日本対コロンビア 決勝トーナメント進出へ大きな一歩も手放しでは喜べない理由
試合前、コロンビア相手に敗戦濃厚と言われていた中、歴史的勝利。
ただ、素直に喜べないのは自分だけだろうか。
PKでの先制点
相手の中盤の守備の要、カルロス・サンチェスの退場
最も警戒するハメス・ロドリゲスの怪我
いくつかの運が重なった結果、勝ち点3をもぎ取った。
全体を通して気になるのは、決定機の数に比べ、ゴールへと結びついていない。
そして、相手が10人にも関わらず、長友のクリアミスからフリーキックから追いつかれたことやハリルホジッチ監督の時代からの「縦に早い攻撃」という遺産は何だったのだろうと思うほど、カウンターが発動する場面が少なかった。
「内容はそこまで良かったとは感じていないですし、相手が10人の中でアドバンテージを活かしきれなかったと思っています」と、試合後に本田圭佑がコメントを残しているように少し展開が違えば、負けていたかもしれない。
過去の嫌なデータもある。
96年に西野監督が率いたアトランタ五輪では、ブラジルに勝ったが、決勝トーナメントには進出できなかった。(最終結果はブラジル、ナイジェリア、日本が勝ち点6で並び、得失点差で日本は3位。2位以上がグループリーグ通過のレギュレーションだった)
ただ1勝しただけでまだ何も掴んではいないのだ。
前回のプレビュー記事で「内容より結果が大事」ということを書いておいて、なぜ、冷めたことを今書いているかというと、「報道の在り方」が気になるからだ。
試合翌日の朝のニュースや昼間のワイドショーなど、一通り見て、やはり今説明したことを紹介したり、分析している番組は存在しなかった。
毎大会思っていることをもう一度整理して伝えないと、いつまでも同じことの繰り返しで多くの人が本当のことを知らず、何事もなかったように次の関心ごとへと移ってしまう。
そんな気配がある。
本当に世界を相手に戦えるのかは11人対11人で90分通しての戦いを見ない限り、判断が難しい。
初戦での勝ち点3は確かに大きいが、コロンビア戦の結果は運の要素が強いためあまり参考にはならない。
この点をもっとメディアが紹介して欲しいが、これが毎大会の定番の報道スタイル。
初めて大きく喜ぶのは退場者がいない中で勝利を掴んだ瞬間でも、決して遅くはないだろう。