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あなたは子どもを生んではいけません。

「あなたは子どもを生んではいけません」

もし、そう言われたら、あなたはどう感じるだろうか?

おそらく、「そんなの個人の自由だろう」と反論するだろう。もしくは、「バカなこと言ってるな」と右から左へと受け流すことだろう。

しかし、それが法律で決まっていたとしたらどうだろう。「そんなことあるわけがない」と思うかもしれない。しかし、そんな時代があったのだ。それも、この国で。

1948〜1996年まで、日本には優生保護法という法律があった。この法律は1940年にナチスドイツの遺伝病子孫防止法をモデルに制定された国民優生法が前身となっている。

この国民優生法は、戦前の「産めよ増やせよ」というキャッチフレーズに代表される人口増加政策に基づき、障害や疾病を有する者の人口を減らし、“健全なる素質”を有する者の人口を増やすという目的のもとに制定された。だが、戦後となった1948年の優生保護法では「悪質の遺伝防止」という意味合いが強くなり、まさしく「障害者は子孫を残すな」という優生思想に基づいた強制不妊手術や人工妊娠中絶が認められていくようになったのだ。

いま考えればとんでもな人権侵害であり、人道的にも許されない法律なのだが、この法律が障害者差別だとして批判を浴び、「母体保護法」と改められたのは、1996年のこと。つまり、いまから27年前までは、この法律が効力を発揮していたのだ。

だからこそ、まだ“当事者”が現存している。強制的に不妊手術を実施され、人生を大きく制限された人々が、いまなお苦しんでいる。

このうち38名の当事者が「旧優生保護法に基づく手術を強いられたのは憲法違反である」として裁判を起こし、損害賠償を求めている。2018年に始まりを迎えた一連の訴訟はすでに高裁で7件の判決が出ているが、そのうち5件は最高裁で上告を受理することが決まっている。

ポイントは二つ。

①優生保護法に基づく強制不妊手術や人工妊娠中絶は憲法違反にあたるか。
②20年を過ぎると賠償の請求権が消える「除斥期間」は適用されるか。

高裁の見解も分かれており、いったい最高裁がどのような判断を下すのかにはもちろん注目しているが、“一般の人々”はこのニュース、この問題についてどのように考えているのか。

ニュースサイトのコメント欄を覗いてみると、そこには目を覆いたくなるような言葉が並んでいた。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
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