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「人間の幸福と健康を高めるたった1つの方法」の研究の話
新コロ騒動以来、生活が根本的に変わってしまった方も少なくないと思います。仕事が変わった(変わらざるをえなかった)、生活全般が変わった、人間関係が変わった、収入が減った…そして何より、先行きの不安感が増した、何を信じていいのか分からなくなった、という方も多いかもしれません。
世界全体が不透明で不安定な激動の時代の「幸せ」って何なのか、何を幸せと感じるかの定義は難しいですよね。一般的には、健康、仕事の成功、経済力、愛情面の充実などが満たされていれば幸せでしょうけど、全部揃っている人はごくごく僅かだと思います。
私が思う幸せの定義は、客観的にはどうあれ、自分自身が「幸せ」と思えるならその人は幸せ、ということでしょうか。
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ハーバード大学が75年にわたって、人間の幸福度とその要因を追跡調査したという興味深い記事があります。(出典)
ハーバード大学が進めている成人発達研究の調査として、ハーバード卒の男性たちと、ボストン育ちの貧しい男性たち2つのグループ(約700人)を、75年にわたって追跡調査したそうです。言うまでもなく、ハーバードは全米を代表する超エリート大学。
その結果、人間の幸福や健康は、家柄、学歴、職業、家の環境、年収や老後資金の有無といったことではなく、人間関係だったという結果になったそうです。しかも、友人の人数は関係なく、たった1人でも心から信頼できる人がいるかどうかが重要ーーということがわかったそうです。
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人間関係では「ポジティブな友人」「ネガティブな友人」「友人がいない」という3パターンで調べたところ、参加者の幸福度を最も高めたのは、
「ポジティブな友人」の存在だったそう。ライフイベントがネガティブな
もの(病気、失業、家族の死、離婚etc)でも、明るくハッピーな友人がいる人は幸福を感じる傾向にあるとのこと。
一方、ネガティブな友人がいた場合は、友人がいない場合よりも幸福度が下がる(!)傾向も見られたというから驚きです。ポジティブな友人の効果はわかるけど、ネガティブな友人が幸福感を奪うという、逆の効果も衝撃的。
断捨離=モノと思いがちですが、不要な人間関係や、自分を不幸にする人間関係、他人への依存心の断捨離も重要なことが分かります。
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ポジティブな友人を持つことが幸福と健康のカギ、ということは、別の見方をすれば、私たち自身も誰かにとってポジティブな存在であること。誰かのネガティブな友人にならないことが大事、ということでもありますよね。
99歳までお元気で現役だった、「私何だか死なないような気がするんですよ」で有名な作家の故・宇野千代さん。着物のデザインや華やかな恋愛遍歴でも有名で、お洒落で超ポジティブな方でした。彼女が生前言っていたのは「(パートナーを選ぶなら)陰気な人はダメよ。陰気はうつるから」。
人間の「気」には伝染性があり、陰気も陽気もうつる(周囲の人に伝染する)といわれます。かといって、人間の思考の8割位は元々ネガティブで、放っておくとすぐネガティブに傾いてしまう。特に日本人はマジメな人が多く、先の先まで慎重に考え過ぎて「やっぱり無理かも…」と消極的になったり、控えめな言動を好む人が少なくない。「ポジティブであれ」というのは
簡単でも、実際にはそう簡単にはいきません。
けれど、誰でも簡単にできるのが「とりあえず口角を上げる」こと。
笑顔が大事だとか陽気がいいのはわかるけど、何もいいことがないし楽しくないのに笑えないという人は、とりあえず「ニッ」と口角を上げてみる。
よくいわれるように脳は騙されやすいので、楽しそうな顔をすると「楽しいんだな」と判断して気分をそっちに持っていってくれる。それで本人も何となく明るい気分になればしめたもので、陰→陽に「気」が変わります。
「作り笑顔はわざとらしくてイヤ」という人もいるでしょうが、作り笑顔でも他人に与える印象は仏頂面や無表情よりマシ。今、1日の大半をマスクで過ごす人も多く、喜怒哀楽の表現がしづらいので、自分でも知らず知らず
表情が乏しくなっている人が増えているそうです。
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元春日大社権宮司の岡本彰夫氏の本に、こんなことが書いてありました。
「目に見えないものは存在しない。はたして本当にそういい切れるのでしょうか?電波や音波は、見えないけれど存在します。だから目に見えない世界が「ない」とは断言できないわけです。
「瑞気(ずいき)」とは「めでたい気」「新鮮で、かつ美しい気」という
意味ですが、昔の人は、この「瑞気」をいかに家や体に取り込むかに苦心
したものです。(中略)昔の人は常に物事を活性化することを考えていたのです。
「瑞気」を呼ぶと家が栄えます。来客が多い家は栄えるといいますが、人々で賑わい、談笑が絶えないと活気が家に充満し、繁栄をもたらすのです。
家だけではありません。
人もそうです。陰気な人では瑞気は呼べません。
何事にも前向きで陽気な人には瑞気も集まってきます。笑うことが大切で、神様もよくお咲(わら)いになることが『古事記』にも書かれています」(「神さまにほめられる生き方」幻冬舎刊 より)
…というわけで、今度友人に会ったら、とりあえず「口角を上げる」を心がけてみませんか。あなたもその人も縁あって巡り会い、こんな大変な時代を共に生きる大切な仲間。
そうして、たった1人でも、お互いがお互いの真にポジティブな友人になれたなら、人生の幸福と健康が手に入るかもしれません。
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ネットには、上のような動物の癒やされる笑顔の画像が多数出ています。
動物には邪気がないので、心が疲れた時や笑いを忘れがちな時にオススメ。
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ライフワークでもあるコウモリ関係のグッズショップ。他の動物のグッズもあります。
※売上の一部をコウモリ保護活動に寄付しています
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