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「フィルターバブルから脱したい」と思っているあなたへ。
「フィルターバブル」という言葉を耳にするようになって数年が経ったように思います。
フィルターバブルとは、ええと、自分なりの解釈で乱暴に定義するとあまり正確ではなくなりそうなので、ググってきますね。
あった、ありました。
「フィルターバブル」とは、アルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、個々のユーザーにとっては望むと望まざるとにかかわらず見たい情報が優先的に表示され、利用者の観点に合わない情報からは隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立するという情報環境を指す。
え、もっと簡潔に?
じゃあ、私なりに(やや)乱暴にまとめますよ?
私は「フィルターバブル」を、
「高度なアルゴリズムにより、自分が見たいと思うものしかリコメンドされなくなり、結果としてどんどん偏った情報の泡の中に閉じ込められること」
だと解釈してます。
こうなってしまうと、どんどん分断が生まれ、議論が成立しなくなっていってしまうことは、容易に想像がつくと思います。目にしている情報が違い、議論の前提となる材料が異なるのですから、いつまでも溝が埋まらないのも当然ではあります。
最近のTwitterがとてもギスギスしていて、どこまで長続きするかは不透明なものの、METAが始めた「#Threads」なる新SNSの人気が沸騰しているのも、やはりTwitterの息苦しさが要因のひとつなのではないかな、なんて思ったりもしています。
おそらくここまで読めば、
「やっぱりフィルターバブルに陥ることは避けたい」
「様々な角度から物事を見るようにしたい」
となるでしょう。ところが、最近のアルゴリズムはどんどん強化されていて、なかなか私たちを泡の外に出してはくれません。私たちもそれに対抗して“自衛策”を取る必要がありそうです。
そんな“自衛策”を取るために必要不可欠な装備品のひとつになりそうなのが、今月発売されたばかりのこちらの書籍。
サブタイトルが、またいいですね。
「誰にも『脳』を支配されない情報爆発時代のサバイブ術」
これ、逆にいえば、油断していると私たちの脳はあっという間に偏った情報に占拠され、しまいには支配されてしまう、ということでもあると思うんです。本来であれば、私たちは「情報を基に判断する」はずなのに、「情報に脳を支配される」という事態が起こってしまっているのです。
これは以前から私も憂慮している状況で、このnoteでも何度も、繰り返しお伝えしてきたつもりです。
「感情」と「事実」は切り分け考えよう。
だから、この『シン・情報戦略』の表紙を見たときビックリしたんですよね。帯の部分に「事実と意見を切り分けて情報を咀嚼する」と書いてあって、「そう、その通り!」と。さすがは米重克洋さん。
米重さんとは、『選挙ドットコムちゃんねる』でご一緒して以来、ずっと親しくお付き合いさせていただいていますが、つねに冷静沈着で、意見がブレない。それは、きっと帯の文句にあるように「事実と意見を切り分けて情報を咀嚼する」ことができているからだと思うんですよね。
いったい、どうしたら、「事実と意見を切り分けて情報を咀嚼する=フィルターバブルから脱して多角的な情報に触れる」ことができるのでしょうか。それには、やはり「本書を読んでほしい」ということに尽きるのですが、それではこのnoteを書くの意味がないので、ここからは対照的に「事実と意見を切り分けられずに、情報に支配されてしまっている」典型的なケースをご紹介しようと思います。
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「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.com/h_ototake/m/m9d2115c70116
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