ブリーフ身体測定で悪足掻き

僕が12歳のときの話。

4月のある日、中学生になって初めての身体測定があった。

小学生のときは低学年の頃からずっと上下体操服で測定していたので中学でもそうだろうと思っていた。

しかし身体測定の時間になると女子は全員隣の教室で体操服に着替えるが、

男子はこの教室でパンツ一枚になれという指示があった。

急にそんなことを言われびっくりしたが、生活指導の怖い先生が来て

「さっさと動く！」

と一喝し、僕たちは渋々制服を脱いでいった。

だがふと周りを見ると、みんなトランクスかボクサーパンツだった。

僕はというとまだ白ブリーフを履いており、一気にズボンを脱ぎづらくなってしまった。

他にもなかなか脱がない人がいたためおそらく彼らもブリーフなんだろうなと思った。

トランクスやボクサーパンツの人たちはパンツ一枚になると次々と廊下へと出ていったが、

廊下にはすでに体操服に着替えた女子が一列に並んでいた。

ということは、僕はこの後、白ブリーフ一枚の姿を女子に見られてしまうというわけだ。

小学生の頃は体育の着替えはあったものの上を下に伸ばして隠していたため、

女子はもちろん男子にも白ブリーフ姿をほとんど見られたことがない。

そもそも学校において白ブリーフ一枚の姿を曝け出したことは一度も無かった。

水泳の着替えではラップタオルで隠すしね。

さて、教室にブリーフ派だけが残されたわけだが、生活指導の先生が

「いつまで待たせるんだ！」

と言ってきたため脱がざるを得ない。

最初に脱ぎ出した慎之介くんは黄色のブリーフだった。