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市川猿之助さんを追い込んだのは誰か。
「趣味は何ですか?」と聞かれれば、「ワインと歌舞伎」と答えている。初めて歌舞伎を観劇したのは20代の頃で、それから数年おきに“社会科見学”的に観に行く程度だったが、5年ほど前からすっかりハマってしまい、今ではほぼ毎月、東銀座にある歌舞伎座に通っている。
だからこそ、余計に衝撃だった。市川猿之助さんのニュースだ。自宅の半地下にあるクローゼットで意識が朦朧とした状態で発見された。首を吊った形跡があり、そばには遺書のような書き置きがあったという。両親は2階のリビングで仰向けに倒れており、母親は自宅で、父親であり歌舞伎役者である市川段四郎さんは搬送先の病院で死亡が確認されたというから、ガス漏れのような状態になっていたのかもしれない。
両親も巻き込んだ無理心中だったのではないかとも言われているが、現段階ではそこまで詳しいことはわかっていない。ただ、少なくとも現場の状況からは、猿之助さんがみずから命を絶とうとした可能性が高いと見られている。
なぜだろう。もちろん、ご本人が何もコメントを出していない以上、またこの記事を書いている時点では「遺書のような書き置き」の内容が公表されていない以上、その理由はわからない。ただ、今回の事件のきっかけとなってしまったのではないかと言われているのが、猿之助さんに関する週刊誌報道だ。
ページビューに加担したくないのでリンクは貼らないが、彼自身のプライベートにおける醜聞記事だった。もちろん真偽のほどはわからないが、スタッフにパワハラやセクハラを行い、またコロナ禍で緊急事態宣言が出ている期間でもパーティーを開いていたという記事だった。
この記事の内容が真実だった場合、「コロナ禍でのパーティー」に関しては、さすがに「今さら……」という感は拭えないが、さすがにパワハラやセクハラに関しては看過できないものがある。特に最近はジャニー氏の問題がクローズアップされているタイミングでもあり、地位や特権を利用した性加害については社会全体でNOを突きつけていく必要がある。
しかし、それだけで自殺まで図るものだろうか。もちろん、再度の確認になるが、彼自身が何もコメントを発していない以上、すべては憶測になってしまう。それでも、自身の批判記事を書かれただけで自殺を図るといったケースはこれまで聞いたことがないし、なかなか考えづらい。
そう、私たちは重要な視点をひとつ見落としていると思うのだ。
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「乙武洋匡の七転び八起き」
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