいけなくなることがあって、抜くのもそれなりに時間がかかる。だから『ちょっと見てみるね』と声をかけていろいろいじり、抜けてしばらくしてから、今か今かと強張る患者さんに一言『もう抜けたよ〜』と声をかけるんだよ。患者さんはいつの間にか終わってたと感じるから治療への恐怖心が和らぐんだよ」
患者さんが抜かれると思うタイミングと実際に抜くタイミングとをずらすことで、抜歯の怖さを取り除き、体の硬直も少なくなって治療しやすい。患者さんは「いつのまにか歯を抜いていた歯医者さん」と感じる。マジックの経験が活きてるって話でした。すごい。
最後に
マジックは「お客さんを楽しませるため」、歯科治療は「お口と全身の健康を向上させるため」。どちらも相手がいて、その相手にとってよりプラスになることを目指すもの(だと思ってます)。関係がないように見えて、実は密接な繋がりがある分野なのかなと考えています。
最後までお読みいただきありがとうございました。皆さんにとって何か為になる話であったのならとても嬉しいです。
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