【義足プロジェクト #13】 私が直面した「三重苦」という現実。
この記事は、今月30日(日)に「FRaU×現代ビジネス」にも掲載されます。
さあいよいよ、「SHOEBILL OTOTAKE MODEL(シュービル オトタケモデル)」の装着だ。
まだその機能は使わないとはいえ、膝継ぎ手とバッテリーなどが新たに加わったロボット義足の重量は、片足五・四キロになった。これまでの義足より一キロ以上重くなったわけだが、それが堪えた。
いつも通りに義足を履き、マネジャーの北村に抱えられて立ち上がったとき、「立っているだけでやっと。足を前に出すなんて絶対ムリ」と感じてしまったのだ。
「膝が入ると重くなりますよ」とは言われていた。しかし、「百聞は一見にしかず」ならぬ「百聞は一歩にしかず」。履いてみてはじめてわかる重量感だ。
足を振り出そうとしてもなかなか前に出ない。例によって大量の汗が身体から吹き出る。歯を食いしばって両足の断端に力を込め、やっとの思いで数センチずつ足を踏み出していった。
ほとんど成果のなかった練習を終えて北村に義足を外してもらっていると、義足エンジニアの遠藤氏が「まずは重さに慣れることからですね」と話しかけてきた。だが、不安は募る。慣れるものなのだろうか。
その日の夜、私は背中一面が固くこわばっていることに気づいた。いままでの義足練習ではそこまで感じることのなかった腰の痛みや背中の張り。伸ばしたりひねったりしてほぐそうとしても、まるで効果がない。カチコチに固まった背中を押しつけるようにベッドに倒れこみ、暗い気持ちのまま眠りに落ちた。
このころ、遠藤氏も悩みを抱えていた。
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「乙武洋匡の七転び八起き」
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