日本対コロンビア マッチプレビュー~守備でリズムをつかみ勝ち点1をもぎ取れ~
勝ち点3を絶対条件とするチームと勝ち点1でも問題ないチーム。それがこのゲームを見る最大のポイントだ。
テレビやスポーツ紙では、もうすでに「ハメス・ロドリゲスやファルカオといったスター選手に警戒」と紹介されているので、ここでは個人的に気を付けたほうが良いポイントを挙げ、紹介する。
1つの見どころは長友VSクアドラードのマッチアップ。
ハメスロドリゲスだけでなく、クアドラードからも決定機が作られる場面が親善試合などを通して複数あった。
「何度も対戦していますけど、中途半端に僕が上がって中盤の位置とかでボールをとられたときが一番怖い」(長友)と警戒するようにクアドラードのドリブルの仕掛け、スピードに注意したい。
そして、無失点の時間をどれだけ長くできるか。これに尽きる。
サッカーでは当然だが、ワールドカップという舞台ではこれがどれだけできるかがコロンビア戦のカギになる。
日本にとって参考になるのは他グループのチームの戦い方だ。
アルゼンチンの攻撃を最小限に食い止めたアイスランド。そして、前回大会王者のドイツを破ったメキシコ。
両チームは1人抜かれたとしても2人目がカバーし、大きく守備陣が崩れなかった。連動した守備で戦った結果、しっかりと勝ち点を手にしている。その点は日本もコロンビアに対して求められる点だ。
ワールドカップの初戦はどうしても固くなってしまう。今大会をここまで振り返って絶対的有利とされている強豪国は特にその傾向が強く表れているようだ。
前日会見で西野監督は「スタートからリアクションサッカーというものは望みたくない」と試合開始から攻撃的に行くとコメントしたが、本心は別のところにあるはず。
恐らく、4-2-3-1のフォーメーションでGKは川島永嗣。DFは右から酒井宏樹、吉田麻也、昌子源、長友佑都。ボランチは柴崎岳、山口蛍。2列目は右から武藤嘉紀、香川真司、乾貴士。1トップは大迫勇也。
という布陣で前半は無失点で何とか抑え、後半勝負を挑むことが思い描いているということが本心だろう。現実な戦い方で90分を戦うことで活路を見出したい。
非公開練習では、セットプレーなどを確認したという報道も一部ではされており、「秘策がある」というような報道も。日本に住んでいるサッカーファンにはどういったものなのかはわからない。
ただ、確実に言えることは先制点を奪われるのは絶対に避けたい。
指揮官の頭の中には焦れずに相手の攻撃を抑え、後半15~20分過ぎまで時計の針を進め、宇佐美や本田といったカードで勝負を決める。といった青写真を描いていることだろう。
攻撃に関しては相手のサイドバックの裏を突くことでチャンスにつなげたい。
日本の狙いどころとしてはボールを奪った後素早くサイドバックの裏をつけるかがポイント。3月に行われたフランス対コロンビアの試合でコロンビアは2失点し、どちらもサイドバックの裏を突かれていた。
スタメンが予想されるコロンビアのサイドバックのアリアス(右)とファブラ(左)は攻撃参加は得意だが、守備では、やや不安定。
そこを突くことができれば、勝機は見えてくる。
そして、最後は「運」。
試合途中の展開でシュートがポストにはじかれる場面やフランス対オーストラリア戦のようにVAR(ビデオアシスタントレフェリー。ビデオ判定のこと)で一度下された判定が覆るシチュエーションも想定される。
それがどちらのチームに転ぶかによっても勝敗を左右するだろう。
日本としては運に左右されないために不用意な自陣ゴール前のファールを避け、ビデオ判定になるであろう状況をできるだけ無くすことで対応したい。
過去、日本がワールドカップに出場した5大会、初戦で勝ち点を取った大会は必ず決勝トーナメントに進出している。(2002年日韓大会、2010年南アフリカ大会。共に成績はベスト16)
今大会は直前の監督解任でチーム状況は決して良くはない。
ワールドカップ初戦、一筋縄では行かないかもしれないが、内容は関係ない。
試合終了のホイッスルが仮に引き分けを告げるものであったとしても、グループHの台風の目として日本が世界中の視線を集めるに違いない。