「子授かりのお札」を返した
母の死が目の前に見えてきて、
自分ではもっと先になると思っていた「結婚」が、
まさかの29歳で結婚した。
孫の顔を見せたかったけど、
間に合わなかった。
それはいいの。
子供を授かりたくて、神頼みをしてた3年間。
私ったら、一人で、神社に行ったり、産婦人科に行ったり、
嗚呼、忙しかった(笑)
と、笑って言えるようになった、あれから9年の月日が流れた。
5歳になった一人息子を連れて、息子にとっては、生まれてから初めて訪れる、その”子授かり観音”に、お礼参りをしに行こうと、息子に話す。
「この(子授かりの)お札を返しに行こう」と。すると、
「えぇぇ! 僕が産むぅ!!」
そうか、やっぱり、弟や妹が欲しいのか。。。でも母さん、もう気力がない。君ひとりを一生懸命に育てていく。そして、君の好きなウルトラマン怪獣がもう買えないくらい、子供っていうのはお金がかかるんだよ。もう怪獣買えなくなるけど、いいの?____なーんて、大人がよくいうような言い訳を話したのだ。
息子黙ってる。すると、、、そのお札を持って、私のお腹に置いた。
「お母さんが妹になる!!!」おっきい声。。。。
笑った。母さん、君の妹になるのはイヤじゃ。。。。
そんなこんなを、おしゃべりしながら、返しに行けた事。
二人目が欲しくて、ずっと、その神様に我が家にいていただいた。
だけど、コロナのこともある、私の歳もある。
返しに行くのは「今だ!!!」とふと思った。
大雨の朝から、午後には雨が止んだ。車で少し遠出にはなるけど、私が運転し、その神社まで行く。まるで、そのお札を頂きに一人運転をし、行った時の自分のことを振り返りながら、高速道路を走った。今は、私の宝物が後部座席に座り、DVDを楽しそうに見てる。
神社に着いた。
昔、その木の穴に潜ると、子を授かりますよ、っていう穴に、
今回は息子が潜ってた。
私は潜らなかった(笑)
曇ってた空から日が差していた。
私のココロの模様かのように晴れやかだった。
そんな日から、一晩たった今朝。
いつもはそのお札に意識していなかったけど、
今朝は、嗚呼もういらっしゃらないのだ、、、と
寂しくなったのは、紛れもない私のココロだった。
感謝しかない。
今、生きてること、
今、周りにいてくれる家族のこと。
毎日、大事に生きたいと思った。
今日も生きていてくれて、ありがとう。
生まれてきてくれて、ありがとう。