arte夏コミ本に寄稿した小説の解説と後日談

この記事はTokyo City University Advent Calendar 2023の24日目の記事です。昨日23日目の担当はTapiおくんの『そうだ、旅に出よう&北海道限界旅行記』でした。素敵だねぇ、私も旅行に行きたくなってきた。
裏アドカレ5日目も担当したので良ければ読んでね。

というわけで、聖なる日のイヴを私ひめかが担当します。どうぞお手柔らかに。

昨年はキラキラ大学生研究会の公式垢にて、合同記事の中のSSを書かせて頂いたわけなんですが、今回は個人記事ということで、気合入れて頑張っていきたいと思います!

今回のテーマは
【arte夏コミ本に寄稿した小説を振り返ろう】
そんなわけで、初めてオフィシャルな小説を書いたのでそれを振り返りながら後日談を書いていきましょうの回です。

そもそもarteって何ぞやに答えます。arteとは、東京都市大学の横浜キャンパスに存在する創作サークルです。このサークルは小説が強いという特色があるとかないとか?そんなサークルに、小説を書きたいというだけで入会を決めた大学4回生のお話です。


本文載せるよ

私が書いた小説がこちら。arte会長にも承諾をもらってWeb再録の形を取ります。本当にarte夏コミ本をお手に取ってくださった方に感謝いたします。尚、再録に伴って、誤字脱字チェックの上で加筆修正をしております。
PDFでの展開ですが、支障が出たら別媒体のリンクを用いて展開します。以下の解説を読みながらでもよし、一通り本文を読んでから解説を見るもよし、お好きな形で楽しんでいただければ幸いです。

本文の解説だよ

早速なんですが本文を解説していきます。非常に長いので根気よく読んで下さったら嬉しいです。
⚠️以下がっつり本文のネタバレを含みます⚠️
ネタバレがダメな方は本文を読んでから

○冒頭部分


主人公がCaféマボロシという謎だらけのカフェに遊びに行くシーン。主人公は一応若い女性を想定しています。本当はジェンダーレスな方(読む人の解釈での性別)で書きたかったんですが、やはり処女作ですので自己投影というか、自分と同年代の同性の登場人物になってしまったというか。字書きの凄さを感じました。ここで登場するマスターは50代ほどを想定しています。35ぐらいに早期退職して修行して40ぐらいに開店したみたいな。大人のロマンを詰め込んだthe紳士のイメージです。敢えてキャラボイスをつけるのであれば、ツダ○ン、グ○リバあたりです。
内容としては、主人公がカフェに入って中の様子に夢中になっているということです。マスターは距離感バグってる人なので、扉開けたら目の前にいます。客の気配を感じ取って、いつも扉の目の前で迎え入れるんですよこの人。ペストマスクしていて声がこもるのでね。主人公、そんなマスターのことを声だけでイケメンってずっと思っています。顔が見えないからいくらでも想像ってできるんですよね。実際、イケオジイメージなので何も間違っていません。よかったね、主人公ちゃん。さて、店内BGMが『現代的な雰囲気』と表現していますが、これは、某動画共有サービスでよく耳にするような楽曲ばかり流れていることを指しています。声は渋めな割に意外すぎでは?というギャップ。いいですね、ギャップ。そして、手書きラミネートのメニュー表なわけです。恐らく習字でもやっていたような方の字が相当します。達筆のハイスぺイケオジが営むカフェ。私も行ってみたいもんです。

