聖火リレーは「鳩サブレー」の豊島屋に学べ。

これは先月28日につぶやいたツイートだ。あれから3日経ち、いまや東京都の感染者数も1日1000人を超えた。大阪府では保健所に対して、「高齢者は入院の優先順位下げる」旨の通知までしていた(のちに撤回・謝罪)。

そうした状況のなか、今日から聖火は沖縄県内を巡る。決して感染が落ち着いているとは言えない地域。公道での走行はあきらめ、名護市民会館の周辺(5月1日)や平和祈念公園(5月2日)などを無観客で走ることにしたという。

なぜ、そこまでして続けるのだろう?

そんな疑問を抱く人も、少なくないだろう。冒頭のツイートにも書いたように、さまざまな事業者が休業を余儀なくされ、私たち国民も日々のささやかな楽しみを奪われているなかで、なぜ聖火リレーだけが粛々と続けられているのだろうか。

もちろん、4月の大阪や今回の沖縄などを除けば、聖火は感染が広がっていない地域を走っており、問題はないとの見方もあるだろう。しかし、多くの人が我慢を強いられているなか、オリンピックだけは開催が既定路線として進められていることに反発を抱いている人は多く、全国を巡る聖火リレーはまさにそうした人々の怒りの導火線に火をつける形となってしまっている。

そもそも、聖火リレーは誰のためなのか。

今回、ランナーに選ばれ、公道を走る人々のためだろうか。それは本末転倒だ。本来、聖火リレー自体が何らかの使命を帯びていて、その使命を成し遂げるために、それぞれの地域を走るランナーが選ばれているはずだ。ランナーのために聖火リレーが存在しているわけではない。

ならば、オリンピック・パラリンピック組織委員会がこだわっているのか。もしかしたら、そう考えている人もいるではないかと思うが、私はまた違うのではないと思っている。彼らが死守したいのは本大会の開催であり、いまの状況を冷静に考えれば、聖火リレーの強行開催はその“本丸”にダメージを与える可能性が大きい。そう考えると、組織委員会もまた聖火リレー自体にはそこまでこだわっていないのではないかと思うのだ。

となると、聖火リレーの開催にこだわっているのは——。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
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