
「世界のすべては他人事」にされてしまうと困ってしまう人々もいる。
Twitterのトレンドワードに「カズレーザー」とあったのでクリックしてみると、彼が受けた東洋経済オンラインの記事がバズっていた。
タイトルは、「カズレーザー『世界のすべては他人事』と思う訳」。
最近、大人気のカズレーザーさん。クイズ番組で活躍されるほど博識で、それでいて嫌味がなく、情報番組でコメンテーターを任せれば忖度ないコメントでズバッと正論を言い放つ。次の改編では、高額なギャラがネックとなる大御所タレントに代わって MCを任されるのではないかという話まで聞こえてくる。
そんなカズレーザーさんのインタビュー記事がバズっている。みなさんのコメントを見ていくと、いわゆる“炎上”しているという感じではなく、むしろ広く共感を呼んでいる。
これは読んでおこうと記事をクリックしてみると——なるほど、タイトルにもなっていた「世界のすべては他人事」という箇所では、こんなことを語っていらした。
この世で起きたこと全部、どこか遠い世界の話だと思ってるんですよね。身近だって思ったことないんですよ。政治とかも、もちろん勉強はするけど、どっちに転がろうが、たぶん僕は生きていける。1つひとつのニュースに、真正面からぶち当たってないのかもしれないです。
ニュースなんて、見なくても生きていけるじゃないですか。どっちでもいいことに、体温奪われたくないんですよ。どっちでもよくないですか?
つねに客観的な視点からのコメントが冴え渡るカズレーザーさんらしい感性だと感じた。そして、この感性が多くの人から好まれ、評価されるのだとも思った。
たとえば、芸能人の不倫報道。たとえば、煽り運転による死亡事故。たとえば、政治家の汚職。こうしたニュースが吹き上がるたび、ワイドショーが「こいつを叩け」と大号令をかけ、ネット民がそれに応えて一斉バッシングを開始する。
こうした風潮にうんざりしている人々からすれば、カズレーザーさんの言う「世界のすべては他人事」という考え方にはとても賛同できるだろうし、こうした考え方が広く浸透すれば、“一億総バッシング社会”もずいぶんと緩和されることだろう。
これをわかりやすく言い換えれば、「まあ、そんなにカッカしなさんな」ということだと思うし、“一億総バッシング社会”にうんざりしている私としても、この考え方には首肯せざるを得ない。
しかし、その一方で、カズレーザーさんの意図するところを理解せず、この言葉を額面通りに受け取る人が増えてしまうと、それはそれで困ったことになるぞ……と思わず眉間にしわを寄せてしまったことも事実だ。
というのも——。
------✂------
ここから先は有料公開となります。
個別の記事を数百円ずつご購入いただくよりも、定期購読マガジン(月額1,000円)をご購読いただくほうが圧倒的にお得となります。
月の途中からご購読いただいても、当該月の記事はすべて読めるようになっているので、安心してご登録ください。
記事の更新はみなさんからのサポートに支えられています。ぜひ、この機にご登録をお願いします!
「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.com/h_ototake/m/m9d2115c70116
ここから先は
¥ 300
みなさんからサポートをいただけると、「ああ、伝わったんだな」「書いてよかったな」と、しみじみ感じます。いつも本当にありがとうございます。