○中盤


ここからは主人公が注文して眠りにつき、目覚めると悩みがなくなっているというところまでの解説をしていきます。
飲み物はぶっちゃけ何でもよかったのですが、若い女の子が喫茶店で頼みそうなものといえばアイスティーのイメージが強すぎる(私がよく頼むから)ので、今回はアイスティーにしてみました。ルイボスティーっていうのも書きながら決めたのでこだわりはないです。実は、このお話の季節が夏(夏コミ用なのもあって)という設定なので、アイスティーならルイボスティーにしていたと思うと、想定通りと捉えられても過言ではないです。
飲み物以上に解説せねばならないのが謎のスイーツ《ユメのアシアト》というものです。作中で主人公は口コミの評判が良かったから、という理由で注文しています。それもそのはず、このスイーツ、人によって違うものが提供されるのですから。この主人公は『パステルカラーのケーキ』でしたが、ビスケットが添えられたコーヒーゼリーや硬めプリンが乗ったパフェ、真っ白なティラミスなど多岐にわたっています。完全にマスターの気分と迎え入れたときの雰囲気から判断して作っているので、多種多様な《ユメのアシアト》なわけです。だから『私が見たあなたをイメージしております』となるんです。
ここでマスターの素性を。このマスター、魔術師なんです。マスターは睡眠や夢を司る魔術師で、独自配合の睡眠薬入りスイーツを用いて人の疲れに関する研究をしています。しかも、Caféマボロシは精神的に元気な人には見つからないようになっています。そうつまり、主人公はかなりのストレス状態(無自覚)であるから、不意に思い立って出かけていても見つけることができたのです。今回の主人公は幼少期の自分に対峙することで、悩みの種を夢の中で整理することができました。眠りにつくシーンは、主人公が金縛り状態のような夢の中で、記憶喪失になっている幼い頃の自分の声を耳にしています。でも、距離が遠すぎて誰の声かわからない、といった感じです。皆さんもきっと経験のある夢なのかもしれません。金縛りが1番近いと思います。
《ユメのアシアト》は自身の夢に作用するスイーツなので、暫くは不思議な夢を見ることがあります。これはマスターが夢を見るとされる、レム睡眠に作用して記憶の整理をサポートする効果を《ユメのアシアト》に付与しています。その関係で、1週間ほどは不思議な夢になるわけです。主人公も例に漏れず、幼少期の自分がなにかブツブツ言っている夢を見ます。ある日を境に見なくなりますが、それ以降、いいことが起きたり悩みの解決がみられたりする表現をしました。今の人生が上手くいくよう、自分の夢が叶うようアシストするスイーツ、《ユメのアシアト》は『夢のアシスト』が叶うスイーツとして考案されたものでした。そのまま《ユメのアシスト》としてもよかったんですが、《ユメのアシアト》の方がちょっとおしゃれかなと思ってこっちにしました。
中盤ラストは主人公がCaféマボロシで過ごした感想が綴られています。マスターが異世界人なのも魔術師という設定があるので、ちゃんとした人間だったら不気味だし、フィクションなのでてんこ盛り設定でも許されるであろうという魂胆です

○ラスト


『なんだこれ』。第一声がこれって何だよ!!というツッコミお待ちしておりました!(おい) 何を隠そう、これはフィクションの中のフィクションでした!本当の主人公は、自己投影型の小説を書く、とある大学の創作サークル会員でした。彼女が参加する創作サークルは、カフェマボロシという喫茶店に集まっては創作活動に励んでいます。ちなみにこのサークルのモチーフは私が所属するarteです。もしarteメンバーが喫茶店で集まって活動していたら面白いなという個人的な妄想をぶつけました。主人公はこのカフェでバイトをしていて、サークルの活動日には1時間前からカフェで作業をしています。それでいて、サークルのみんなが来てからはスタッフとしてバイトをするという子です。ラスト軸のマスターは脱サラで喫茶店を開いたイケオジのイメージです。コーヒー好きが高じて開業的な。主人公はこのカフェの大ファンなので、バイトでも自身の小説でも店名にこだわっています。カフェマボロシの名前の由来は『ここでの時間が幻でも幸せでありますように』というマスターの願いからです。序盤中盤ではCaféは英語表記でしたが、これは創作の中でのカフェマボロシという棲み分けです。主人公のちょっとしたこだわりです。作中で主人公は書いている小説を没にしようとします。大好きな場所を自分の創作で汚したくない、書くならいいものをという心情を表現してみました。伝わっていたらいいな。

後日談的な

後日談という後日談は特にないんですが、arteに所属して初めてサークル名義で出すものに寄稿したわけですからそれはそれは緊張しましたね。いざ本物を見たときに感動しましたもの。この作品を書き上げて思ったことは、執筆を続けるために読書の習慣をつけなおしたい、といったところでしょうか。語彙が豊富であればあるほど作品の表現に幅が出ますからね

まとめ

今回はarteの夏コミ本に寄稿した小説について解説していきました。所謂短編に相当するもの(下手したら分量的にSSかもしれない)ですし原稿の枚数にも制限があったので、よくここまでまとめきったかなと思いますね。やっぱり字書きは楽しいです。実は以前から小説を書くことが好き(夢小説的なものを書いていました)だったうえに、文字を書くという行為が結構好きな方なので、こうした書きたい欲を満たすことができて満足です。
最後に告知です。来る12月31日、コミックマーケット103に私が寄稿した作品本の頒布が決まりました!東ヌ42b「創作サークル arte」のブースにて頒布される合同誌に掲載予定です!ざっくりいうと、自分がよく履いていたスニーカーに自我を持たせたお話です。こうご期待。

いよいよ明日で表アドカレも最終日。ラストを飾るのはあきやまそらくんの『東京都市大学という最高の大学について』です!こちらもお楽しみに。

それではまた。
ここまではひめかがお送りいたしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?